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 皆様、おはようございます。

 本日ここに、令和元年第2回甲賀市議会定例会が開会されるにあたり、提案いたします議案のご審議を願うに先立ち、議長のお許しをいただきましたので、少しお時間を頂戴しご挨拶を申し上げます。

 連日猛暑が続いたこの夏も、朝夕は涼しさが少し戻り秋の気配が感じられるようになりました。

 今日から市内の小中学校では、新学期が始まります。夏休みの宿題を終え、心身ともに少し成長した子ども達が、朝から元気に登校する姿を見て大変頼もしく感じました。

 夏休み期間中は各地域で、子ども達の居場所づくりをはじめ多くの催し物を開催いただき、また、今日からは地域の皆様に子ども達の登下校を見守っていただいております。ここに改めて感謝とお礼を申し上げます。

 このような中、この夏は連日のように日韓関係、香港のデモ、イギリスのEU離脱など国際情勢がテレビや新聞でトップニュースとなっております。

 国際情勢の不透明感から、フランスで開催されたG7サミット・主要7か国首脳会議の動向に世界中が注目したところです。世界経済の成長をはじめ国際秩序の維持を主導してきたG7サミットですが、自由貿易や地球温暖化対策への対応で意見の隔たりが大きく、1975年の第1回サミット以来初めて首脳宣言の採択が見送られることとなり、G7各国の影響力低下が懸念されています。

 また、G7サミットにも大きな影を落とすこととなった、アメリカと中国の貿易摩擦の激化により、世界経済の減速基調が今後も続くとの見方が多く占め、国際情勢は一層混迷の度を増しております。

 国内におきましては、10月からの消費税率10%への引き上げが目前にせまり、景気悪化を心配する声もあります。製造出荷額が1兆円を越える県内屈指のものづくりのまちである本市にとりましても、今後の世界経済、日本経済の動向に注視していく必要があります。グローバル化の進展にともない国際情勢が地方経済にまでも直接影響を与えかねない状況の中で、企業活動をはじめ市民生活への影響を最小限に抑えるために、市として足腰の強い地域づくりを行っていくことが大変重要です。

 いよいよ今月末からNHK連続テレビ小説「スカーレット」の放送が始まりますが、これに合わせて、8月20日には甲南グランドで開催の夏期巡回ラジオ体操がNHKラジオで全国へ向け放送されるなど、今後も様々なNHK番組の収録が本市で行われる予定となっています。さらには、東京オリンピック・パラリンピックでのシンガポールのホストタウン、日本六古窯サミット、全国植樹祭の開催など注目を浴びる事業が今後数年間続いていく千載一遇のチャンスを活かして観光振興などによる甲賀市全体の地域経済の活性化につなげていきます。

 各事業の成功はもちろんのことでありますが、その成功を一過性ものとせず戦略的な視点をもって、地域経済の活性化、地域ブランドの形成、シビックプライドの醸成につなげ、年頭に定めました今年の目標である「堅実」を忘れることなく、市民皆様と共に甲賀市の発展に向けてまい進してまいります。

 令和初となる国政選挙となりました第25回参議院議員通常選挙におきましては、従来の開票場を変更して行われましたが、選挙管理委員会において入念な事前の確認作業と、リハーサルの実施など万全の準備で臨んだことから、トラブルもなく終了できたと報告を受けました。選挙管理委員会では、今回の執行に満足することなく、さらなる改善に向け取り組みを進めていただけるものと確信しています。

 さて、本年の梅雨入りは記録的に遅く、梅雨が明けた途端に猛暑が続きました。このような気象状況の中、大変タイトな作業工程ではありましたが、前倒しにより進めてきた小中学校のエアコン設置工事がすべて6月末に完成し、1学期から子ども達は快適な教育環境で学習を始めています。

 本格的な出水期に入る中、8月4日に開催された第54回滋賀県消防操法訓練大会に、ポンプ車の部に信楽方面隊信楽分団が、小型ポンプの部には水口方面隊第3分団、甲南方面隊第1分団がそれぞれ出場いただきました。大会当日は、地域や家族の皆様、議員の皆様など多くの方からの声援を受け、ポンプ車の部で信楽方面隊が優勝、小型ポンプの部では、水口方面隊が準優勝、甲南方面隊が第5位という輝かしい成績を収められました。出場いただきました団員の皆さんには、春先から厳しい訓練を積み重ねてこられ、その努力の成果が表れたものと敬意を表するとともに、ご家族や地域、職場皆様のご理解と支えがあってこその結果であると心より感謝申し上げます。

