おはようございます。垂水の水ぬるみ、万物の生命がみなぎる頃を迎えました。
本日、議員各位のご参集をいただき、第1回甲賀市議会定例会を開き、平成24年度各会計当初予算案のご審議をいただくに当たり、施政方針の一端を申し述べます。
昨年の3月の東日本大震災と、それに伴う原発事故や電力供給の制限、さらには日本企業の集積するタイ国での洪水、EUの金融不安などにより、その後ようやく緩やかに上向きつつあった我が国経済も、新しい年が明けても強い停滞感が漂っております。
こうしたなかで政府は、平成24年度予算は「日本再生重点化措置」として国民一人ひとりが希望をもって前に進める社会を実現するとして、90兆3,339億円の一般会計のほか、東日本大震災復興経費については3兆7,754億円の特別会計を編成すると共に、円高とデフレの回避など、景気の下振れを防ぐため万全を尽くすとしております。特に、地方交付税につきましては地域主権改革に沿った財源の充実を図るため、前年度に比して増額確保されましたが、臨時財政対策債については、一般財源総額を確保する中でマイナスに転じております。また、子どものための手当に関連した地方増収分の取扱いや、国補助金の一括交付金化、税と社会保障の一体改革など、地方の財政に影響を与える諸課題は決しておらず、不安定要素が顕在化しております。
一方、県では、依然と巨額の財源不足が生じる中で、平成23年3月に策定された「基本構想」と「行財政改革方針」に基づき、「住み心地日本一の滋賀」の実現を目指し、一般会計では前年度比1.7%減の4,901億円が計上されました。
主なものは、震災対策としての県立学校等の耐震化対策や中小企業振興資金貸付金、国の負担分の減少を補う国民健康保険調整交付金を増額すると共に、自治振興交付金につきましても前年度と同額が確保されました。なかでも当市の大きな課題であります有害鳥獣駆除対策で捕獲柵わな設置、農作物獣害防止対策ではニホンジカ用フェンスがそれぞれ追加されるなど、一定の充実策が盛り込まれております。
このような国・県のその動向を注視しながら、当甲賀市では、現状の課題や、将来への備えのための強固な財政基盤を整え、より効率の高い行財政運営を進めていくことが肝要であります。
先の読めない景気動向と財政指標の悪化に危機感を強め、いち早く徹底的な経費の削減、普通建設事業や市債の新規発行の抑制、組織機構を含めた制度全体の改革に努め、着実な財政健全化に取り組んだ結果、財政調整基金におきましては平成23年度末で22億9,000万円の積立を確保し、市債残高につきましてはピーク時より約70億円減少させ、実質公債費比率は16.8%と大幅な改善につながりました。
まだまだ先行き不透明感の強いもとで、引き続き堅実な財政基盤の構築に努めながらも、これまで実施してまいりました各種施策を点検し、市民サービスをより充実させ、生涯を通じた人づくりや安全安心な暮らしを目指して、平成24年度は、5つの重点テーマをもって、全庁的、部局横断での議論をもとに、総合計画に掲げる将来像「人 自然 輝きつづける あい甲賀」を、スピード感をもって実行することを、市政方針の基本に据えております。そのことを重視し、予算配分を行ったものであります。
その結果、一般会計予算では、対前年度比0.3%増の347億円、特別会計では、本年度から水口医療センターが企業会計となることから10会計となりましたが、後期高齢者医療特別会計及び介護保険特別会計の給付費の増加により0.8%減の194億11万4千円となり、診療所事業と介護老人保健施設事業の2会計が増えた企業会計の4会計では19.8%増の57億7,606万1千円で、一般会計、特別会計、企業会計を合わせた15会計では、1.5%増の598億7,617万5千円を計上したものでございます。
一般会計におきましては、歳入で、根幹となる(1款)市税の内、個人市民税につきましては、平成23年度決算見込みを基に、国の地方財政計画や県の試算数値を参考にしながら、税制改正の影響等により12.8%増とし、法人市民税につきましては市内の主要企業に聞き取りを行い、平成23年度決算見込を参考に42.9%増を見込み、個人、法人合わせた市民税は19.5%増の56億3,750万円といたしました。
