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令和元年6月市議会定例会 開会挨拶
皆さん、おはようございます。本日ここに、令和元年第1回甲賀市議会定例会が開会されるにあたり、提案いたします議案のご審議を願うに先立ち、挨拶を申し上げます。
令和の新しい時代が幕を開けました。この「令和」は、万葉集から引用されたものであり、「厳しい寒さの後に見事に咲き誇る梅のように、日本人一人ひとりが美しい花を咲かせられる時代でありたい」との思いが込められております。
この思いは、第2次総合計画に定めました、本市の未来像「あい甲賀 いつも暮らしに"しあわせ"を感じるまち」に込めた思いと共通であり、市民一人ひとりの思いや願いが実現でき、希望に満ちた時代に活気あふれるまちづくりを気持ちを新たに進めていく所存でございます。
この秋から放送されるNHK連続テレビ小説「スカーレット」を始まりに、全国から注目される一大事業が3年間にわたり目白押しとなります。この千載一隅のチャンスを最大限に活かしきれるようオール甲賀で取り組んでまいります。
「スカーレット」につきましては、信楽地域を中心に収録が進んでおり、エキストラの公募など次第に気運も高まってまいりました。3月28日には商工会や観光協会、信楽経済団体、区長会、自治振興会などの関係団体の皆様により「スカーレット」で甲賀を盛り上げる推進協議会を設立いただきました。
皆様と様々なアイデアを出しながら、忍者や東海道をはじめとする豊かな観光資源へ広がるよう本市の魅力を力強く発信し、地域経済の活性化に繋げて参りたいと考えております。
また、第72回全国植樹祭では令和3年の開催に向けて、先月28日には林田議長にもご参画いただき「第72回全国植樹祭甲賀市推進協議会」を設立いたしました。私自身が会長として先頭に立ち、本市の魅力を全国へ発信し、将来の森林づくりに繋がる大会とすべく、取り組みを進めてまいります。
また、今月2日には土山副議長、田中産業建設常任委員長をはじめ、協議会の皆様とともに、愛知県で開催の「第70回全国植樹祭」を視察してまいりました。老若男女様々な団体の皆様の参画により、まさに愛知県民総ぐるみで大会を盛り上げておられ、躍動感あふれる大会でありました。また、会場内には日本一のものづくり県を全国に発信すべく施設や木製品が整備されており大変印象的でした。これまでの大会を参考に、今後協議会を中心として、本市らしい取り組みに結び付けて参りたいと考えております。
一方、大変残念なことではありますが、先の衆議院議員総選挙における不適正集計につきましては、4月23日付けで関与した関係職員に対し懲戒処分を行いました。
このような事態になりましたことは、極めて遺憾であり、今回の不祥事の重大さと、その責任の重さを痛感しており、改めて深くお詫び申し上げます。
今回の不祥事に対し、選挙管理委員会では第三者委員会を立ち上げ、事件の検証と再発防止策が取りまとめられ、それらをもとに昨年の県知事選挙、また本年4月の県議会議員選挙の執行にあたってこられました。
市におきましては、選挙管理員会とともに3人の弁護士に第三者的立場から関係職員等への聞き取り調査を依頼し、再発防止にむけた実態把握に努めるとともに、リスク管理やコンプライアンスに関する研修による職員の意識改革、職場ミーティングなどを通じた風通しのよい組織風土の実現にむけて取り組んでまいりました。
失った信頼を回復するには相当な時間と努力が必要であり、このことを決して風化させてはならないと考えております。今後におきましては第三者委員会から答申いただきました再発防止策をはじめ、近く出される元選挙管理委員会事務局長及び元書記の判決結果も踏まえ、再発防止の取り組みを一つひとつ積み重ね、全職員が一丸となって信頼回復に努めていく所存でごさいます。
議員各位には引き続きご指導ご鞭撻いただきますようよろしくお願い申し上げます。
また、去る5月8日、大津市の県道交差点での交通事故により、散歩中の園児2人がお亡くなりになり、園児14人が重軽傷となる大変痛ましい事故が起こりました。その後も、子どもの命が脅かされる事故や事件が続いており大変残念でなりません。亡くなられたお子様のご冥福と、負傷された方々の一刻も早い回復を心からお祈り申し上げます。
このような事故を防ぐため、本市では通学路合同点検を市、県、警察などの関係機関とともに平成24年度から既に行っているところでありますが、加えて市内道路について交差点を中心に緊急の安全点検や、保育園等の散歩ルートの緊急点検を実施するとともに、小中学校での登下校時の交通ルールの遵守と、校外活動時における児童生徒への安全指導等について改めて周知徹底を行ったところであります。
市道の維持管理予算については平成29年度から大幅な増額をお認めいただいており、この予算を効果的に活用し、痛ましい事故が2度と起こらないよう、必要な交通安全施設の整備をはじめ関係部署が連携して対応してまいります。