 このように力強い消防団員の皆様をはじめ防災士の皆様等と連携し、本市の安全安心につながる取り組みを今後もしっかりと進めてまいります。

 さて、9月議会は、前年度の決算をご審議いただく議会でもあります。このことから、まず、本議会に提案いたしました平成30年度の一般会計の決算について、その概要を申し上げます。

 平成30年度は、第2次総合計画の2年目として「しあわせを感じるまち」の実現に向け、「子育て・教育」、「地域経済」、「福祉・介護」を基軸に、重点施策を「オール甲賀で未来につなぐ!チャレンジプロジェクト」と位置づけて取り組みました。

 主なものに、小中学生にきめ細やかな指導支援を行う「確かな学力向上事業」や、子育て世代の経済的負担軽減のための「子育て応援医療事業」、また、地域資源、民間活力を活かした観光振興を展開する「歴史文化都市構築補助事業」、土山から南草津駅までの往復便数を増やした「中山間地域通学バス運行事業」等、人口減少に立ち向かえる未来を見据えた甲賀市を創りあげるための施策の展開を図りました。

 また、「小中学校施設整備事業」を中心に、「水口体育館整備事業」、「まちづくり活動センター建設事業」等、合併特例事業債を有効に活用しながら施設整備を進めた結果、決算規模としては、歳入・歳出ともに過去最大となりました。

 財政健全化法に基づく指標では、事業推進にあたり有利な起債の活用、補助金の確保、また事業の効率化等を着実に進め公営企業会計の公債費が減少したことにより実質公債費比率が9.1%と前年度から0.9ポイント改善しています。また、公営企業会計等での起債償還が進んだことや基金残高の増額などにより将来負担比率は59.6%と、前年度に比べ14.4ポイントの改善を図りました。

 いずれの数値も、健全な財政運営を示すもので、指標の算定が始まってから最も改善が進んだ値となりました。将来に責任あるまちづくりに必要な先行投資などを鑑みますと、一層、緊張感のある財政運営が必要になることから、今後も行政運営の効率化を通じて健全な財政運営に努めます。

 つづきまして、6月定例会議以降の主な施策の取り組みについて申し上げます。

 まず、総合政策部所管事項では、7月29日に令和2年度の滋賀県施策に対して、名神・名阪連絡道路の整備促進をはじめ9つの項目についての本市の要望書を三日月県知事へ提出いたしました。要望事項はいずれも、今後の市政運営に大変重要な施策であり、県の理解と積極的なリーダーシップのもと確実に実現いただきたい項目であり、国に対してもあらゆる機会を捉え要望活動を実施します。

 消費税の引き上げに伴う景気対策として行われるプレミアム商品券について、10月からの販売に向け準備を進めており、対象となる方にご利用いただけるようしっかりと周知を図ってまります。事業費として3億8,500万円の補正予算案を本議会に計上しております。

 旧鮎河小学校・保育園の利活用につきましては、地元の跡地活用検討協議会から、地域の振興発展のための提言書を提出いただきました。

 提言書には、旧小学校の活用について、「当地域の振興に寄与できる民間事業者の掘り起こしと早期の事業者の決定」、保育園については、「現在の地域市民センター、公民館、改善センター機能の移設」などが盛り込まれており、市としましては提言書を踏まえ、まずは、旧鮎河保育園の利活用を進めるため、施設改修に必要な設計費用を補正予算案として本議会に計上しております。

 次に総務部所管事項では、昨年6月に着手の信楽地域市民センター建設工事が順調進み、9月30日から業務が開始できる予定となっています。10月以降も既存の地域市民センターの解体や駐車場整備などを進め、令和2年2月の工事完了を目指しています。加えて、本庁機能移転後の甲南第一地域市民センター改修工事につきましては、本年7月に着手し、令和2年12月の完成に向け工事を進めています。

 7月3日には令和2年度予算編成方針を各部局長あて通知し、予算編成に着手しました。第2次総合計画第1期基本計画、第1期実施計画の最終年として総仕上げの年となる令和2年度は、引き続きチャレンジプロジェクトの着実な推進のため昨年と同様、早期に予算編成に着手し、十分な調整・検討を行うよう指示したところです。
加えて、各部局長に予算編成の裁量額を増額して配分し、そのリーダーシップとマネジメントが最大限発揮できるよう進めています。