固定資産税では、3年に1度の評価替により、土地価格の下落が見込まれることから、1.8%減の70億5,117万1千円を見込み、その他軽自動車税、たばこ税などを合わせまして、市税全体では、6.9%増の135億1,817万1千円を見込みました。
(2款)地方譲与税では、地方揮発油譲与税と自動車重量譲与税、合わせて16.7%増の4億2万円、(6款)地方消費税交付金、(7款)ゴルフ場利用税交付金、(8款)自動車取得税交付金などにつきましても、それぞれ県の推計値を参考に見積り、県税交付金全体では1.9%増の13億9,500万円を計上いたしました。
(9款)地方特例交付金は、法改正による、子ども手当の地方負担影響分がなくなることなどから、64.8%減の6,300万円、(10款)地方交付税につきましては、地域経済・雇用対策費や住民生活に光を注ぐ事業の追加などにより、7.6%増の70億5,000万円を計上いたしました。
(12款)分担金及び負担金、(13款)使用料及び手数料は、それぞれの事業の分担金率、使用料及び手数料条例を根拠に積算いたしております。
(14款)国庫支出金及び(15款)県支出金では、それぞの事業実施に伴います国・県の負担金、補助金、委託金を計上しておりますが、国庫支出金では、子ども手当支給事業や地域情報化基盤整備事業で減少し、29.5%の減、県支出金では、緊急雇用対策事業や認定こども園建設補助の減少により16.0%の減となっております。
(16款)財産収入は、土地の売払い見込み額や貸付収入を、(17款)寄付金における「あい甲賀ふるさと応援基金」は科目計上いたしております。
(18款)繰入金では他会計からの繰入金と財源調整のための財政調整基金の4億円の取り崩しを行い、教育振興基金、文化振興基金、福祉基金、公共施設整備基金、あい甲賀ふるさと応援基金から各事業目的に合わせ、繰入れをするものでございます。
(19款)繰越金は、平成23年度予算の執行残の見込み額を、(20款)諸収入につきましては、それぞれの事業の見込み額を計上したものであります。
(21款)市債につきましては、それぞれの事業計画に合わせた同意予定額を見積もりましたが、将来世代の負担軽減を図るようプライマリーバランスの黒字化を維持し、起債発行額は41億9,610万円とし、そのうち交付税の振り替えとしての臨時財政対策債を除くと、地域情報化基盤整備事業、(仮称)水口北部地域防災コミュニティセンター整備事業などにかかります合併特例債を最大限活用した27億5,000万円にとどめました。
歳入の根幹である市税はじめ、各料金への滞納につきましては、雇用状況など注意深く監視し、「税・料金等収納向上対策強化三箇年計画・チャレンジ25プラン」に基づいて、着実な取り組みを推進すると共に、市民の自主納付意識の向上や滞納の未然防止を行い、収納率の向上に努めていくこととしております。
次に、歳出では、人件費で前年度比1.3%の増となっております。共済負担金の利率改定により約4,600万円が増加することや、平成18年度から実施しておりました管理職手当の削減を廃止することにより約1,600万円増加することなどが、主な要因であります。特別職および教育長の報酬の一部カットにつきましては、引き続き実施することとします。
続いて、新年度の主要施策につきまして、予算編成基本方針による5つの重点テーマに沿って申しあげます。
まず、「大地震を教訓に、未来へ贈る安心と夢ある暮らし」では、昨年3.11の東日本大震災は、戦後最大の国難といわれるほど、多方面に大きな影響を与えました。同時に、発生確率の高い東海・東南海・南海地震、さらには琵琶湖西岸断層帯地震等の被害規模を具体的にイメージさせ、様々な角度から防災や減災について見直しが求められるなど、大地震の備えに対する環境は大きく変わりました。
昨年私も東北の被災地に赴き、被災者の声を聞き、行政の最大の責任とは、生命(いのち)と生活(暮らし)を守ることだと、改めて強く感じました。
当市におきましても、被災地支援活動などを通じた教訓や原発事故対応の動きなどを参考に、平成23年度におきましては、火急の対策を補正予算で講じたところでありますが、新年度では集中豪雨、さらには土砂災害も含めた自然災害への備えを強化することとします。
市政を担う責任の重さを深く自覚して、命を守る危機管理に今後全力を挙げて取り組んでいく決意であります。
