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甲南町市原薬師堂におけるオコナイ
甲南町市原薬師堂におけるオコナイの荘厳

甲賀地域を代表する年頭行事にオコナイがあります。オコナイは奈良や京都の大寺院で、国家鎮護のため正月に修された修正会(しゅしょうえ)や、おなじく二月に行われた修二会(しゅにえ)に起源するもので、それが地方に伝えられ民俗行事化したものととらえられています。

オコナイは近畿ではとくに滋賀県の湖北と甲賀に広くまた濃く伝承され、甲賀のものは天台宗の寺院や仏堂を中心に行われるという、本来の姿を伝えるものとして早くから注目されてきました。野洲川の支流となる杣川(そまがわ)にそった「杣谷」の村々では、現在も各地で伝承されていますが、ながらくその典型とされてきたのが甲南町市原薬師堂(浄照寺)のオコナイです(写真)。

甲賀のオコナイ特徴は、(1)鏡餅を股木にくくり付け、仏前にその丸い面を正面にして掛ける「掛け餅」が荘厳の中心となる。(2)「日の餅」「月の餅」「花びら餅」など多様な形と呼び名を持つ餅飾りやセコなどと呼ばれる作り物が見られること。(3)行事の中で「ダイジョウ」などというかけ声とともに、床や縁を棒で激しく叩く所作があること。(4)「牛玉宝印」が摺られて授与して後日水口祭りに用いるとともに。宝珠印を参列者の額に捺して無病息災を祈願すること。(5)行事をトウヤと呼ばれる当番が担うが、山の神祭りのトウヤなどと同様、これを勤めることが正規村民となるために必須の役目と受け止められてきた。などがあげられます。

オコナイが当地に伝播した時期は不明ですが、一帯に伝えられた古文書によると、少なくとも中世末から連綿と行われていることが確認でき、五穀豊穣・村内安全・子孫繁栄を祈る年頭の仏教行事であると同時に、当屋制度を通じて村落運営上も大きな役割を担ってきたといえましょう。

甲賀のオコナイについて詳しくは『甲賀市史』第6巻をご覧ください。

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