甲賀市議会は、令和4年3月3日の定例会3日目において、2つの決議案を全会一致で可決しました。
決議案第1号 新型コロナウイルス感染症に係るすべての差別や偏見、誹謗中傷等の根絶に関する決議
新型コロナウイルス感染症の国内感染者数が累計300万人を超える中、ワクチン接種は進んではいるものの、変異株の影響等による第6波で、新規感染者の発生が急激に増加する地域や、集団感染の発生が起きるなど、感染の収束が見込めないという「新たな困難に直面」しているとも言える状況下にあります。
このような状況下において私たちは、正しい情報・知識をもって、一人ひとりが冷静に行動することで、自らの命が守られ、そして大切な人の命を守ることをもう一度自覚し、この困難な状況を乗り越えるための行動をとらなければなりません。
長引くコロナ禍で全国では、感染された方やその家族、医療従事者やその関係者に対する嫌がらせや差別が起こっています。また、ワクチンの接種に関連した誤解や偏見に基づく不当な差別も聞かれるところです。
新型コロナウイルス感染症やワクチンの接種、非接種を理由にした差別、医療従事者であるといった職業によって排除しようとする行為は決して許されるものではありません。当然、私たち議員も差別や誹謗中傷の助長につながるような発言などは厳に慎まなくては
なりません。
甲賀市は平成17年1月に甲賀市人権尊重のまちづくり条例を施行し、同12月に甲賀市人権尊重の都市(まち)宣言を行った人権尊重都市であり、同条例の目的のあらゆる差別のない、明るく住みよい人権尊重のまちづくりを実現するため、私たちは新型コロナウイルス感染症に関する様々な人権問題に継続して取り組まなければなりません。
よって、本市議会は、第2次甲賀市総合計画の本市の目指す未来像、「あい甲賀いつもの暮らしに「しあわせ」を感じるまち」の実現に向けて、新型コロナ感染症に係るすべての差別や偏見、誹謗中傷等の根絶を目指し、以下の事項について決議します。
1 新型コロナウイルス感染症の感染者およびその家族に対する不当な差別・偏見・誹謗中傷を許さない。
2 医療や介護、福祉・教育など社会を支えるエッセンシャルワーカーと、その家族に対して敬意を払い、不当な差別・偏見・誹謗中傷を許さない。
3 ワクチン接種・非接種に拠る不当な差別・偏見・誹謗中傷を許さない。
4 新型コロナウイルス感染症に関する正しい理解を広げ、市民一丸となって人権侵害の防止に努める。
5 市行政関係者は個人情報に充分配慮しつつ、以上の点が実行されるよう広報・啓発に努めるものとする。
令和4年3月3日
甲賀市議会
決議案第2号 ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議
ウクライナをめぐる情勢については、我が国を含む国際社会が緊張の緩和と事態の打開に向けて懸命な外交努力を続けてきたにも関わらず、ロシアは去る2月24日にウクライナへの侵攻を開始し、一般市民を含め多数の死傷者が出ている。
武力によるロシアの攻撃は、明らかにウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁じる国際法及び国連憲章の重大な違反である。ひいては我が国の平和と秩序、アジアを含む国際社会の秩序を根幹から揺るがしかねない深刻な事態であり、断じて容認できない。
よって甲賀市議会は、ロシアによるウクライナへの攻撃や主権侵害に対し、厳重に抗議の意を表し、強く非難するとともに、ロシア軍が即時に撤退するよう求める。
また政府におかれては、ウクライナの平和を取り戻すために、関係各国及び国際社会との緊密な連携のもと、厳格かつ適切な対応を講じられるよう、強く求める。
以上、決議する。
令和4年3月3日
甲賀市議会