特に、昨年から着手しました地域情報化基盤整備では引き続き光ファイバー網の設置工事を鋭意進め、一日も早い運用開始を目指します。市内共通の情報媒体とし有事の際に大きな力を発揮する施設であり、全国瞬時警報システム(J-ALERT)などによる地震や風水害の緊急情報の伝達手段としての活用はもとより、即時性のある音声告知放送につきましては、市において平成24年度から3ヶ年計画で市内全戸へ引き込みから告知放送端末機の設置工事に至るまで実施することとします。
次に、昨年から改修の必要性や方向性について有識者や市民代表を交えた検討委員会で議論いただいてまいりました市役所水口庁舎の在り方につきましては、災害対策本部としての機能や、被災時の市民の一時的な避難所としての役割を果たすことは先の大震災からも明らかであり、現在の庁舎が抱える諸課題を解消するためにも、検討委員会においてパブリックコメントでの意見を踏まえてまとめていただくこととなっております甲賀市庁舎改修整備基本構想に基づき、改修整備のための基本設計等に着手することとし、期限が近づく合併特例債の有効活用や財政事情も考え合わせ、市民理解の熟度を深めてまいります。
次に、子どもたちの安全であるべき学校施設におきましても耐震補強および大規模改造を引き続き実施することとし、平成24年度末には小中学校全体の耐震化率を96.1%まで完了できる予定であります。また、保育園におきましても簡易診断をもとに耐震診断を行います。
その他の公共施設におきましても、仮称・水口北部地域防災コミュニティセンターを新たに整備するほか、既存の体育館の耐震診断および耐震設計のほか、水口体育館屋根防水工事を施工すると共に周辺施設を含めて避難所機能をもたせるための整備基本構想や、橋梁長寿命化修繕計画の策定に取り組みます。
次に、地域性や災害時弱者への防災・減災の対策では、大規模災害時に孤立する恐れのある集落に対し衛星携帯電話を配置するほか、崩壊危険区域内にある第1次避難所に指定される隠岐地区集会所の安全を確保するための急傾斜地崩壊対策事業の実施や、大規模地震による複合災害のための防災アセスメント調査にも着手することとします。
さらに、地域防災力向上事業として支援を必要とする高齢者や障がい者で構成される世帯を対象とした家具転倒防止器具等の購入や取り付け経費に対する補助制度の創設や避難場所や避難施設への誘導標識の市内全域への整備、居住される外国人のための多言語で表した防災ガイドの作成、防災備蓄倉庫の新設など、新たに取り組むこととします。
自然災害のための備えは、いくつもの新規事業を取り入れ、例年以上の予算配分を行いましたが、あらゆる危機管理に対しましても十分な配慮が必要であり、これまで段階的に整備してまいりましたAEDにつきましても、未設置の公共施設45箇所に配置をし、さらに、滋賀県下はじめてのWHO(世界保健機関)によるセーフコミュニティの認証取得に向けた研究調査に取り掛かり、市の安全管理体制を更に高め、地域全体にも安全安心の輪を広げていくことを目指します。
続きまして、重点テーマ2つ目の「全ての世代、みんなで育む きずなと元気」では、日々の生活において市民お互いが認め合い、支え合うことが、いかなる困難をも乗り越えていける逞しい甲賀市の源であることから、子育てや医療、福祉、介護、コミュニティなどの環境の充実をはかるため、幅広く施策を実施し、一人ひとりの個性が輝くまちを目指してまいります。
特に、次世代を担う子どもたちの保育・教育や、高齢者・障害を持つ方の福祉対策は、後退させてはならないという強い決意のもとに取り組む所存であります。
子育てに懸命に取り組んでいる若い世代が安心して就労できる環境を整えるため、市内公立幼稚園5園の全てで3歳児教育を実施するほか、一時預かり保育の無料利用券、公立保育園のエアコン設置につきましても継続して取り組むこととします。
また、通院医療費の助成につきましては、低所得者層の小学校までとしていたものを新たに中学校までに拡充し、併せて、虐待などあってはならない事案を防ぐため、児童家庭相談員の増員を図ります。
さらに、児童が急増する貴生川小学校の教育環境を整えるため、貴生川幼稚園の跡地を運動場に拡張し、貴生川保育園園舎の一部耐震化できた建物を児童クラブとして活用し、貴生川地域における就学前から学齢期に到る幼児・児童の総合的な教育環境を充実します。なお、「認定こども園」につきましては、公立園との職員交流を行いながら、その機能をしっかり引き継いでまいります。
