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 皆様、おはようございます。

 本日ここに、平成29年第4回甲賀市議会定例会が開会されるにあたり、提案いたします議案のご審議を願うに先立ち、議長のお許しをいただきましたので、一言ご挨拶を申しあげます。

 去る8月7日、本州に上陸した台風5号は、強い勢力とゆっくりとした速度で、各地に大きな被害をもたらせ、滋賀県でも姉川が氾濫し、広範囲に及ぶ浸水被害が発生をいたしました。この災害での人的被害はなかったと仄聞しておりますが、被災された皆様には心からお見舞いを申しあげます。

 本市におきましては台風による大雨の影響を心配し、7日の午前9時30分に県下でいち早く警戒体制をとり、土嚢の準備やパトロールの強化を行うとともに、浸水や土砂災害の危険性が高い地域への避難勧告を発令いたしました。

 幸いにも大きな被害はなく、胸を撫で下ろしているところではありますが、かねてから課題である公共施設の老朽化による雨漏れなどが、台風の降雨により顕在化しております。

 市民サービスに支障をきたすことのないよう、早期に対応をしてまいりたいと考えております。

 なお、台風の風雨の中を、警戒等にご出動いただきました300名以上もの消防団員の皆様、避難所の設置などにご尽力をいただきました区・自治会や民生委員・児童委員の皆様を始め、多くの関係者の皆様に厚くお礼を申しあげます。

 これから本格的な台風のシーズンを向えます。平成25年の台風18号の甚大な被害は記憶に新しいところではありますが、本市は過去にも幾度かの大きな被害を経験いたしております。これらの教訓に学び、万が一の備えに万全を期してまいりたいと考えています。

 さて、各地域では、納涼祭など夏の恒例行事が開催をされていす。盆踊りやカラオケ、抽選会や夜店など大変な賑わいの中、子どもから大人まで、笑顔が耐えないひと時に、私も、時間の許す限り、ご一緒させていただきました。

 私が子どもの頃は、納涼祭や盆踊りに出かけることは、夏の一番の楽しみであると同時に、多くの方々とのふれ合いの中で、地域の慣わしや歴史を学び、生まれ育った地域への愛着、人々との絆を育くみながら成長をする機会でもありました。
こうした経験は、人として成長する上で、欠かすことのできない生きた学習の場であります。

 地域に学び地域で育てる。

 この視点を再認識し、活かしていく取り組みにもしっかり対応してまいりたいと考えております。

 

 さて、9月議会は前年度の会計決算をご審議いただく決算議会とも呼ばれております。このことから、まず、今議会に提案いたしました平成28年度の会計決算について、その概要を申しあげます。

 平成28年度は、第1次総合計画の総仕上げの年であり、その実現をめざした重点事業と、人口減少に立ち向かう『甲賀流まち・ひと・しごと創生総合戦略』に基づく事業を、2本の柱として推進してまいりました。

 特に「忍者」という他の自治体にはない世界的に有名なコンテンツを活かした観光情報の発信に努めるとともに、子育て施策として、産前・産後・育児にかかる一連のサポートを行う子育て世代包括支援センター「ここもーり」の整備など、総合戦略の視点に基づいた事業などに取り組みました。決算規模では庁舎整備もあり、歳入歳出ともに過去最大となりました。

 財政健全化法に基づく指標では、これまでの市債発行の抑制や繰上償還など、財政健全化への取り組みの成果などから実質公債費比率は10.2%と、前年度から0.4ポイント改善する一方で、新庁舎整備事業にかかる合併特例事業債発行の影響などから将来負担比率は68.8%と、8.1ポイント上昇する結果になりました。

 いずれの数値も財政健全化法の規定に基づく自主的な改善努力が求められる、いわゆる早期健全化基準には至らず、健全な状態を保っている状況でありますが、今後の公共施設の維持管理や統廃合、また、将来に責任あるまちづくりを実行するための先行投資の必要性等を鑑みると、一層緊張感のある財政運営が求められます。

 今後も事務事業の見直しの徹底などにより、行政運営の効率化、財政健全化に鋭意取り組んでまいります。

 

 それでは、6月定例会以降における市政の主な動きについて、ご報告申しあげます。

 先ず、総合政策部所管事項では、まちづくりへのご意見を寄せいただく「市長への手紙」を、7月1日号の広報「こうか」で改めて紹介をさせていただきましたところ、7月の1ヶ月間に59通のお手紙をいただきました。それぞれに返信をしたところでもございます。

 手紙に綴られたまちづくりに対する思いや期待、意見を真摯に受け止め、市民目線でのまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

