メニュー表示

メインメニュー

閉じる

 皆様、おはようございます。

 本日ここに、平成30年第4回甲賀市議会定例会が開会されるにあたり、提案いたします議案のご審議を願うに先立ち、議長のお許しをいただきましたので、ご挨拶を申し上げます。

 さて、今年の夏は記録的な暑さが続き、7月23日には埼玉県熊谷市で41.1度を観測し、国内最高気温を更新しました。甲賀広域行政組合管内での熱中症による救急搬送の件数は5月13日から8月19日までの間で112件におよび、昨年同時期と比較して約2倍となっています。

 こうした気候状況にある中、私は、就任以来、小中学校におけるエアコンやトイレ整備に力を入れてまいりましたが、学校の大規模改修に合わせた整備計画では、全施設にエアコン設置が完了するには平成33年度までかかってしまうため、対応に危惧していたところであります。そうした中、先般、政府が補助金を交付するなどしてエアコンを整備する方針が示されました。本市としても極力この支援を活用して、来年夏の猛暑時期までに間に合うよう、前倒しした形での整備を進めてまいりたいと考えております。

 気圧配置と海水温の影響から、今年は例年より多くの台風が発生しており、既に20号を数えるに至っております。7月末に接近した台風12号の影響により、「にんにん大花火大会」、また「しがらき火祭り」は残念ながら中止となりましたが、「にんにん大花火大会」は9月29日に、「しがらき火祭り」の花火は10月6日の陶器まつりに合わせて行われる予定であり、多くの皆様に是非お出掛けいただきたいと思っております。

 私は、7月末から8月にかけて、各地域で行われている納涼祭などに時間の許す限り参加をさせていただきました。地域の皆さんが一同に会し、盆踊りやカラオケ大会、映画会、子ども対象の星空観察会など、地域で趣向をこらした催しを行っていただいており、大変興味深く拝見してきたところです。地域の皆さんともふれ合える時間をもつことができました。こうした取り組みは、顔の見える関係づくりを進める上で大変重要であり、ひいては地域防災にもつながるものと思っております。準備をいただいている役員の皆様にはご負担をおかけしますが、こうした催しが今後も続けられていくことを願っています。

 さて、9月議会は前年度の会計決算をご審議いただく決算議会とも呼ばれております。このことから、まず、今議会に提案いたしました平成29年度の会計決算について、その概要を申し上げます。
平成29年度は、第2次総合計画の初年度として「オール甲賀」をキーワードに、人口減少に立ち向かえる力強い甲賀市を創りあげるため、「子育て・教育」、「地域経済」、「福祉・介護」の推進に重点的に取り組みました。

 主なものとして、子育て世代の経済的負担軽減のための「第2子保育料無料化事業」や、児童生徒の教育環境改善のため「小中学校空調・トイレ改修事業」、「忍者」・「日本六古窯・信楽焼」の日本遺産の認定を受けての情報発信や観光客受け入れのための環境整備、女性が活躍する社会の実現のため「女性のためのお仕事フェア」と題した合同就職面接会を県内自治体で初めて開催もいたしました。

 他にも学習支援事業「学んでいコウカ」の拡充や、「健康寿命を延ばそう事業」では、市内6地域においてモデル事業を実施いたしました。

 こうした事業に取り組む中、財政健全化法に基づく指標では、実質公債費比率が10.0%と、前年度から0.2ポイント改善する一方で、庁舎整備等の大規模建設事業による地方債の発行増加と基金残高の減少により、将来負担比率は74.0%と、5.2ポイント上昇する結果になりました。

 いずれの数値も、法の規定による財政の早期健全化が求められる基準には至らず、健全な状態を保っている状況でありますが、将来に責任あるまちづくりを実現するための先行投資の必要性などを鑑みると、一層、緊張感のある財政運営が求められます。今後も行政運営の効率化を通じて財政健全化に鋭意取り組んでまいります。