そのほか、教育環境では、市内全小中学校のホームページを立ち上げ、各種行事や家庭や地域にも必要な学校情報を発信していくほか、土山・甲南・信楽地域におきまして各小規模校およびその近隣校において、小規模小学校を中心に、複数校の児童が学年単位で集まり、一緒に学習や体験活動を行うことによって、自らを高める力、思いや考えを表現する力、コミュニケーションの力などを身につけることを目的に、他校との合同交流学習事業を実施することとします。
次に、健康推進では、子宮頚がん予防ワクチンを昨年度の対象者のうち未接種で16歳までの女子、及び、2回目、3回目が未接種の17歳の女子に加え、新たに13歳となる女子を対象者に接種してまいります。また、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンにつきましても、昨年度の対象者で5歳までの未接種者を含む2ヶ月児から5歳未満の子を対象として実施をし、死因の第1位でもありますがん予防対策とともに、子どもが健全に成長していくうえにおいて必要な健康づくりを医療を加えて支援する体制を整えながら、健康づくりの場である都市公園施設の安全性と適正な維持管理を図るための公園施設長寿命化計画を策定します。
次に、福祉対策では、高齢者世帯や障がい者世帯の安心生活支援として、身の周りの暮らしをサポートするための派遣事業を開始します。また、日常の買い物に不便をきたす高齢者等に向け、障がい者支援施設が連携した「われら地域見守り隊 移動販売事業」により、地域の皆さんとの交流を通した社会参加の新たな機会を創り出すこととします。
現在、障がい者基本計画の見直しと共に第3期障がい福祉計画を策定しておりますが、関係法令の制定や改正を受け、支援を必要とする皆さんに自立に向けた諸施策を推進します。
次に、高齢者福祉では、地域における介護予防事業などを推進するため、地域包括支援センターを土山・信楽地域にそれぞれ増設し、窓口相談や地域包括ケア体制を充実してまいります。
20歳には新成人のつどいがありますように、人生の円熟期を迎えた皆さんを盛り人、盛人(せいじん)とし、自分を磨く機会、学習の機会をもっていただくための70歳の年輪の集いを今年から実施することとします。久しい再会や新しい出会いを通じ、ますます意気盛んに健康で活躍していただけるきっかけの場となることを願っております。
次に、人権尊重と個人情報保護の観点も踏まえ、戸籍等の請求に際し本人通知制度を導入し、不正行為の防止を図ってまいります。また、従来の市民カードに加え、住民基本台帳カードでもご利用いただける自動交付機に更新し、併せて外国籍住民の方にも住民票の交付を可能とするシステム移行を図ります。
続きまして「心をつなぎ、みんなで高める地域愛」につきましては、平成23年度において各地域のご理解をいただき、当市の将来を展望した新しいコミュニティの仕組みづくりの基礎を固めることができましたが、さらに地域の特色を活かし、多くの皆さんが参加できる機会を、まちみがき戦略として創出してまいります。
特に、自治振興会では、設立後の活動を通じて特化した課題も見つかっておりますことから、公募方式による地域課題解決型事業を創設することとし、既設の自治振興交付金に加え、新たな支援制度を創設し地域自治を加速させていきます。
また、地域市民センターにつきましては、親しまれる施設として定着してきましたが、さらに、生活に密着したセンターとして身近にご活用いただくため、月1回程度、各センターで保健師による「(仮称)まちの保健室」を開設し、新たな健康相談をお受けすることとします。
次に、この春、甲南地先で新たにオープンする甲賀市市民福祉活動センター内に、「市民活動ボランティアセンター」を設置し、市内のNPOやボランティアグループ、区、自治会、自治振興会などの様々な活動団体のネットワーク化を進め、情報や人的資源を有効に活用できる仕組みづくりを行うと共に、このセンターとの連携により「こうかの人材活性化事業(甲賀の守人塾)」を開き、地域活動のための人材の発掘、育成をおこない、当市ならではのコミュニティの確立に向けてまいります。地域の自立の基礎は、一身の独立であります。一人ひとりが思いやりとボランティアの精神を涵養していただくことを願っております。
