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 おはようございます。

 甲賀の山々はすっかり色づき、いよいよ冬の到来を告げる季節となりました。 本日ここに、平成30年 第6回 甲賀市議会定例会が開会されるにあたり、提案いたします議案のご審議を願うに先立ち、議長のお許しをいただきましたので、一言ご挨拶を申し上げます。

 先ずはじめに、先般、10月30日、3年後の2021年春に滋賀県で開催する「第72回全国植樹祭」式典会場の開催地が、本市の「鹿深夢の森」に正式に決定をいたしました。この開催地は、主催者の公益社団法人国土緑化推進機構と県が現地確認と協議を経て正式決定をされたものであり、天皇皇后両陛下をはじめ全国各地から多くの皆様をお迎えして、「全国植樹祭」を、琵琶湖淀川水系の水源林を預かる本市において開催させていただくことにつきましては、誠に光栄であり大変身が引きしまる思いであります。本市の魅力を全国に発信できる大きなチャンスになると考えております。今後は、県と連携し、開催に向けオール甲賀で準備を進めてまいります。議員各位におかれましてもご理解、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 また、10月6日から始まっております櫟野寺の大開帳につきましては、12月9日までの期間中の来場者目標を21,000人とされておりましたが、既に目標人数を超え、30,000人近い方にお見えいただいております。期間中は、秘仏本尊十一面観音菩薩を含む20体の重要文化財の仏様を拝顔(はいがん)することができ、約80年ぶりに櫟野寺仏像群(ぐん)が一堂に揃われたということで、遠方からも多くの皆様にお越しいただいております。改めてJR西日本をはじめ、地元の皆様のご協力に心より感謝を申し上げます。

 私も幾度となく拝観させていただいておりますが、仏様の前では、静寂の中で心が洗われるような気持ちになり、歴史の重みを感じるとともに、まさにご縁の結び付きを有難く思っております。

 10月31日には、私が市長に就任をさせていただいてから丸2年が経ちました。本格的な人口減少社会の到来、少子高齢化の進展、また、全国各地で大規模地震災害や豪雨災害などが頻発するなど、我が国や本市を取り巻く状況が大きく変化する中で、市長という重責をお預かりすることになりました。これまで2年間、市民皆様から寄せられる期待にお応えできるよう、常に市民の皆様の声にできるだけ耳を傾け、日々の生活に「しあわせ」を実感していただけるまちを実現するべく、全力で走り続けてまいりました。

 私は、2年前の初登庁の時、職員に対し、独創的な発想力と解決力をもって一緒に甲賀市を前に進めていきたいと訓示を行いました。昨年6月に策定した「第2次甲賀市総合計画」では、人口減少に歯止めをかけることを掲げておりますが、職員が部局横断的に様々なアイデアを出しながら前向きな変化を常に求める姿勢が必要であり、マーケティング情報などをもとに人の動きなどを分析し、明確な根拠と目標に基づいた施策を展開するよう、改めて部長会議で訓示を行ったところでもあります。

 約4ヶ月間前倒しして取り組んでおります来年度予算編成にあたりましては、特に部局単位の、主に若手職員によって構成されるクロス・ファンクショナルチーム、いわゆるCFTにより、ボトムアップで内部の無駄の削減をはじめ、より効果の上がる事業の見直しなどについて新規提案を挙げる仕組みに取り組んでいるところであり、127人、12チームが現在参加をし、これまでにない新しい取り組みの企画提案が出されております。若手職員にも大きな期待を寄せているところであります。

 本市は県下でも最も伸びしろのある地域と確信をしており、市役所というチームが一丸となり、議会をはじめ市民の皆様とオール甲賀で取り組みを進めることで困難な課題も乗り越え、残りの任期2年間でしっかりと成果が出せるよう誠心誠意努力してまいる所存であります。

 それでは、9月定例会以降における市政の主な動きについてご報告申し上げます。

 先ず、総合政策部所管事項では、「オール甲賀」によるまちづくりをさらに推進するための拠点となる(仮称)まちづくりコア・ステーションの整備事業を進めており、設置条例につきましては、市民の皆様により分かりやすいよう、「甲賀市まちづくり活動センター」という名称で今議会に提案させていただきます。また、同施設は「市民が集い、学び、つながり、そこから新たなものが生まれてくる場」として、多くの皆様に親しみ、ご利用いただきたいと考えており、まもなく建物の愛称名を募集させていただきます。

 また、地域住民の皆様と「まちの課題」を共有し、「まちの未来」について語り合う『「オール甲賀で考える甲賀の未来」タウンミーティング』を計6回開催することとしており、第1回目を、一昨日、11月26日に、土山開発センターにおいて行い、大変多くの市民皆様にお集まりいただくことができました。

