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【市長】
 皆さん、こんにちは。急な日時変更にもかかわらず、大変お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
 昨日の国会の補正予算の成立を受け、1日でも早く、市民の皆様方に10万円の給付金をお届けするため、本日5月1日に甲賀市の臨時議会を開催させていただきました。
 その給付金につきましては、マイナンバーカードをお持ちの方でしたら、オンライン申請により明日から受付を開始します。
 また郵送申請の場合は、5月中旬を目標に受付を開始させていただきたいと考えております。
 令和2年に入り、2月3日に第1回の新型コロナウイルス感染症の対策本部会議を開催してから、これまで14回の対策本部会議を積み重ねてきました。
 世界中が混乱する中、我々地方自治体は、生活を守るという役目を果たさなければなりません。
 こうした中で、国や県からの指示や支援を待つだけでなく、自ら情報を収集し、先を見据えた対策を講じなければなりません。
 かつて経験のないこのような事態の中、あらゆる面で決断に苦慮する場面もありますが、最大限の施策を進めてきたつもりです。
 これまでには、税や介護保険料、上下水道料金、市営住宅家賃等の減免や猶予をはじめ、不足しているマスクにつきましては、医療機関や介護施設の他、妊婦の方や高齢者の方へ順次、できる限りの配布をしてまいりました。
 さらには、緊急小口資金等の貸付や、「学んでいこうか」という甲賀市の事業の中で、特に家庭に課題のある子どもたちを対象とした学習支援や食の支援も継続して実施しております。
 緊急事態宣言による休業要請や、外出自粛により、市民皆様の生活や事業経営には深刻な影響が出ております。
 本日は、このような事態に対処するための甲賀市の新たな取り組みについて皆様に説明させていただきます。
 まず、1点目につきましては、子育て世帯への市独自の支援として、0歳から15歳までの児童手当受給者の約8,000世帯、児童数にして12,624人分について、児童ひとりあたりにつき1万円の給付を行うものです。
 幼稚園の休園、小中学校の臨時休業によるご家庭の出費も、食費を中心に増えております。
 さらに5月末まで休校を延長したことをうけ、いち早く支援が必要と判断したものでございます。
 また、高校生がいらっしゃる保護者の皆さまへの支援については、システム改修が必要なことから、今回の補正予算には計上できませんでしたが、現在、準備を進めているところです。
 次に2点目ですが、国でも議論されております家賃支援でございます。
 これは、店舗等の賃貸料を市独自に最大で20万円補助するものでございます。要件としましては、今年2月以降の2か月間の売上が、前年同月に比べ20%以上減少となっている事業者様となります。
 甲賀市としましては、中小企業の皆様方、飲食店、小売店の皆様方の声を聴かせていただき、今後、国からの支援も出てくるものとは思われますが、一刻の猶予も無いと判断し、市が先駆けて取り組むものでございます。
 なお、本支援は、休業対象となっていない事業所も含め、すべて対象としております。
 次に3点目ですが、飲食事業者を対象とした、新たな業態による事業継続への甲賀市独自の支援策となります。
 テイクアウトやデリバリーにより飲食事業を継続される売上が20%以上減少している事業者様に、1店舗あたり、3か月を上限とし、月額最大10万円を支援いたします。
 新型コロナウイルス感染症の影響を受けていらっしゃる事業者は多岐に及びますが、特にこの外食産業が大きなダメージを受けていらっしゃる中で、知恵を絞り、お店を開けずとも、テイクアウトやデリバリーといった形で開業されているところをサポートしていこうというものです。
 次に4点目ですが、事業者様へのその他の支援としまして、社会福祉協議会と連携した最大5万円の支援金の給付をさせていただくこと、また県の休業要請に応じた事業者の皆様への臨時支援金として、県からの給付金に市が一律5万円を上乗せ給付するものでございます。
 これらの経済支援につきましては、5月中旬から申請を受け付け、支給対象となる皆様にできる限り速やかにお届けできるよう準備をしております。
 次に、5点目ですが、小中学校の臨時休業による学習支援についての取り組みです。
 甲賀市では、これまでからも子供たちの学習番組を放送しているケーブルテレビ「あいコムこうか」での学習動画の時間を増やして放送し、同時にインターネットでも同じ学習動画を配信する予定しております。
 現在小中学校では、学習プリントによる家庭学習の支援をしているところですが、新たな学力向上の教材として、ドリルなどを購入して学習支援をより充実させてまいります。
 このほか、感染防止対策経費としまして、病院をはじめとする各施設の資機材を購入する予算も計上しております。