 それでは、6月定例会以降における市政の主な動きについてご報告申し上げます。

 先ず、総合政策部所管事項では、6月29日に発生した米原市での竜巻被害支援のため7月9日から12日までの4日間、税務課職員を2名ずつ派遣し、現地では、他市派遣職員と共に罹災(りさい)証明発行のための家屋被害認定調査に従事しました。災害現場でのこうした経験は、当市が被災した場合に備えた取り組みとして、また自治体間連携を強化する上でも大変意義深いものであると考えております。

 8月5日には第53回滋賀県消防操法訓練大会が開催され、当市からポンプ車の部に2隊が出場し、信楽方面隊が優勝、水口方面隊が3位となり、小型ポンプの部には甲賀方面隊が出場し、準優勝という素晴らしい成績を残していただきました。

 また、"オール甲賀によるまちづくり"を進めるための拠点となる(仮称)まちづくりコア・ステーションについては、来年4月の開館に向けて、順調に建築工事が進んでいるところであります。開館後の活用方法やルールなどについては、運営検討懇話会を6回開催し、明日、28日には、意見をまとめた提言書をご提出いただく予定であり、こうしたご意見を尊重して、市としてのルールとなる条例案を策定し、本年12月には市議会に提案させていただきたいと考えております。

 8月21日から23日にかけて、閉校した鮎河・山内小学校及び、閉園を予定している山内保育園の利活用に向けて、民間事業者のニーズを把握するため、「ヒアリング型市場調査」を実施しました。民間事業者からは、施設の無償貸与の希望や、行政からの財政的な支援の必要性、地域住民との協力体制の構築など、多くの課題を聞き取ることができました。調査の結果については、地域住民、議会の皆様方と共有しながら、今後、事業者決定に向けた条件整理を進めてまいります。

 8月7日から2日間、中国湖南省の張家界(ちょうかかい)市(し)政府代表団が本市をご訪問くださいました。今回の訪問は、滋賀県と湖南省が友好連携35周年の節目を迎える中、県から本市への働きかけもあり、長年、甲賀町の団体が湖南省との友好交流をあたためてこられた経緯もあって、産業振興を形にしていくためお受けしたものであります。

 訪問中の8日には、両市が観光、経済、文化などの分野での連携を進めるための協定締結にあたり、基本合意となる意向書に張家界市 人民代表大会常務委員会 副主任と当副市長が署名しました。

 11月には、私が張家界市を訪問させていただき、連携のための協定を締結する予定であり、友好都市交流により、日本遺産である「忍者」や「信楽焼」をはじめとする特有の資源を活かした戦略的な取り組みを観光協会や民間事業者の皆様と連携し進めてまいりたいと考えております。

 また、昨年に引き続き、市民の皆様との対話を図る市長座談会を開催することとしており、先般、8月18日には水口地域区長会からのご依頼を受け、役員の皆様とまちづくり座談会を開催いたしました。座談会では、多くのご提案等をいただき、可能なものは平成31年度から実施につなげてまいりたいと考えております。

 また、総務部所管事項では、7月21日に信楽地域市民センター・信楽伝統産業会館等建設工事の起工式を行い、8月から工事に着手しました。信楽地域市民センターは身近な行政窓口の充実化や防災活動拠点としての強化を図るため、また、伝統産業会館は、信楽焼の更なる振興をはじめ観光振興に寄与する目的で平成32年2月の完成に向けて整備を進めてまいります。

 8月5日、6日には、市内小学6年生28人の参加のもと、広島平和記念事業を実施しました。子どもたちは、平和記念式典への参列、原爆ドームや資料館の見学、被爆体験の講話などを通して平和の尊さを学ぶとともに、8月17日に開催をいたしました甲賀市戦没者追悼式においては、参加代表者が作文を発表するなど、平和の尊さを市民の皆様にも伝えていただきました。

 また、「平和を願うパネル展」を7月12日から19日まで市役所1階ロビーにおいて、8月1日から8日までは信楽図書館において開催し、観覧いただいた方には平和な世界について考えていただく機会になったことと思います。

 続きまして、健康福祉部所管事項につきましては、本年度から災害時要支援者避難支援計画の個別計画を各区・自治会において策定いただくよう取り組みを進めております。特に、本年はその目標を30地域と定め、地域区長会を中心に説明に伺い、ようやく水口町植区と信楽町宮尻区の2地域で策定いただいたところであり、引き続き、出前講座等も行いながら積極的に推進してまいります。