また、市民との協働事業として、昨年、提案制度から採択した5つの取り組みに対して特別枠を設けて予算を優先的に配分し、今後、多方面へ拡大する契機といたします。
次に、地域情報化基盤整備事業では、平成24年度中ごろの運用開始を目指して鋭意取り組むこととしております。これまで議会でご報告申しあげておりましたように、独自のメニューを設けることとしておりますが、その一つであります買い物支援サービスにつきまして、商店街など市内商業者による共同事業として開始できる支援として地域商業活性化共同補助事業を設けることとします。先に述べました「地域見守り隊 移動販売事業」と共に、市内の買い物に不便をきたしている地域やご家庭を支えていけるような体制づくり、そして、市内で採れた農産物の消費拡大にもつなげてまいりたいと考えております。
続きまして、「甲賀発、匠の技と大地の恵み」では、当市はいくしものなかで育まれた多様な産物が根付いております。これら恵まれた資源を生活のなかに取り込み、その素晴らしさを発信しながら、次代に引き継いでいくことにより、甲賀ブランドがより確かなものになるものと確信します。
その主力であります、コメ、茶、蔬菜、果菜を中心に、地域農業の重要な担い手であります認定農業者や集落営農組織を核として力強い農業構造の構築を推進し地域自給率の向上と消費拡大に努めながら、甲賀農業の振興を図ってまいります。
特に、担い手対策では、本格実施から2年目となる戸別所得補償制度とともに地域ごとの将来像を策定する「人・農地プラン」を積極的に推進し、作業機械の導入支援のほか新たな農地集積補助や青年就農補助などを活用し、活力あるむらづくりに向け、新規就農者の育成や地域の担い手農家の経営安定を支援してまいります。
しかしながら、耕作放棄地の拡大や農獣害被害につきましても深刻化を増している状況で、担い手同様に農地保全対策も重要な課題であります。
耕作放棄地対策では、本年度のフォローアップ調査結果でも37ヘクタールの増加が確認され、市全体の耕地面積の約13%にあたる692ヘクタールに拡大しておりますことから、引き続き、中山間地域等直接支払いや耕作放棄地再生事業に取り組むと共に、5年間の活動が終了しました農地・水・環境保全向上対策の次期対策として実施されます農地・水保全管理支払交付金制度にも積極的に取り組むこととします。
また、 野生獣の防除対策では、平成23年度において34集落において延べ150キロメートル余りに及び侵入防止柵を施工していただいたところでありますが、さらにお取り組みいただく集落のご要望に応えながら、狩猟免許の取得や銃器・わななど法定猟具購入経費の一部助成などを継続させてまいります。
このような対策を講じながら、環境保全型農業の取り組みを推進することとし、特産茶の産地化に向けた高級茶の生産拡大を支援するとともに、新たな産地化を目指す甲賀野菜につきましては、カボチャ、ネギ、ニンジン、ホウレン草、トマト、カブを指定野菜として、生産農家を支援すると共に、ロゴマークによる付加価値を付けるなど、消費者の購買意欲を高める工夫を講じてまいります。また、コメの消費拡大につきましては、市内産米を使用した市内学校給食での米飯給食やコメ粉パンの提供を継続させるほか、新たに麺につきましても試供し、年間約66トンの消費を見込んでおります。
次に、市内にある確かな技術や地域商工業の強みを引き出すため、平成23年度にご好評をいただいた住宅リフォーム促進事業補助を継続し、さらに甲賀市商工会合併1周年を記念してのプレミアム付き地域商品券事業への支援を行うこととします。また、商工業活性化のための特産品の開発や販売促進に対する補助を継続するなど、その振興策を講じてまいります。
次に、原発事故以来、これからのエネルギーの在り方については国家的な課題として論じられておりますが、これまでのような原子力に頼りきる時代の終焉に象徴される文明史的転換点にあっては、基礎自治体も自然を利用した再生可能エネルギーを生み出す役割を担っていくことが予想されます。こうしたことから、地域エネルギー活用実証実験委託事業を立ち上げ、技術の蓄積と活用の検証に取り組むことにより、人の営みを地球にやさしいものに変えていくことが必要です。