それでは、少しお時間をいただき3月定例会以降における市政の主な動きにつきましてご報告申し上げます。
まず、総合政策部所管事項につきましては、誰もが気軽に利用でき、交流できる場所として整備を進めてまいりました、まちづくり活動センター「まるーむ」を5月21日にオープンをいたしました。5月18日には、市議会議員の皆様にご列席を賜り、竣工式が滞りなく挙行できましたことに対し、この場をお借りし厚くお礼申し上げます。
翌19日には、実行委員会でオープニングイベントを開催いただき、楽器演奏やダンス、バレエなどのステージ発表をはじめ、市民活動団体の活動紹介コーナーや飲食・体験ブースなどを出店いただき、多くの方で賑ったことを大変嬉しく思いました。
ご来場の皆様からは「市民活動をするための素晴らしい施設ができた」、「ぜひ利用したい」などのお声をいただき、これらのご期待に応えるべく「まるーむ」から多くの市民活動の輪を一層広げてまいりたいと考えております。
続きまして、総務部所管事項につきましては、甲南地域の保健や福祉施設の集約と災害発生時における防災機能の強化とともに、公共的団体の事務所スペースとして活用するため、旧甲南庁舎及び甲南第一地域市民センターの改修事業に着手しております。
本定例会で契約議案として提出もさせていただいておりますが、現在、改修工事の契約手続中であり、令和2年12月の完成に向け進めてまいります。
また、5月7日には「公共施設の最適化計画」を策定し、議員の皆様にも総務常任委員会や全員協議会でお示しいたしました。本計画は個別の公共施設の最適化に向けた基本的な方向性を示すものであり、今後はこれを基に、市の考え方を市民の皆様と共有しながら、本計画を具体化するためのアクションプランの策定につなげてまいります。
次に、市民環境部所管事項につきましては、甲賀斎苑の新予約システムを2月1日に導入いたしました。従来は、閉庁時に予約ができませんでしたが、新システムでは登録葬祭業者から24時間365日予約ができるようになり、さらに今年度から、火葬炉、葬祭場の空き状況を市のホームページ上で、どなたでも確認いただくことができるようになり利便性が向上いたしました。
また、市民課では、5月の改元に合わせ、新元号を祝すとともに、新しい命の誕生を心からお祝いし、お子様への最初のプレゼントとなる命名という最も尊いライフイベントに関わることで、子育て世帯への応援をさせていただくため、「オリジナル出生届」と「命名紙」を作成いたしました。
次に、健康福祉部所管事項につきましては、重症心身障害者通所施設「障がい者支援センターかがやき」が、社会福祉法人瑠璃光会様をはじめ、関係者の皆様のご尽力ならびに地域の皆様方のご理解・ご協力により、4月に無事開所いたしました。
同施設内には重症心身障がい児に特化した「放課後等デイサービスきらっと」も設置され、療育の提供と放課後等の居場所として、個々の特性に応じた支援を行なっていただいております。これからも、一人ひとりの命の輝きを大切にしながら、このまちに暮らす誰もが、このまちを愛し、住みやすさが実感できよう施策の充実に取り組んでまいります。
また、深刻化する介護人材の確保対策として、昨年度より「甲賀市介護人材確保・定着促進協議会」を立ち上げ、検討を進めております。協議会では、外国人材も視野に入れた先進事例を研修するとともに、介護事業所及び介護職員への実態調査を実施いたしました。
現在、調査結果を基に、実態に即した実効性のある施策を検討しているところあり、今後も引続き、事業者と行政が一体となり介護人材の確保・定着対策に取り組んでまいります。
また、健康寿命の延伸を図ることを目的に、運動を中心とした健康づくりの取り組みを実施しております「健康寿命を延ばそう事業」では、昨年度に実施いただいたモデル事業の成果発表会を5月25日に開催いたしました。
発表会では、佐山・山内・油日・朝宮の各自治振興会で取り組まれた、ウォーキングや健康体操、体力測定などそれぞれ特色のある活動をご報告いただきました。今後も、市民の皆様が生きがいを持って健康で幸せに暮せるよう、こうした活動が他地域へも広がるよう支援してまいります。
次に、こども政策部所管事項につきましては、昨年度から新たに建築工事を進めてまいりました「伴谷東児童クラブ」と、小学校の余裕教室を活用して整備した「雲井くもっこ児童クラブ」が、本年4月に開所いたしました。4月現在における市内全児童クラブの利用者数は1,093人となっており、共働き世帯の増加などから今後も増加傾向にあると考えております。こうしたことから、民間事業者参入への働きかけや学校施設の効果的活用も視野に入れながら、子どもたちが安心・安全に暮らすことができるよう努めてまいります。
また、幼稚園・保育園の再編につきましては、「甲南地域保育園再編検討協議会」から、甲南地域の公立4園を統合し、私立の認定こども園とすることにご了承をいただき、3月13日に教育長に報告書を提出いただきました。今後は、新しい園づくりに向けて、実施計画検討協議会を早期に設立し、協議を進めてまいります。