 また、5月からスタートさせました、市政について語り合う座談会、各種団体の会合などにおいて、広く市民の皆様からご意見をお聴きしてまいりました。現在集計をいたしております市民意識調査も参考にしながら、市民の皆様の声をしっかりと市政に反映してまいります。

 次に、水口庁舎周辺土地等の利活用につきましては、(仮称)まちづくりコア・ステーション整備事業をはじめ、18箇所の土地等の利活用に関する市の考え方について、水口地域、綾野地域の区や自治会役員他、地域住民の皆様への説明会を開催し、ご意見をお伺いしてまいりました。地域の皆様のご意見を踏まえ、有効な土地利用となるよう、検討を続けてまいりたいと考えております。

 また、6月議会で補正予算をお認めいただいた(仮称)まちづくりコア・ステーション整備事業につきましては、基本設計、実施設計業務の委託を行いました。施設整備を行うにあたっては、市民活動団体の皆様を中心にご意見をお伺いしており、いただいたご意見を参考に、市民活動の拠点として、誰も使いやすくが立ち寄りやすい施設となるよう、設計業務を進めているところであります。

 次に、区・自治会、自治振興会をはじめ、様々な地域活動団体が連携、協力し、行政等と協働して地域の課題を地域で解決する市民自治を実現するため、「甲賀市市民参画、協働推進検討委員会」を設置し、7月27日に第1回委員会を開催いたしました。委員会においては、自治振興会によるまちづくりがより機能するように、まずは、地域市民センターのあり方、自治振興交付金の有効活用、区・自治会と自治振興会の役割分担などについてご検討をいただいております。

 

 続きまして、総務部所管事項では、8月5日・6日の2日間、市内小学6年生28人の皆さんが広島平和記念事業に参加をしてくれました。

 原子爆弾投下から72年目となる広島平和記念式典への出席をはじめとして、施設見学や語り部の方からの体験を聞くなど、広島での現地学習を通じて、平和の尊さを学び、二度と同じ過ちを繰り返してはならないと心に誓ってくれたことと思います。

 8月20日に開催いたしました、甲賀市戦没者追悼式におきましては、参加児童の代表に体験作文を発表していただいたところであります。

 次に、新庁舎整備事業につきましては、9月中に全ての解体工事を完了し、別館の改修や外構工事を順次進めていく計画であります。加えまして、本庁機能の1本化を早急に進めることとし、予定を早めて、教育委員会については11月13日に、上下水道部については、来年1月1日の移転を計画いたしております。なお、本庁機能移転後の甲南地域市民センターの利活用につきましては、現在、関係団体も交え、鋭意協議を進めております。

 

 続きまして、市民環境部所管事項では、子育て世帯の負担軽減を目的とした小学3年生までの医療費助成を、10月から小学校6年生まで拡大するため、現在、対象者への周知など、医療券交付の準備を進めているところであります。

 

 続きまして、健康福祉部所管事項では、人々がつながり 暮らしの中で感じる幸せを未来につなぐまち あい甲賀を基本理念とした「第2次甲賀市地域福祉計画」を7月に策定しました。

 平成40年度までの12年間において、4年ごとの見直しを行いながら、誰もが住み慣れた地域の中でつながりを保ち、自分らしくいきいきとした暮らしを送ることができる地域福祉の推進を目指してまいります。

 

 続きまして、こども政策部所管事項では、まず、子育て支援策など、現行制度の着実な継続実行はもとより、子どもたちへのきめ細やかな支援を行なうため、外部有識者も含めた「子育て応援連携プロジェクトチーム」を編成し、施策の検討を始めました。第1回目の会議を7月19日に開催し、各委員から積極的なご意見を頂戴し、活発なご議論をいただいたところであります。第2回以降、検討を深めていただき、より良い施策の提案がいただけることを期待しているところであります。

 次に、保育士・幼稚園教諭等就職フェアにつきましては、1回目を今月の20日、甲南情報交流センター忍びの里プララにおいて開催いたしました。当日は、私立園も含め、4箇所のブースを設け、学生を中心に17人の方が参加をされました。2回目は、10月に草津市で開催を予定しております。

 また、保育園等で働いてみたいという学生の方に対するインターンシップ制度につきましては、ホームページ等で募集を行い、現在2人の学生が公立園でインターン生として働いてくれています。将来保育士や幼稚園教諭を目指す学生が、甲賀市で働いてもらえるよう、その人材確保につなげてまいります。

 

