自然と素材に恵まれたここ信楽町では、1270年の歴史を尊び現在に至っています。
未来の「心豊かな生活」を築きあげて行くための古人達の努力はすさまじいものがあったことでしょう。昭和49年5月の『伝統的工芸品産業の振興に関する法律』の制定により、手づくりの価値が再認識されるようになり、伝統的工芸品の果たす役割が今、生き生きと輝いています。昭和50年9月には、同法の趣旨に基づき、信楽焼は伝統的工芸品としての指定を受けました。
この機会に、国、県の援助をもとに、「心のふるさと」にふさわしい信楽焼の殿堂『信楽伝統産業会館』が建設されました。
信楽伝統産業会館は信楽焼の殿堂です。鎌倉時代のやきものから近世のものまで、ひと目でわかる信楽焼の歴史を展示。随時展示会も開催しています。
歴史が作り上げた伝統工芸は、少しずつ変り発展して行きます。私達の手で伝統を守り、又、発展させ、後世に残して行かなければなりません。
天平14年(742年)、聖武天皇が離宮を造営され“紫香楽宮”という美しい佳名を選ばれた、その「しがらき」という呼び名は、遠く奈良時代には、大木良材の樹林地帯として、山深く木々の繁ったところから、しげる木がしがらきの地名になったともいわれ、また、山に囲まれた土地という朝鮮語の「シダラ」という言葉が、製陶の技術と共に伝わったともいわれています。