 また、生活困窮者の自立支援事業において、「ひきこもり支援サロン~ぽるた~」を社会福祉協議会に委託し7月から開設しています。このサロンが、地域社会への入り口、また自立への第一歩となり、日常生活自立・社会的自立・就労自立へとステップアップいただけるよう、本人に寄り添いながら支援に努めてまいります。

 重度心身障がいのある方が、安心して日中を過ごすことができる甲賀圏域の重症心身障害者通所施設については、約1360平方メートルの建物の周囲に庭を配置し、四季の空気と風情を味わうことができる施設として、平成31年4月の開所に向け、社会福祉法人瑠璃光会により整備を進めていただいております。

 次に、こども政策部所管事項では、市内の子育て支援に関する情報や制度をまとめた甲賀子育て情報誌「ここまあち」の平成30年度版を作成しました。情報誌は、子育て支援センターや図書館、地域市民センターなどに置くとともに、子育て支援センター事業で配布したり、ホームページや子育てポータルサイト「ここまあちねっと」などにも掲載しており、今後も積極的に子育て情報の提供に努めてまいります。

 また、利用者の増加に対応するための伴谷東児童クラブ整備事業につきましては、来年4月の開所に向け、7月に敷地造成工事に着手いたしました。

 本年度に開設され、本市では初めてとなる2箇所の民設民営児童クラブにつきましては、7月末時点で合わせて49名の児童が利用されております。それぞれ、運営事業者がこれまで培ってこられた保育ノウハウを活かしながら、自然体験活動をはじめ、高齢者や保育園児、障がいのある方々との交流活動など、特色ある取り組みを行っていただいております。今後も、民設民営ならではの事業運営に期待するとともに、民間活力の導入をさらに積極的に進めてまいりたいと考えております。

 私立の統合認定こども園の整備については、具体的な園づくりの議論を行うための実施計画検討協議会を、水口東・岩上保育園は6月11日、7月12日に、伴谷幼稚園・伴谷保育園は6月14日と7月27日に、それぞれ2回の会議を開催し、今後も引き続き検討を進めていただくことになっております。

 次に、保育士の人材確保を図る取り組みとして、7月10日に水口高校に市の若手保育士2名が訪問し、保育士や幼稚園教諭の魅力を伝え、さらに8月3日には、大学生等を対象に、市内の保育園や幼稚園、認定こども園をめぐる施設見学ツアーを実施いたしました。

 保育士から話を聞いた高校生からは、「保育士になりたい気持ちが高まった」という声が聞かれ、また見学ツアーに参加した学生からは「保育士になる夢を絶対に叶えたい」という声も出され、高校訪問事業については、引き続き9月、10月にも実施する予定です。

 続きまして産業経済部所管事項では、甲賀市、湖南市合同では初めてとなる「JOBフェア」を7月3日に草津市内において開催し、市内66社が出展され、地元で働きたいという方々78名にご来場いただきました。

 企業・事業所の皆様にとっては人材確保が難しい状況は続いておりますが、一人でも多くの若者が甲賀地域で働き、定住していただきたいと願っており、今後もハローワーク等関係機関と連携を密にしながら、活気あふれる甲賀市づくりに取り組んでまいります。

 また、観光振興については、甲南町竜法師地先の観光拠点施設整備に係る推進委員会を本年1月から開催するとともに、会議で出された意見等もふまえながら、現在、既存施設や地区内の歴史文化資源等の活用等、地域活性化につながる忍者を核とした観光拠点整備のための公募型プロポーザルによる提案募集を行っております。

 甲賀市観光協会と信楽町観光協会には、DMOの理念である、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」に立った観光地域づくりの舵取り役、調整役として、一つ上のステージに進んでもらえるよう、更なる組織強化支援に取り組んでまいります。