続きまして、「歴史と自然でおもてなし、みんなで磨く甲賀の宝」では、平成23年度から観光分野に力点を置き、埋もれている地域資源を掘り起こし、さらに当市が持つ歴史や文化に代表される数多くの資源を生かし、強い求心力で国内外からの集客数の増加を図ってまいります。
特に、平成23年度において活発に活動いただいた「甲賀ブランドマネジメント会議」を引き続き機能させながら、新名神高速道路と信楽高原鐡道をはじめ市内公共交通機関の一体化した利活用策を探っていきます。
新名神高速道路の活用戦略につきましては、パブリックコメントに付して取りまとめた内容に基づき、平成24年度では各インターチェンジから市内へお越しいただく皆さんに分かりやすい案内を行うため、公共施設、観光名所、避難所等を示した市内道路案内標識の整備のほか、開通から5年目を迎え、甲南インターチェンジの供用から3周年という節目を迎えるに当たっての記念事業を開くこととしております。
また、甲南パーキングエリアとインターチェンジの利便性の向上と安全対策につきましても、引き続いて流出経路を検討のうえ、関係機関に提案し、早期改良に向けて努力します。
次に、市内各公共交通機関の振興につきましては、観光客のみならず市民生活にとりましても重要な課題と位置づけ、なかでも、信楽高原鐡道につきましては、昨年5月12日にJR西日本から債権の全額を放棄するご英断をいただき、再生の道が残りました。現在、SKRが県および市に対して特定調停を申し立てておりますが、これまでの経緯を踏まえ、さらに、市民皆さんが、地域で守るべき鉄道としての機運を高めていただくなかで最善の対応を検討しながら、総合的な連携計画を策定したいと考えております。併せて、鉄道およびバスの公共交通が効率的に機能し、市民生活に溶け込んでいくよう、利活用を向上させるための計画を市民代表や事業者、行政を交えて策定すると共に、老朽化した甲南駅舎の改築を含めた駅周辺の道路整備等に向けた基本設計に着手します。
次に、観光資源に磨きをかけていくために、紫香楽宮跡の全容解明に向けた調査の継続と整備活用基本計画を策定すると共に、貴重な史料として出土した歌木簡にちなみ「であい・こうか八景」などを題材にした「あいこうか『和歌(うた)』プロジェクト」により、全国からの作品を受け付け、万葉の雅を当市に蘇らせたいと考えております。
また、世界に通じる「忍者」の知名度を活用し、既に観光面や伊賀市との連携によるオリジナルナンバープレートの作成などの取り組みを進めておりますが、新たに国外からの誘客を目指した「(仮称)甲賀市観光ビジネスメッセ」の開催や、主にアジア地域からの県内大学への留学生を観光サポーターとして情報発信源の役割を担っていただくこととします。
さらに、市のランドマークともいうべき古城山にそびえた岡山城の全容解明に向けて、年次計画により発掘調査を実施すると共に、水口宿拠点施設を水口地域コミュニティセンターに併設するための設計を行い、東海道の50番目の宿駅にふさわしい賑わいの再生を図ってまいります。
なお、かもしか荘の後継施設の整備につきましては、都市農村交流事業として活動拠点の建設に着手し、農家民泊の推進と共に都市部からの受入れを本格化することとします。観光振興を切り口にして、人を集める仕組をたくさん用意いたしました。これらをもとに雇用の機会を広げ、地域経済の活性化に結びつけてまいります。
以上、掲げました5つの重点施策のテーマにそって、主要事業の概要をご説明申しあげましたが、このほか、「ゼロ予算事業」や「環境配慮事業」を平成23年度と同様に職員からの提案を活用して取り組むと共に、平成24年度末の完成を目指す公立甲賀病院移転新築事業および関連事業などにも積極的に取り組むことといたします。
続きまして、今議会に提出しております議案第2号から議案第15号までの10の特別会計及び4企業会計の予算案の概要につきましてご説明申しあげます。
議案第2号「平成24年度甲賀市国民健康保険特別会計予算」につきましては、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ83億6,800万円とするものであります。
震災や円高不況により所得の伸びが期待できない状況であることや、生活習慣病の増加・医療の高度化などに伴い医療費は年々伸びていることから、財政運営は引き続き厳しいものと認識しております。
