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 世紀を超えて続く伝統、六古窯

 六古窯とは数百年から千年を超える歴史を持つやきもの産地で、信楽は、瀬戸・越前・常滑・丹波・備前とともに並び称されています。中世に山茶碗生産の一大勢力であった常滑の影響を大きく受けて、信楽は鎌倉時代後半に生産が始まりました。おどけた表情のたぬきが出迎える信楽など六古窯には、窯の火を絶やすことなく続く伝統を、世紀を超えて支え続ける情熱を感じることができます。


 自然を生かす窯業のふるさと

 六古窯の産地は良質な土に恵まれています。陶工は大地がはぐくんだ「土」を子どものように育てるのです。丘陵の自然な傾斜を利用した往時をしのばせる窯跡。住居に隣接して工房があり、登り窯が現れます。細く緩やかな坂道を上り下りしながら迷い込むような路地に入ると、塀には焼き物の破片や窯道具が用いられていたり、窯焚きに使う大量の薪が積み上げられていたりします。薪は轟々と炎となり陶工の顔を火照らすのであろうと思いをはせます。六古窯の営みは、やきものの色合いがそのままセピア調の街並みの趣となっているのです。


 きっと恋する六古窯

 やきものの質感や色、窯変などは、さまざまな条件により異なり、一つとして同じものはできないといわれます。こうした微妙な違いを生み出すやきものを景色として楽しむ大らかさが、日本人の文化なのでしょう。景色に溶け込むように並べられたやきものは千差万別。人の心と同じです。六古窯の名で親しまれたやきものは、最も日本らしいやきものとして多くの人々の心をとらえます。土と炎によって生み出され、人々の生活をささえ続けた「うつわ」には、生命力が宿り、躍動感にあふれています。やきものを通じて、時代をたくましく生き抜いてきた人々と大地のエネルギーを五感で感じ取ることができます。


 伝統が息づくやきもののまちは心の原点

 六古窯の各地域では、窯業は伝統産業であるとともに精神的支柱であり、技術と伝統の継承が行われています。原点回帰するとともに、新しい試みを続けています。信楽ではその技術に注目した岡本太郎氏の「太陽の塔」の背面の陶板レリーフ「黒い太陽」の制作が行われるなど、芸術家が頻繁に出入りし、現代美術に昇華しています。
 また各産地の陶器市の店頭に並べられた陶器は、さながらまちなかのミュージアムとなり、来訪者はやきものの肌触りを味わい、使い込むほど味が出る六古窯の陶器を求めながら、旅情を楽しみます。

 六古窯の伝統による街並みとやきものは日本人のおもてなしの心を表しながら、来訪者を出迎えます。

 ストーリーを構成する文化財の一覧は こちらをご覧ください。

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