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 おはようございます。

 本日ここに、平成31年第1回甲賀市議会定例会が開会されるに当たり、提案いたします議案の諸案件のご審議を願うに先立ち、一言ご挨拶を申し上げます。

 一昨日から今日までの3日間、田村神社では厄除け大祭が執り行われております。私も初日に参詣いたしましたが、宮司さんからは「例年以上にたくさんの方がお詣りされている」とお伺いをいたしました。毎年この時期、甲賀市ではよく雪が降ると言われておりますが、今冬においては、これまでのところ、例年と比べ積雪が少なく市民生活への影響もさほど無く、ありがたく思っているしだいでございます。

 そして、滋賀県では1月17日からインフルエンザ警報が発令されており、本市におきましても、これまで市内14小学校で41クラス、4中学校で9クラスが学級閉鎖となりました。昨日時点において、市内小中学校の学級閉鎖はなくなっておりますが、警報が継続して発令されておりますので、引き続き注意を促す必要があると思っております。

 また、今年1月から昨日までの間、市内では4件の火災が発生しており、3名の方が救急搬送され、内1名の方がお亡くなりになりました。昨年同時期と比べ、建物火災が多く発生しており、暖房器具を使用するこの時期、引き続きの注意喚起が必要であり、火災予防はもとより、ウイルス感染予防など、市民生活の安全と安心を守るため、気を緩めることなく努めてまいります。

 さて、今議会におきまして、平成31年度当初予算案をはじめとする各議案のご審議をお願いするにあたり、施政方針の一端と主要施策の概要を述べさせていただきます。

 内閣府によりますと、今日の我が国における経済状況は、いわゆる「アベノミクス」により、緩やかな景気回復が続いており、2012年に始まった今回の景気回復期間は、2018年12月で73ヶ月となり、2002年から2008年に記録した戦後最長期間に並んだ可能性があるとされているところであります。

 この後も景気の回復期間は継続していくと見られていますが、米中貿易摩擦やイギリスのEU離脱などの世界経済の動きや、また本年10月に予定されている消費税率10パーセント引き上げによる経済への影響が懸念されるところであり、本市といたしましては、経済状況を注視しながら引き続き事業の選択と集中を行い、限られた財源の中で、より効率的で効果的な政策の展開を実行していくことが必要であります。

 平成31年度は、甲賀市が誕生し15年目を迎える年であり、また天皇陛下の御譲位及び皇太子殿下の新天皇御即位が行われ、改元によって新しい時代が始まる節目の年でもあります。

 私が市長に就任し、2年3ヶ月が経過をいたしましたが、平成28年11月の臨時議会において所信を述べさせていただきました「市民対話」、「人口減少対策」、「子育て施策の充実」、「産業振興と財源確保」の4つの基本方針に基づいて市政運営を進めるため、平成29年度に第2次甲賀市総合計画を策定し、本市が目指す未来像を、「あい甲賀 いつもの暮らしに"しあわせ"を感じるまち」として、本計画に沿った各種施策を進めてまいりました。

 高齢者から若者、子どもまでが健康でいきいきと活躍できる地域をつくるため、「子育て・教育」、「地域経済」、「福祉・介護」という3つのテーマを設け、10のプロジェクトを着実に進めるためオール甲賀で各施策に取り組んでいるところであります。

 「子育て・教育」に関しましては、生きる力・キャリア教育の推進や子育て世代の応援事業をはじめ、保育サービスの充実等、各種事業を進めてまいる方針であります。

 「地域経済」につきましては、シティセールスで本市のブランド力を高め、女性や若者の活躍及び定住化を図り、観光振興や空きキャパシティ活用により本市のより一層の魅力アップを図ってまいります。

 「福祉・介護」に関しましては、中山間地域の再生、地域・世代まるごと包括ケアの取り組みを通して、高齢者福祉の充実や地域共生社会の構築につなげていく所存であります。

 さて、平成31年度の国の一般会計予算案は、予算規模にして101兆4,571億円、対前年度比3.8パーセント増と、過去最大規模であった平成30年度予算額をさらに上回っております。