歳入では、国・県支出金、前期高齢者交付金のほか、一般会計繰入金につきましては法定分のみとし、所得が確定する本算定時に、国保税率の改正と併せて安定運営のために調整を行うものといたします。
歳出では、保険給付費や特定健診、ジェネリック医薬品差額通知等の保健事業費を計上しております。
次に、議案第3号「平成24年度甲賀市後期高齢者医療特別会計予算」につきましては、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ16億2,300万円とするものであります。
平成24年度から平成25年度における第3期の保険料率の改定が予定されており、運営主体である滋賀県後期高齢者医療広域連合と連携し、保険給付や健康診査事業を実施してまいります。
また、高齢者医療制度につきましては、国において「社会保障と税の一体改革」の中で検討されており、その動向に注視していくものであります。
次に、議案第4号「平成24年度甲賀市介護保険特別会計予算」につきましては、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ51億6,100万円とするものであります。
在宅で、自立した日常生活を継続できるように支援するという介護保険の基本理念に基づき、平成24年度から26年度までの当市の介護保険サービスに取り組む指針として策定した「第5期甲賀市介護保険事業計画・高齢者福祉計画」に基づき予算を計上したものであります。
次に、議案第5号「平成24年度甲賀市公共下水道事業特別会計予算」につきましては、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ30億5,500万円とするものであります。
湖南中部流域下水道負担金、処理場管理費等を計上するほか、水口町山地区および希望ヶ丘地区の下水道整備工事など、公共下水道事業にかかる費用を計上しております。
次に、議案第6号「平成24年度甲賀市農業集落排水事業特別会計予算」につきましては、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ8億8,200万円とするものであります。
市内24箇所の処理施設維持管理費用を計上するほか、朝宮地区の処理場建設およびポンプ施設設置工事等にかかる費用を計上しております。
次に、議案第7号「平成24年度甲賀市土地取得事業特別会計予算」につきましては、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ352万5千円とするものであります。
土地開発基金の運用益と経理にかかる経費を計上しております。
次に、議案第8号 「平成24年度野洲川基幹水利施設管理事業特別会計予算」につきましては、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ2,041万6千円とするものであります。野洲川の基幹水利施設であります野洲川ダムと水口頭首工に係ります施設管理について、国県の補助金並びに関係流域4市からの負担を受け、特別会計を設けて実施しているもので、関係5市の代表である甲賀市が当該施設の管理事業を行うための特別会計であります。
次に、議案第9号「平成24年度甲賀市鉄道経営安定対策基金特別会計予算」につきましては、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ、2,077万3千円とするものであります。
甲賀市鉄道経営安定対策基金条例に基づき、信楽高原鐵道経営への助成を行うため、その経費を計上するものであります。
次に、議案第10号「平成24年度甲賀市鉄道施設整備基金特別会計予算」につきましては、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ、740万円とするものであります。
甲賀市鉄道施設整備基金条例に基づき、信楽高原鐵道の施設整備に要する資金を計上するものであります。
次に、議案第11号「平成24年度甲賀市浄化槽管理事業特別会計予算」につきましては、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ2億5,900万円とするものであります。
希望ヶ丘地区2箇所の処理施設の維持管理費用と、管路調査委託費および修繕工事費等を計上したものであります。