待機児童対策につきましては、低年齢児の入園希望に応えるため、岩上保育園および甲南西保育園に低年齢児用の仮設園舎を整備し、本年4月から岩上保育園でゼロ歳児、甲南西保育園でゼロ歳及び1歳児の受け入れを行っているところであります。
また、保育士確保対策につきましては、4月に職員が県内をはじめ近隣府県の保育士養成大学を訪問するとともに、今月18日には、市内保育園や幼稚園を巡る「保育園・幼稚園等施設見学ツアー」を実施いたします。本市における保育施策や事業の魅力を発信し市内保育園での就職につなげていきたいと考えています。
次に、建設部所管事項につきましては、長年にわたり要望活動を行っています名神名阪連絡道路につきましては、国において計画路線に対する「重要物流道路」の指定が今年度中に予定されております。本路線も事業化に向けてこの指定を何としても頂けるよう、地元市長として、また、期成同盟会の会長として関係自治体、議会および民間団体の方々と連携を図り、要望活動等、積極的に取り組む所存であります。
また、甲南駅周辺整備事業につきましては、平成28年度から整備を進めてきたJR甲南駅新駅舎が5月11日に供用となりました。これまで南側にあった駅の改札を橋上化し、南北両側から駅を利用でき、駅自由通路により改札や駅南側への移動が容易となり利便性が格段に向上したところです。今年度も引き続き、駅前広場や駅へのアクセス道路整備工事を行う予定をしております。
次に、産業経済部所管事項につきましては、日本遺産「忍びの里 伊賀・甲賀-リアル忍者を求めて-」の構成文化財につきまして、甲賀町小佐治地先の「佐治城」と甲南町竜法師地先の「甲賀流忍術屋敷」の2件について新たに認定を受けたところです。
今年度から「忍者を核とした観光拠点施設」の整備を、忍の里プララ周辺において着手することとし、この拠点施設を基点として、日本遺産「忍者」の構成文化財や市内観光資源をネットワークとして繋ぐことで、滞在型観光を推進してまいります。
また、土山・信楽の茶業協会では、本年も関西や全国茶品評会へ向けた出品茶を、手摘みの茶葉により製造されました。私も5月5日には土山、5月8日には信楽に赴き、摘み子のみなさんや協会の方へ激励を行い、手摘み作業をお手伝いさせていただきました。
本年は、例年に比べ刈り取りが遅れているようですが、品質は例年どおりとの事でありますので、昨年同様優秀な成績が収められるよう期待しています。
一方、連休明けの5月上旬には近年例をみない低温となり、地域によっては広い範囲でお茶への霜被害が発生していることから、今後の対策等につきましてこれからも注視をしてまいりたいと考えております。
続きまして、教育委員会事務局所管事項につきましては、平成29年度より進めております市内小中学校における空調設備整備事業につきましては、昨年度までに21校において整備を完了し、残る5校につきましても整備を前倒しで進めており、今夏にはすべての学校においてエアコンが使用できるようにする予定であります。
また、四万十川での野外活動事業での事故を教訓として取り組んでまいりました「甲賀市青少年活動安全誓いの日」につきましては、本年度から従来の開催方法を見直し、より実践に則したリーダー研修などを核とした取り組みにしてまいりたいと考えています。
また、先日、東京オリンピックの聖火リレーの発表があり、本市おきましても、2020年5月29日に聖火リレーが行われます。
2024年に滋賀県で開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会つきましては、本市において軟式野球(成年男子)、ゴルフ(少年男子)、高等学校野球軟式が競技種目として開催されることが既に内定しており、今回、公開競技種目として新たにグラウンド・ゴルフが、また全国障害者スポーツ大会の競技種目として、フライングディスクおよびボッチャが開催される旨の内定がありました。
以上、3月定例会以降における主な市政の動きについて、ご報告させていただきました。
本日、提案いたしますのは、報告案件が6件、専決案件が3件、条例の一部改正が6件、補正予算案件が2件、その他の案件が2件の合計19件でございます。
補正予算等の専決処分についてご承認をお願いしております、永谷池災害復旧工事つきましては、当初予定しておりました年度内完了が困難であると分かった段階において、適切に手続きを行うべきところでありましたが、その手続きを懈怠(けたい)していたことによるものであり深くお詫び申し上げます。
再発防止策としまして、各事業の進捗管理をしっかりと行うため、各部において次長級職員が毎月チェックする体制を執ったところでございます。
以上提案いたしました案件につきまして、ご賛同賜りますようお願いを申しあげまして、開会にあたりましての挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願い申しあげます。
令和元年6月6日
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