 続きまして、産業経済部所管事項では、8月17日、日本遺産認定記念シンポジウムを開催し、私がコーディネーターとなって全国に観光のまちづくり分野でご活躍されている専門家の方々との意見交換を行いました。この中で、本市の持つポテンシャルの高さとそれを活用したビジネスチャンスについて、ご来場の皆さんに認識していただくことができたものと考えております。

 次に、域内における消費の拡大と域外から稼ぐ仕組み作り、地域課題を解決するための規制緩和や特別な支援策を検討する「新産業特区プロジェクト検討委員会」の第1回会議を8月9日に開催いたしました。委員には、企業経営、地域振興、マーケティング、ブランディング、6次産業化、観光プロデュース、金融などの分野で多くの知見をお持ちの外部有識者を選任しており、今後、市内の各団体の皆様からご意見を伺いながら、本市の実情に即したアイデアを出していただく予定をいたしております。

 次に、土山・信楽の茶業協会の皆さんが5月に製造したお茶を「第70回関西茶品評会」普通煎茶の部に9点出品をいただきました。審査の結果、産地賞2位をはじめ、8点が入賞するなど、お茶の産地としての高い技術力が認められました。今後、更なる販路開拓や価格の向上を目指し関係団体とともに取組んでまいります。

 次に、この程、滋賀県での開催が内定いたしました、平成33年開催の「第72回全国植樹祭」について、主会場の招致を、受け入れ可能な施設を示した上で、的場議長とともに正式に県へ要望をいたしました。琵琶湖・淀川水系の重要な水源林の保全・活用を広く発信する契機にするとともに、本市が主会場となることで、またとないシティーセールスの機会としてまいりたいと考えております。

 今後の主会場選定にあたっては、執行部や議会はもとより、市民一丸となった取り組みや森林保全と、それを通した琵琶湖再生への熱意が問われるものと考えており、議員各位の格段のご理解とご支援をお願いするものであります。

 

 続きまして、建設部所管事項では、7月10日、『名神名阪連絡道路整備促進期成同盟会』の総会が開催をされ、会長に就任をさせていただきました。

 また、8月2日、国道307号改良促進協議会、国道8号バイパス建設促進期成同盟会の合同により、国土交通省や財務省、滋賀県選出国会議員の皆様方に、要望活動を実施いたしました。

 これら、道路網を含め、草津線複線化、びわ湖京阪奈線の実現など、本市の発展に欠かすことのできないインフラ整備の実現に、それぞれの団体と歩調を合わせながら、引き続き、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。

 

 最後に、教育委員会事務局所管事項では、7月31日、市長に就任して初めての「甲賀市青少年活動安全誓いの日」を迎えるにあたり、尊い命を奪ってしまったお二人の御霊に、改めて安心・安全なまちづくりに取り組む決意をお誓い申しあげました。

 今年も、市議会議員の皆様、青少年活動団体の指導者の皆様、教職員及び市職員など627名の参加をいただき、日本野外教育学会会長の永吉宏英氏から「子どもたちの心豊かな成長を願って~安全安心な自然体験活動の環境づくりが引き出す子どもたちの生きる力~」と題して、ご講演をいただきました。将来の甲賀市を担う子どもたちの生きる力を育むために欠かせない自然体験活動をはじめとするすべての青少年活動を絶やすことなく意義あるものとして、安全に事業を実施することの大切さを改めて誓ったところであります。

 次に、本年度「オール甲賀で未来につなぐ!チャレンジプロジェクト」として子どもたちの「学び」を官民連携で支える「教育支援プロジェクト会議」を創設し、去る7月24日に、文部科学省のアドバイザーもされている鳴門教育大学教授の久我直人先生をはじめ6名の委員全員のご出席をいただき、第1回目の会議を開催いたしました。本年度にあと2回の会議を開き、教師の本来の業務である子どもと向き合う時間を確保するための方策について、様々な分野における委員の方々から具体的なご意見をいただくこととしております。

 次に、中学校夏季総体では、水口中学校・甲南中学校の合同チームのソフトボール、甲賀中学校のソフトテニスが県大会で優勝し、個人種目では26名の選手が近畿大会へ出場をいたしました。惜しくも全国大会への出場は果たせませんでしたが、選手皆さんの頑張りに拍手を送りたいと思います。

 

 以上、6月定例会以降における主な市政の動きについて、ご報告させていただきました。

 

 それでは、本日、提案いたしますのは、決算案件11件、報告案件9件、人事案件2件、条例案件4件、補正予算案件6件、その他案件1件の合計33案件でございます。

 どうかよろしくご審議のうえ、ご賛同賜りますようお願い申しあげまして、開会にあたりましての挨拶とさせていただきます。

 よろしくお願い申しあげます。

平成29年8月23日