公共建築物における地域産木材の利用方針

平成24年3月
甲賀市

第1 方針の作成にあたって

1 公共建築物における木材の利用の意義

甲賀市の森林は、木材生産機能とともに水源涵養等の公益的機能を有し、私達の生活に欠かすことの出来ない重要な資源である。

戦後、特に昭和40年代以降はスギ、ヒノキの植林が進み、これらの人工林資源の多くが、育成の段階から木材として利用できる段階となりつつあることから、利用を前提とした森林整備が、森林の保全・管理を適切に推進していく上での重要な課題となっている。

また、森林から生産される木材は、調湿性や断熱性に優れた人や環境に優しい資材であるとともに、再生可能なバイオマス資源であることから、住宅等の建築用材や燃料用材として利用することはもちろんのこと、地域の林業や木材産業の活性化による雇用拡大や地域経済の振興に資するものであることなど、木材利用には大きな意義がある。

2 公共建築物における木材の利用の背景

国においては、「我が国の社会構造をコンクリート社会から木の社会へ転換する」との考え方のもと、平成21年12月に「10年後の木材自給率50%」を目指す「森林・林業再生プラン」を公表し、住宅や公共建築物等への木材利用を推進している。

特に、公共建築物における木材の利用は直接的効果だけではなく、公共建築物以外の住宅等の一般建築物における木材の利用の促進への波及効果が期待できることから、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(平成22年法律第36号。以下「公共建築物等木材利用促進法」という。)が制定され、これに基づく基本方針が平成22年10月に策定された。この基本方針では、公共建築物において非木造化を指向してきた過去の考え方から、可能な限り木造化または木質化を図るとの考え方へ大きく転換している。(注1)

これを受けて、滋賀県では、国の基本方針に基づき、公共建築物等木材利用促進法第8条に定める都道府県方針として、平成24年2月に「公共建築物における滋賀県産木材の利用方針」が定められた。

こうした公共建築物等木材利用促進法に関する国や県の動向を踏まえ、甲賀市では、当市が整備する公共建築物の木造化ならびに木質化を推進していくために、滋賀県が策定した「公共建築物における滋賀県産木材の利用方針」に沿い、公共建築物等木材利用促進法第9条に定める市町村方針として、「公共建築物における地域産木材の利用方針」を定める。

第2 木材の利用の促進の基本的方向

滋賀県が策定した「公共建築物における滋賀県産木材の利用方針」に沿い、木材の利用の目標ならびに目標の実現に向けた取り組みを以下に示す。

なお、当市が定める地域産木材とは、甲賀市内産木材とするが、供給が不足する場合においては、広く滋賀県内産木材を利用するものとする。

1 木材の利用の目標

滋賀県が策定する琵琶湖森林づくり基本計画の基本指標である「平成32年度の県産木材の素材生産量12万立方メートル」の目標に沿い、甲賀市においては、「平成32年度の甲賀市産木材の素材生産量2万立方メートル」を目標とし、公共建築物の整備等において木材の利用に努める。

2 目標の実現に向けた取り組み

県内産木材によって木材の利用を促進していくにあたり、供給や需要の各段階において様々な課題を抱えていることから、滋賀県が示す「公共建築物における滋賀県産木材の利用方針」に基づき、各課題への取り組みとともに、木材の安定供給に向けた具体的な対策等について滋賀県ならびに関係機関と連携し、目標の実現に努める。

(1)公共建築物

  • ・低層の公共建築物については、木造化に努めるとともに、公共建築物の内装等について、木材の利用が適切である部分における木質化を促進する。(注2)
  • ・公共建築物の木造化および木質化を進めるにあたっては、地域産木材の活用に努める。
  • ・暖房器具やボイラーを新たに設置する場合は、木質バイオマスを燃料とするものの導入に努める。

(2)公共工事

公共工事においては、自然環境や生態系、景観に配慮した工法を進めていくため、木材の特性を生かせる施工箇所については、地域産木材を利用する工法の採用に努める。(注3)

(3)物品

木材は環境にやさしい自然素材であり、繰り返し活用できる有効な地域資源であることから、木材を原材料として使用した備品および消耗品の利用を促進し、地域産木材を活用した木製品の導入に努める。

(4)木質資源の有効活用

未利用木質資源の有効利用することは、低炭素社会の構築に寄与することから、木質資源のエネルギー利用を進めると同時に、新たな用途の開拓に努める。

(注1)

「木造化」とは、建築物の新築、増築または改築に当たり、構造耐力上主要な部分である壁、柱、梁、けた、小屋組み等の全部または一部に木材を利用することをいい、「木質化」とは、建築物の新築、増築、改築または模様替に当たり、天井、床、壁、窓枠等の室内に面する部分および外壁等の屋外に面する部分に木材を利用することをいう。

〔「公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」(平成22年10月4日 農林水産省、国土交通省告示第3号)の注釈を準用〕

(注2)

低層の公共建築物とは、公共建築物等木材利用促進法に基づき木材の利用を促進すべき公共建築物のうち、建築基準法その他の法令に基づく基準において耐火建築物とすることまたは主要構造部を耐火構造とすることが求められていない公共建築物をいう。

公共建築物等木材利用促進法に基づき木材の利用を促進すべき公共建築物には、広く一般市民の利用に供される学校、社会福祉施設(老人ホーム、保育所等)、病院・診療所、運動施設(体育館、水泳場等)、社会教育施設(図書館、公民館等)、公営住宅等の建築物のほか、国又は地方公共団体の事務・事業又は職員の住宅の用に供される庁舎、公務員宿舎等が含まれる。

(注3)

経済性、現場条件、耐用年数および施工上等特に支障がある場合は、この限りではない。なお、経済性については、維持管理や解体廃棄等の経費も勘案して判断するものとする。