 本タウンミーティングのテーマは、決して避けて通れない課題である「財政見通し」と「公共施設のあり方」とし、冒頭、私から今後の本市の財政見通しと公共施設の状況をプレゼンテーションさせていただき、その後、小グループで活発に意見交換を行っていただきました。今後、市内各所で5回開催をさせていただき、頂戴したご意見につきましては市の施策の参考にしてまいりたいと考えておりますので、是非、多くの皆様にご参加いただきたいと考えております。

 次に、総務部所管事項につきましては、例年より前倒しで作業を進めております平成31年度予算編成につきましては、様々な課題の解決に向け、市民ニーズに対応した施策を効果的に展開するため、事業の精査を従来よりも期間を長く設けて取り組んでおります。9月に当初予算見積の状況を公開し、現在は総務部と各部局において協議調整を行っているところであります。

 また、消費税増税とあいまって廃止論が年々強まっているゴルフ場利用税につきましては、本市においては約3億円にもおよぶ貴重な税財源であり、地元選出国会議員の皆様方などを通じて国に存続の働きかけを行っております。本税の存続については、市内24箇所のゴルフ場を有する本市にとって財政面においても重要な問題であり、今後におきましてもゴルフ振興に関する支援事業とともに、現行制度を堅持していただけるよう、関係自治体と連携しながら活動を展開してまいりたいと考えております。

 8月から着手をいたしております信楽地域市民センター・信楽伝統産業会館等建設工事につきましては、現在、伝統産業会館並びに開発センター増築部分の基礎工事を行っており、平成32年2月の完成に向け引き続き取り組んでまいります。
また、甲南第一地域市民センター及び土山地域市民センターの改修につきましても、空きスペースの利活用を図るとともに、地域住民の利便性向上を図るため、関係団体との協議を踏まえ、現在、実施設計業務に着手しており、早期の改修工事実施に向け進めてまいります。

 続きまして、健康福祉部所管事業につきましては、11月18日、誰もが暮らしやすい共生の社会づくりを目指し、糸賀一雄氏の理念と実践を生かす、「第53回滋賀県知的障がい者教育福祉振興大会」が、あいこうか市民ホールで開催をされました。私は、地元市長としての歓迎挨拶の中で、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、一人ひとりが互いに思いやりをもって認め合える、あたたかいまちづくりを市民とともに進めてまいりたいと申し上げました。当日は、議員の皆様をはじめ、 700人を超える方のご参加をいただき、実りある大会となりましたことに厚く御礼を申しあげます。

 深刻化する介護人材の確保対策につきましては、6月に「甲賀市介護人材確保・定着促進協議会」を立ち上げ検討を進めている中、まずは本市の課題を整理するため、介護事業所及び介護職員に対してアンケート調査を実施いたしました。今後は、介護職のイメージアップを図るPR活動をはじめ、在留外国人やEPA(経済連携協定)及び外国人技能実習制度の先進事例の研修・視察などを行い、事業者と行政が一体となって、介護人材の確保対策等研究を行ってまいります。

 信楽中央病院におきましては、エックス線CT装置と生化学分析装置の医療機器を10月末から11月初旬にかけて更新をいたしました。エックス線CT装置では、大腸CTなど新たな検査ができるようになり、生化学分析装置によってこれまで外注して行っていた検査の一部を院内で行うことで、患者様への検査結果のフィードバックが迅速にでき、早い時期から適切な治療を行うことができるなどの効果が現れております。これらの医療機器を活用し、引き続き地域医療の充実に努めてまいります。

 次に、こども政策部所管事項につきましては、妊娠・出産期から子育て期まで、切れ目のない子ども・子育て支援施策を推進するための「第2期甲賀市子ども・子育て応援団支援事業計画」の策定に向け、10月9日に有識者や子ども・子育て関係者等による、第1回の計画策定検討委員会を開催いたしました。今後、子ども・子育て支援にかかるニーズ調査を実施するとともに、庁内検討委員会をはじめ計画策定検討委員会での協議を重ね、子ども子育て応援団会議にも諮りながら平成31年度中の策定を目指して取り組みを進めてまいります。

 10月31日には、11月の児童虐待防止月間を迎え、滋賀県要保護児童対策連絡協議会で結成された「児童虐待防止キャラバン隊」が、メッセージ伝達のため本市に訪問をいただきました。昨今、本市においても児童虐待にかかる相談件数は増加をしており、医療機関や警察など関係機関としっかりと連携をし、早期発見と早期の適切な対応を行ってまいります。

 次に、保育園・幼稚園関係では、水口東・岩上保育園統合認定こども園と、伴谷幼稚園・伴谷保育園統合認定こども園の2園整備にあたり、10月24日に民間事業者の意向調査を実施いたしました。当日は、6事業者の参加があり、用地や補助金、行政に求める支援、実施に向けた課題の4点を中心に、市場ニーズ等の聞き取りを行いました。今後は本調査を踏まえて公募要件の整理や補助関係の検討を進めてまいります。

 続きまして、産業経済部所管事項においては、11月25日に碧水ホールにおいてビジネスコンテスト『ここどり』が開催され、新たにビジネスに挑戦する6組の皆様がそれぞれプレゼンテーションの中で熱い思いを発表されました。