次に、議案第12号「平成24年度甲賀市病院事業会計予算」につきましては、整備を進めてきました水口医療センターを「甲賀市水口医療介護センター」に名称変更し、診療所併設型の小規模介護老人保健施設として、新たに「みなくち診療所」と「介護老人保健施設ケアセンターささゆり」を運営いたしますことから、特別会計から地方公営企業法の一部を適用する公営企業への移行により、「診療所事業」及び「介護老人保健施設事業」は、企業会計方式を導入することとなります。
病院事業会計予算では、収益的収支の予定額をそれぞれ8億5,700万円に、資本的収入予算額を2,792万7千円、資本的支出予算額を7,357万1千円とするものであります。
山間へき地の地域医療機関として、高齢患者を中心とする慢性期医療を提供するほか、救急指定病院として一次救急医療の役割を果たす国保直診病院事業の運営に必要な経費を計上しております。
次に、議案第13号「平成24年度甲賀市水道事業会計予算」につきましては、収益的収入の予定額を28億6,887万3千円、収益的支出の予定額を26億7,438万円とするものであります。
資本的収支につきましては、昨年度に引き続き厳しい財政状況ではありますが、安心安全で安定な給水を図るため、自家発電装置の整備のほか、施設の統廃合に向けた新たな施設整備を行うとともに、経年による老朽化施設の更新などを予定しており、収入の予定額を6億7,516万6千円、支出の予定額を16億1,826万5千円とするものであります。
次に、議案第14号「平成24年度甲賀市診療所事業会計予算」につきましては、収益的収支の予定額をそれぞれ2億1,500万円に、資本的収入予算額を6千円、資本的支出予算額を629万3千円とし、地方公営企業法の新規適用による特例的収支予算として、甲賀市国民健康保険診療所特別会計の打ち切り決算による未収金、未払金をそれぞれ5,590万3千円、2,248万6千円とするものであります。
地域の一次医療の役割を担う、かかりつけ医療機関として、信頼の高い医療による健全経営に努め、地域に根ざした診療所を目指してまいります。
次に、議案第15号「平成24年度甲賀市介護老人保健施設事業会計予算」につきましては、収益的収支の予定額をそれぞれ3億2,620万円に、資本的支出予算額を535万2千円とし、地方公営企業法の新規適用による特例的収支予算として、甲賀市介護老人保健施設事業特別会計の打ち切り決算による未収金、未払金をそれぞれ2,998万円、5,356万円とするものであります。
在宅生活支援施設としての役割を担う「介護老人保健施設ケアセンターささゆり」にかかる会計であり、入所事業、通所リハビリテーション事業及び居宅介護支援事業の運営費用を計上したものであります。
ところで、震災の爪痕を深く残したまま、混迷する国政、回復基調に乗れない経済など、いくつもの負の要因が連鎖し、多くの国民が様々な不安を抱えているというのが今の日本の姿ではないかと思います。このような世情を単に世の流れと座視していては、当市の明るい未来を拓くことはできません。今こそ、あらゆる苦難を乗り越え、市民皆さんによって、あい甲賀の理想郷に近づける新時代の幕を開ける年であると存じております。
そのような思いで編成しました平成24年度当初予算は、「市民と共に生み出す」という言葉をキーワードに、平和で穏やかな甲賀市を一緒になって守り、育て、築いていく、「ふるさと進化予算」とし、合併特例期間の期限も目前に迫っている中、堅実な財政運営を一貫させながら、未来のために今やらなければならないことを確実にやり遂げるという胆力をもって臨み、9万5千人の市民の安全・安心と、満足度の高い暮らしを実現する所存であります。議員各位をはじめ、市民の皆様のご支援とご協力をいただきますようお願い申しあげます。
今議会、提出いたします議案は、一般会計予算はじめ、平成24年度各会計当初予算案件15件、報告案件2件、人事案件5件、専決処分案件2件、条例案件15件、平成23年度各会計補正予算案件13件、指定管理者の指定につき議決を求める案件63件、財産処分案件7件、滋賀県市町村研修センター規約案件1件、契約案件2件の計125議案であります。何とぞご審議のうえ決定賜りますようお願い申しあげます。
平成24年2月22日
甲賀市長 中嶋武嗣