 国の予算案のポイントといたしましては、大きく3つあり、一つ目は、全世代型の社会保障制度への転換に向け消費税増収分を活用した幼児教育の無償化や社会保障の充実、二つ目は、消費税率の引き上げによる経済への影響の平準化に向けた十分な支援、そして三つ目は、大規模災害に対して重要インフラの緊急点検結果等を踏まえた、防災・減災、国土強靭化のための3年間の緊急対策の実施とされています。

 急速に進む少子高齢化の流れの中で、国では、平成26年度から地方が自らのアイデアで自らの未来を切り拓く地方創生の取り組みを推進いたしておりますが、全国的に見ますと首都圏を中心とした都市部への若年層の流入傾向は続いており、地域で雇用を確保し、地方への新しい人の流れを生み出すまでには至っていないなど、思うような成果が現れていないとも言われております。また、全国的に深刻な人手不足が続いている中、女性活躍のより一層の推進や、外国人労働者の受入れ拡大を進め、経済成長を止めない対応が図られております。

 こうした社会経済情勢の中で、まちの魅力を高め、若い世代の方に選んでいただけるような地域づくりを進めていくためには、これまでにない行政の能力、対応が求められております。幸い、本市には、新名神高速道路や国道1号、307号の幹線道路網をはじめ、草津線などの優位な交通インフラもあり、また豊富な歴史資産や、お茶、薬、信楽焼などの特産品、世界から注目されるコンテンツである忍者など、まちの活性化に向けて勝負できる多くの資源を有しております。こうした資源を活かしつつ、また女性や外国人材の活躍、多文化共生にも積極的に取り組み、国の地方創生推進交付金等を有効活用しながら、地域の勢いを伸ばす各種施策の実施に果敢にチャレンジしてまいりたいと考えております。また、市民の皆様の安全安心を確保するため、防災、減災対策につきましても、ハード、ソフトの両面からしっかりと取り組んでまいります。

 それでは、平成31年度当初予算案の概要についてご説明を申し上げます。

 平成31年度の一般会計当初予算案は、「総合計画第1期実施計画」の3年目として、これまで2年間進めてまいりました取り組みをさらに深める意味で、「オール甲賀で未来につなぐ!深化予算」といたしました。

 老朽化が課題となっておりました市有施設の整備更新につきましては、本来ならば、より早い時期から計画的に抜本的な対策を講じる必要がございましたが、タイミングを逸することなく、将来に過度な負担を残さないよう、有利な財源である合併特例債を活用して施設整備を進めてきております。平成31年度は、合併特例事業がピークを迎える年であり、一般会計予算額は432億8,000万円となりました。

 主な施設整備事業といたしましては、現行の新市建設計画に基づき、待機児童対策の一環として進める水口地域保育園や、教育環境充実のための(仮称)西部学校給食センター、水口体育館などであり、計44億円を計上いたしておりますが、これらは合併特例債の有効活用により推進いたします。

 次に、主な施策、事業につきまして、「子育て・教育」、「地域経済」、「福祉・介護」の分野ごとに概要を申し上げます。

 まず、「子育て・教育」の分野では、一般不妊治療費助成により子どもを授かりたい方を応援するとともに、学校給食のアレルギー対策や保育園におけるICTシステム導入などにより、保育・教育の質の向上に取り組むほか、前年度からの繰越事業であります市内小中学校の空調設備を夏季までに完了する予定であります。歳出予算の中で、教育費は市民一人当たり8万2000円となり、県内各市の平成24年から28年度平均の4万9000円を大きく上回っております。

 「地域経済」の分野では、東京オリンピック・パラリンピックのホストタウン事業や全国植樹祭事業、本市を舞台としたNHK連続テレビ小説「スカーレット」の放送に合わせたロケーション推進事業等を進めてまいります。甲賀市の魅力を最大限に発信するまたとない機会でありますので、地域経済全体への波及効果を生み出す取り組みにしたいと考えております。