 また、地方自治法及び地方公務員法の一部改正により、令和2年度より臨時・非常勤職員を会計年度任用職員として任用するため、新たに期末手当等諸手当の支給が必要となり人件費の増額が見込まれます。こうした厳しい財政状況のもと予算編成については、事務の合理化や効率化等による歳出削減に加え、税収増を図るための施策や国県補助制度の積極的な活用による歳入確保など一層の創意工夫のもとに進めてまいります。

 8月5日、6日の両日に市は内小学校19校の6年生28人に参加いただき広島平和記念事業を実施しました。参加した児童は、各小学校、市内デイサービスセンターから託された千羽鶴を持参し、厳粛な中で行われた式典において、平和の大切さ、また、ありがたさを肌で感じてくれたことと思います。今後、学校や家庭で平和の尊さについて周囲の人達に伝えてくれるものと期待しています。

 次に健康福祉部所管事項では、先の大戦を含めた全ての戦没者に対し、哀悼の誠を捧げるため、8月25日に令和元年度甲賀市戦没者追悼式を挙行いたしました。戦争を知らない世代が大多数となり、悲惨な戦争の記憶が忘れ去られると危惧されている中、ご出席いただいたご遺族の皆様や、作文を発表いただいた広島平和記念事業や次世代戦跡訪問に参加の子ども達とともに、平和への願いを受けつぎ、未来へとつないでいくことの大切さを改めて深く認識いたしました。

 また、本年も市社会福祉協議会や民生委員児童委員の皆様を中心に、障がい児のためのサマースクールを開催いただきました。例年、地域ボランティアとして中学生からシニアまでの幅広い方にご協力いただいており、障がいに対する理解を深めるため採用1・2年目の市職員も参加いたしております。地域を基盤に、障がいの有無や年代を越えて人と人がつながる場は大変重要であり、とりわけ本市は、パラリンピックのホストタウン市でもあるため、市民一人ひとりが障がいについて正しく理解していただけるよう、滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例の10月からの全部施行に合せて市としても積極的な周知啓発等に努めてまいります。

 次に、こども政策部所管事項では、児童クラブについて保護者の共働きなどによる利用者の増加に対応するため、現在、甲南第一小学校の敷地内において、甲南そまっこ第2児童クラブの整備工事を進めており、令和2年4月からの供用開始を目指しております。この施設の完成により40名の利用定員の増加が見込めるとともに、小学校の敷地内に整備するため、通所にかかる安全性の確保や屋外での活動場所として運動場が利用でき、保育環境の向上が期待できるものです。

 保育園・幼稚園関係では、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律が成立したことから、本年10月から幼児教育及び保育の無償化が実施されます。

 幼稚園、保育園、認定こども園等を利用される3歳から5歳までのすべての子ども達の保育料が無償となり、ゼロ歳から2歳までの子ども達については、住民税非課税世帯を対象に無償となります。認可外保育施設などを利用する場合でも保育の必要性の認定を受けていただくことや、月額の上限など一定の要件はありますが無償化の対象になります。この無償化により入園希望数の増加が見込まれ、保育士の確保はもちろんのこと保育の質の向上が重要になりますので、国・県などの動向にも注視しながらしっかりと対応していきます。

 水口東及び岩上保育園、また、伴谷幼稚園及び伴谷保育園における私立統合認定こども園の整備に関して、各実施計画検討協議会より、新しい園づくりについて多くのご意見をいただきました。いただいたご意見を踏まえ8月末から運営事業者の募集を開始し、12月頃を目途に両認定こども園の運営事業者を決定する予定です。

 また、本年3月には、甲南地域保育園再編検討協議会から報告書を提出いただきましたことから、実施計画検討協議会の第1回目の会議を9月6日に開催を予定しており、新たな園づくりに向けた活発な議論を期待しています。

 保育園・幼稚園では、人間形成の基礎という重要な時期を過ごすことから、頂戴したご意見等を踏まえ、より良い保育等の環境が提供できるよう努めてまいります。

 次に、産業経済部所管事項では、農業分野において、土山・信楽の茶業協会の皆さんが5月に手摘み・製造されたお茶を第72回関西茶品評会、普通煎茶の部に10点、かぶせ茶の部に3点出品いただきました。