 本事業は、水口青年会議所や商工会青年部の皆様が中心となって、甲賀・湖南両市と共に、創業を目指す若者を応援していくもので、今後このビジネスコンテストをステップに、是非本市においてご活躍いただけることを期待しており、市としても、夢を抱く若い方々を全力でサポートしていきたいと考えております。

 また、本年8月に中国湖南省の張家界市と観光、経済、文化等の分野で交流と協力を展開することを目的とした友好提携に関する意向書を締結したことを受け、去る 11月12日、林田議長様とともに中国湖南省を訪問し、張家界市と正式に協定を締結させていただきました。張家界市には年間7300万人もの観光客が訪れるとのことで、市の観光の取り組みのスケール大きさに大変大きな驚きを感じました。今後は、県とも連携をし、自然や歴史、伝統などを共通のテーマとして、両市が持つ資源を活かした協力関係を築いていきたいと考えております。

 「忍者の里こうかで田舎体験事業」につきましては、5月18日の東京都国立(くにたち)市の中学3年生の修学旅行を皮切りに、11月15日の広島市の中学校2年生まで、延べ13校、1,137名を受入れ、本年の事業を無事終えることが出来ました。受入家庭の中には、学校の文化祭を見学に行かれるなど、受入れた生徒との交流を深めておられる方や、収穫した野菜のおいしさに感動したという生徒達の感想を聞き、生産の励みになると大変喜んでおられる方もおられます。本事業は、子ども達に豊かな自然や文化、人との出会いの素晴らしさを心に深く感じてもらい、甲賀市の魅力を発信できるものと認識しており、受け入れ等ご協力いただいた皆様方に改めて心より感謝を申し上げます。

 続きまして、建設部所管事項につきましては、予てから改築工事を進めてまいりました、「近江土山駅」の建築工事が10月12日に完了し、共用開始いたしました。停留所施設は、トイレのバリアフリー化や待合室の空調完備など、土山地域の公共交通の拠点として生まれ変わり、今後も、乗車環境の向上に努め利用促進を図ってまいります。

 また、新町・貴生川幹線 内貴橋架(かけ)替(かえ)事業につきましては、地権者の皆様のご協力により、用地買収ならびに物件移転の契約を締結させていただくことができました。現在、河川区域内において、右岸側の橋脚2基の下部工工事に着手をしており、今後も早期完了を目指して事業進捗を図ってまいります。

 庁舎周辺における道路整備といたしまして、現在、建設中の(仮称)まちづくりコアステーション敷地の東側に、市道水口(みなくち)・狐塚(きつねづか)線を整備中であり、地下埋設物工事も完了し、コア・ステーションの供用開始と整合を図り、整備を進めているところであり、また、旧甲賀病院跡地南側の市道鹿(ろく)深(しん)・京町(きょうまち)線につきましても、今後整備を進める新水口体育館等と合わせて、歩道整備や右折レーン設置などの道路および交差点の改良工事を予定いたしております。

 続きまして、上下水道部所管事項についてでありますが、台風や集中豪雨等に伴う取水停止や漏水事故等の緊急時でも安全で安定的に水道水を供給できるように配水区域連絡管整備事業として、信楽町西から中野地先の地域間を結ぶ西地区外(ほか)送水管布設工事を実施し、年内に完了する見込みであります。

 下水道事業におきましては、汚水処理施設整備構想に基づき信楽地域の整備を進めており、10月初旬には国道307号と信楽川が交差する愛宕(あたご)橋(ばし)までの幹線管渠(かんきょ)整備が完了しました。今後は、下流域から順に公共汚水桝までの管渠(かんきょ)整備を進め、公共下水道整備の進捗を図ってまいります。

 最後に、教育委員会所管事項についてでありますが、11月4日に開催いたしました土山マラソンは、小雨が降るあいにくのコンディションではありましたが、3,236人のランナーにご参加をいただき開催いたしました。地元消防団をはじめ企業、団体などボランティアの皆様のご協力や、地域をあげての応援のもと、3,000人を超えるランナーに完走していただくことができ、大変盛り上がりのある大会となりました。

 また、11月16日に野洲市 希望ヶ丘文化公園で行われました滋賀県中学校駅伝大会におきまして、水口中学校女子駅伝チームが45分6秒で5年連続9回目の優勝を飾り、12月16日に同じく希望ヶ丘文化公園で行われる全国中学校 駅伝大会に出場されることになりました。駅伝はチームワークが大変重要であり、全国大会においても日頃の練習の成果を発揮し健闘いただけることを願っております。

 それでは、本日、提案いたしますのは、人事案件が1件、条例案件が9件、補正予算案件が2件、その他の案件が9件、合計21件であります。

 どうかよろしくご審議のうえ、ご賛同賜りますようお願い申しあげ、開会にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。

 よろしくお願い申しあげます。

 

平成30年11月28日