 また、忍者を核とした観光拠点施設整備により更なる観光誘致をめざしつつ、お茶・陶器・薬などの地場産業振興やブランド化にもなお一層の取り組みを行っていきたいと考えております。

 「福祉・介護」の分野につきましては、特に高齢者施策として、「健康寿命を延ばそう事業」を拡充するとともに、コミュニティバス無料乗車券交付対象者の年齢要件を現行の80歳以上から75歳以上に拡大いたします。また、地域共生社会構築事業、「我ごと、丸ごとの取り組み」において、地域・関係者・専門機関などをつなぐネットワークを構築し、地域全体での見守り・支え合い活動を展開したいと考えております。

 平成31年度の予算編成につきましては、ボトムアップの風土づくりを進める観点から、昨年6月より部局単位のクロス・ファンクショナルチーム(CFT)を編成し、部局長を先頭にした若手職員を中心に、様々なアイデアを出しながら議論を深めてまいりました。全部で27の提案が出され、この中から、市役所内部の無駄を省き、ICTやAI等を活用した5件の事業について、平成31年度予算として反映いたしました。具体的には、先ほど述べました保育園でのICTシステム導入や、AIによる会議録作成、窓口へのAI翻訳機導入などであります。本取り組みにより経費削減はもとより、より効果の上がる事業の見直しや、働き方改革に結びつくことを期待するとともに、職員がアイデアを出し、新しい取り組みとして実施することは、モチベーションの向上にもつながるものと考えております。

 平成31年度予算につきましては、従来より早くから編成に着手いたしましたものの、削減や見直しについて、議会や市民の皆様と具体的な協議の場を十分設けるまでには至りませんでしたが、全職員が「合意形成」の重要性を認識し、引き続き32年度予算編成に向けてこの取り組みを継続したいと考えており、こうしたことが、子や孫の代まで責任のもてる市政運営、まちづくりにつながると確信をいたしております。

 また、昨年11月から12月に行いましたタウンミーティングにつきましては、今後も続けてまいりたいと考えており、市民の皆様との対話をしっかりと行い、結果に結びつけていく最大限の努力をしたいと考えております。平成31年度は、「我ごと、丸ごと」や「防災」、「健全財政」などをキーワードに、市民の皆様との合意形成の場にしたいと考えています。

 さて、住民基本台帳人口につきまして、昨年同時期と比較をいたしますと、約400人が減少しております。減少数は予測より少なかったものの、その大きな要因としては、外国籍市民の増加が影響していることが伺えます。人口減少対策を進めるには、市民や企業、事業所の皆様との協働や官民連携を進め、出生率の向上や転出者の抑制、また若者の定住などしっかりと成果を出すことが非常に重要であります。本年5月には、まちづくり活動センター「まるーむ」を開所いたしますが、多くの市民皆様が集い、様々な主体が連携協働してイノベーションを起こしていただける展開を進めてまいります。

 平成の時代が間もなく終わろうとしており、5月から新しい時代が始まります。本市におきましては、NHK連続テレビ小説「スカーレット」の放送をはじめ、東京オリンピック・パラリンピックでのシンガポールのホストタウン、また、2021年全国植樹祭など、全国から注目される話題で一杯であり、新しい時代の幕開けとともに本市に巡ってまいりました千載一遇のチャンスを活かし、市政発展に向けて市民の皆様とともに前向きに施策を進めてまいる覚悟であります。

 それでは、本日、提案いたしますのは、報告案件3件、新年度予算案件10件、条例制定案件1件、条例一部改正・廃止案件6件、補正予算案件4件、その他案件7件の合計31案件であります。

 どうかよろしくご審議のうえ、ご賛同賜りますようお願い申しあげまして、開会にあたりましての挨拶と施政方針の説明といたします。

平成31年2月19日