活動のテーマ
「800年続く伝統工芸産地を守る~産業の活性化と後継者育成支援~」
甲賀市信楽町は、「信楽焼」の産地であり日本五大銘茶の一つ「朝宮茶」の産地です。また、聖武天皇が遷都をめざした「紫香楽宮」など、この地で育まれた独自の文化や遺産、ヒト(技)は世界にも通用する資源です。
甲賀市全体の観光入込客数は近年では年間300万人を超えているものの(令和6年度は約320万人)、人口は平成21年の9.6万人をピークに減少傾向が続き、現在は8.7万人となっています。信楽町は市全体の観光入込客数の47%が訪れるエリアですが、市内でも特に人口減少が急速に進んでいます。
さらに、信楽エリアでは、日本人のライフスタイルの変化や代替製品の開発、輸入品の増加等を背景に窯元の廃業が進み、伝統ある地域産業「信楽焼」の産地の再生・活性化が急務となっています。
人口減少と伝統産業の苦境は、伝統工芸の担い手の減少、空き家や空き店舗、空き工場、耕作放棄地の増加につながっており、地域の衰退は、貴重な歴史文化や景観の消失につながる危機です。
この地で、連綿と育まれてきた暮らしや文化、産業(地場産業、伝統工芸、食文化、祭りなど)、景観などにあらためて光を当て、磨き上げ、新たに活用するとともに、守り、地域の力を高めることが、今後の信楽焼産地には必要と考えるため、以下の活動を実施していただきます。
(1)地域支援活動
○信楽焼産地の現状把握(持続可能性についてリサーチ活動)
○信楽焼振興協議会(※1)のプロジェクト立案、推進及び助言
○地場産業(※2)、とりわけ信楽焼の後継者育成、景観保全のためのプロジェクト推進
○信楽地域の暮らしや文化、産業、景観を維持・継承する活動
※1 信楽焼振興協議会は、信楽焼関係団体・関係者により構成され、信楽焼の振興を図るために、構想・計画の策定、ブランディング、陶土など資源対策、信楽焼製品の展示及び紹介などに取り組んでいる団体です。
※2 甲賀市の主な地場産業は、信楽焼、茶、地酒、薬業、木材です。
(2)企画提案活動
○信楽焼の振興に資する活動や、定住するために必要な起業や就業をめ目指した活動を、あらかじめ協力隊員から企画提案していただき、その内容に基づく活動に取り組んでいただきます。
(その他)
○委嘱から1か月程度は、地域の関係者とともに、信楽地域のことや本市の地場産業、地域資源のことを学んでいただきながら、まずは、産地支援活動に取り組んでいただきます。
○地域のことを学んだうえで、改めて12月初旬に企画提案活動内容を発表し取り組んでいただきます。
○また、上記の活動について、毎月1回を基本とし、活動の成果と今後の予定を報告していただきます。