 8月6日、7日に行われた審査の結果、8点が入賞、普通煎茶の部では産地賞2位を受賞するなど、今年もお茶の産地としての高い技術力が認められる結果となりました。産地のPRや販路開拓など甲賀の茶のさらなる振興を図るため、引き続き関係団体とともに積極的な取り組みを進めます。

 林業関係では、7月28日に甲賀愛林クラブと大原自治振興会の主催により「上下流連携の森づくりの集い」が甲賀町神地先の水源林で開催され、下流の豊中市も含め110名の方々に参加いただきました。

 また、7月30日には第72回全国植樹祭滋賀県実行委員会第3回総会が開催され、「木を植えよう びわ湖も緑のしずくから」の大会テーマとともに、シンボルマークが決定いたしました。今後も、森林整備の大切さについて意識啓発を進めると共に、植樹祭に向けた気運を高めていきます。

 次に、建設部所管事業では、名神名阪連絡道路について期成同盟会の会長として関係自治体、議会および民間団体の方々と連携し、7月から8月にかけて国や県の各機関に対して要望活動を行いました。特に8月8日には国土交通省、財務省及び地元国会議員の皆様に、本路線の実現に向けて今年度中に重要物流道路の指定が実現するようお願いしました。国土交通省幹部の方からは、非常に前向きな回答をいただいたところですが、本道路の整備が実現するまで気を緩めることなく取り組みます。

 (仮称)甲賀北地区工業団地整備事業につきましては、事業主体である地権者の皆様が、土地区画整理法に基づく組合設立の認可を取得され、甲賀北地区工業団地土地区画整理組合の設立、業務代行者との契約を経て6月上旬より立木の伐採工事に続き、現在は地盤対策等の工事を進められています。

 今後も、事業の早期完了に向け、関係機関等の協議を進めるとともに、組合への継続的な支援を進めます。

 次に教育委員会事務局所管事業では、7月31日の甲賀市青少年活動安全誓いの日には、課長級以上の職員を対象に私から訓示を行うとともに、全職員による黙祷を行い、市主催の行事において起こした痛ましい事故を今一度、心の中に刻み、この事故での教訓を甲賀市全ての業務、事業に活かしていくことを改めてお誓いしました。青少年活動を安全に実施していくために、今後指導者の方々を対象に、実践に即した内容のセミナーを開催する予定です。

 また、本市の姉妹都市であります大韓民国利川市との中学生交流事業については、8月28日から9月1日かけ市内中学生6人が利川市を訪問し、現地中学校での授業体験やホームステイなどを通して友好を深める計画で、中学生の安全確保を最優先事項として進めておりました。しかしながら、利川市長から日本と韓国の政治的、経済的状況から交流事業を見合わせたい旨の親書が届き、事業を中止しました。

 今日まで先人が積み重ねてこられたご努力や、3年ぶりの交流事業を心待ちにしていた参加者の気持ちを考えると大変残念でなりません。

 金の卵プロジェクトは、子どもたちが一流に触れ、豊かな感性や創造力を育むとともに、未来に向けた夢や目標を持つ機会として、各分野から一流の方を講師として招き開催しました。

 スポーツの分野では、滋賀レイクスターズ所属のプロバスケット選手を講師に招き、小・中学生を対象にしたバスケットボール教室を、また、文化の分野では、魚について豊富な知識と経験に裏付けされたトークが大人気のさかなクンを講師に招き、「さかなクンのお魚教室」を開催しました。参加した子どもたちの生きいきとした姿を見て大変素晴らしい体験ができたものと感じるとともに、この事業を通じて、未来を担う子どもたちが、本市の教育方針である「たくましい心身と郷土へ誇りをもち、未来を切り拓く人となる」ことを願っています。

 以上、6月定例会以降における主な市政の動きについて、ご報告させていただきました。

 それでは、本日提案いたしますのは、報告案件7件、決算案件11件、人事案件5件、条例案件5件、補正予算案件4件、その他案件5件の合計案37件です。

 どうかよろしくご審議のうえ、ご賛同賜りますようお願い申しあげ、開会にあたりましての挨拶とさせていただきます。

 令和元年9月2日