 次に、農業分野では、土山・信楽の茶業協会の皆様が5月に手摘み・製造されたお茶を「第71回関西茶品評会」普通煎茶の部に8点、かぶせ茶の部に1点出品いただき、8月2日の審査の結果、普通煎茶の部で5点が、「農林水産大臣賞」や「農林水産省生産局長賞」など、本市では初めてとなる1位から4位を独占されました。6月議会で報告いたしました寒干害被害という痛手を被りながらも、ブランド化に力を入れてこられた努力が実り、今回の受賞につながったものであり、産地のPRや販路開拓など、甲賀の茶のさらなる振興を図るため、関係団体とともに積極的に取り組みを進めてまいります。

 林業関係では、2021年春開催の「第72回全国植樹祭」が滋賀県で開催されることが、今月8日、主催者である国土緑化推進機構の理事会において正式決定となりました。これに先がけ、先月には運営母体となる実行委員会が組織され、開催候補地の市長として副会長の一人に選任されました。本年秋には、開催候補地である「鹿深夢の森」の現地調査が行なわれることになっており、正式に開催会場として決定されるようしっかりと準備を進めて参りたいと考えております。

 次に、建設部所管事項につきましては、名神名阪連絡道路の整備促進のためのシンポジウムを7月22日に開催し、酷暑の中ではありましたが多くの方々にご参加いただきました。当日は、ご来賓として自由民主党幹事長の二階衆議院議員をはじめ、国土交通省近畿地方整備局長、滋賀県・三重県両知事、地元選出国会議員、更には全日本トラック協会会長にお越しいただき、心強いご挨拶をいただきました。

 今回のシンポジウムでは、道路利用者や地域の方々から本道路の必要性について発言をいただき、生活道路の安全対策や災害時の代替道路、そして、重要物流道路として、この道路が生み出すストック効果について共通認識できたものと考えております。

 本シンポジウムの盛り上がりをそのまま、翌日からの要望活動として滋賀国道事務所や滋賀県をはじめ、中部地方整備局、北勢国道事務所、三重県、近畿地方整備局、8月8日には国へ要望に赴き、国土交通省幹部からは「着工に向けての一歩を考えていきたい」という前向きなコメントをいただくことができました。長年の夢である本道路実現のために、この機を捉えて、私自身がしっかり先頭に立ち、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 続きまして、上下水道部所管事項では、昨年に引き続き、上水道事業では漏水事故等の緊急時でも安全で安定的に水道水を供給できるように信楽町西から中野地先の地域間を結ぶ連絡管を整備しており、本年度の工事を発注したところであります。

 また、下水道事業においても、引き続き未整備地区である信楽町長野地区の汚水管路整備を進めております。

 続きまして教育委員会所管事項につきましては、6月18日の大阪府北部地震によるブロック塀倒壊事故を受け、緊急点検を行い、小中学校で13校、その他の公共施設で8施設において建築基準に合わない構造等不具合箇所が発見され、現在これらの箇所には近づかないようロープを張るなどの措置をしており、修繕・撤去などの対応を進めております。

 また、日本語初期指導が必要な外国籍児童生徒を中心に、日本語及び適応指導を行い在籍校での学校生活を円滑に進めるため、2学期から伴谷小学校において「かわせみ教室」という名称で開設する初期指導教室の準備を進めております。

 7月31日の「青少年活動安全誓い日」は、私たちが決して忘れてはならない日であり、本市の安全管理体制を改めて点検し、青少年活動をはじめとする全ての事業の安全、安心の確保に全力で取り組むことを再確認する場として関係団体、市民皆様や市職員等600名余りの参加を得て「甲賀市青少年活動安全誓いのつどい」を開催いたしました。市の安全管理の取り組み報告と講師のお話により、安全への取り組みを再認識する大変有意義な集いとなりました。

 以上、6月定例会以降における主な市政の動きについて、ご報告させていただきました。

 それでは、本日、提案いたしますのは、決算案件11件、報告案件9件、人事案件9件、条例案件1件、補正予算案件5件の合計35案件でございます。

 どうかよろしくご審議のうえ、ご賛同賜りますようお願い申しあげ、開会にあたりましての挨拶とさせていただきます。
よろしくお願い申しあげます。


平成30年8月27日