最後になりますが、本日5月1日から、特別定額給付金等に係る相談窓口・コールセンターを市役所の別館に開所しました。
 市民や事業者様の皆様の疑問や不安を解消するとともに、適宜適切なサービスを提供することを目的とした、市独自の相談窓口及びコールセンターであります。
 具体的な役割としましては、「経済支援に関すること」、「生活支援に関すること」そして「特別定額給付金に関すること」について、4名のオペレーターが電話で相談を受けさせていただきます。
 ゴールデンウィーク中も開設しておりますので、少しでも不安がある方には、電話や窓口で相談いただければと考えております。
 今回、お示ししました取り組みは、「日々家計のやり繰りに困っている」、「店を切り盛りするのに大変厳しい状況にある」という皆様に、市としてどのような支援が必要かを、商工会の皆様方や金融機関などの関係者の皆様方からヒアリングさせていただき、即効性のある市独自のきめ細やかな取り組みとして実施することとしました。
 市では、現在の予防期から拡大期、そして今後の収束期、経済復興期の4段階に応じた対策としております。
今回の補正が全てではなく、今後、第2弾、第3弾となる市民の皆様の生活支援、事業者の皆様への支援を講じていく覚悟でございます。
 私からの説明は以上でございます。どうか広く市民の皆様に、こうした取り組みが届きますよう、記者の皆様にもご協力をいただきますようお願いいたします。

○質疑応答
《記者》
 学校の9月入学の議論がありますが、市長はどのようにお考えでしょうか。
【市長】
 現時点では、それが良いか悪いかの結論は持っておりません。
 国が選択肢のひとつとして議論していくことで、注視をしていかなければならないとは思っております。
 関係法令の課題、日本社会のしくみ、受験シーズンはどうなるのかなど、まだまだ不透明な部分も多いと感じております。
 また、本当に9月から再開できるのかも現時点では不透明な中で、どのような議論がされていくのかを注視していきたいと考えております。
 学力の低下はたいへん心配しており、夏休みの短縮だけで取り戻せるものなのかどうかも教育委員会の意見を聞いていきながら、自治体からは現場の声を国に届け、国民的な議論が必要と思っております。
《記者》
 今回の経済支援について、ヒアリングを基に検討されたということですが、ヒアリング自体は市長も関わられたのでしょうか。
【市長】
 産業経済部が、経済団体と常日頃からヒアリングをしておりますが、私も新型コロナウイルスが社会に影響を及ばしはじめた頃から、金融機関や商工会、また、まちづくり団体など、様々な経営者の皆様とのヒアリングを続けてきました。
 休業対象となっていない事業所でも、幅広く影響を受けておられ、そういった事業所の皆様からは、特に家賃などの固定費への支援が必要という声が多くあり、国に先駆けて支援をすることを決定しました。
《記者》
 国の支援が始まるまでの繋ぎになるのでしょうか。
【市長】
 繋ぎというよりも、今すぐ必要な支援と考えております。国の支援は、すみやかにと言われてますが、実際にはかなり労力が伴うので、もう少し先になると思われ、待ったなしの皆様には、まずは甲賀市の支援をご利用いただけるようにしました。市の支援は2ヵ月分としておりますので、その間に国の支援も示されると思います。
《記者》
 1回限りの支援になるのでしょうか。
【市長】
 国や県の支援の時期や内容にもよると思います。
《記者》
 10万円の給付金はいつ頃になりそうでしょうか。
【担当】
 オンライン申請の支払いは5月20日頃の予定です。郵送申請は、5月28日を目標としております。
《記者》
 高校生への1万円の支援も考えられているとのことですが、15歳以下の支援と同様な形で考えられているのでしょうか。
【市長】
 そうです。
《記者》
 時期はいつ頃になるでしょうか。
【市長】
予算提案時期は6月議会の予定です。
《記者》
 近隣市長は、県または県教育委員会のリーダーシップについて触れられていますが、今回の県の一連の判断やスピード感について、どのように感じられているでしょうか。
【市長】
 国県の経済対策支援の制度設計は、残念ながら遅いと感じています。県の首長会議でも各首長が意見を言っているところです。例えば、休校の延長の発表のタイミングについても、県内で早い地域と遅い地域とばらつきがあるのは、県民も戸惑うと思います。各首長も明確な根拠がない中での判断をしており、できれば県教育委員会で市町の意見をまとめていただき、統一的な判断をしていただきたいと思います。その他の意見についても他市町と同意見です。
《記者》
 5月31日まで学校は休校となっており、長引くことで親子ともストレスがあると思います。県内の状況を見てもそこまで延長する必要性はないように思いますが、5月31日までとした理由はなんでしょうか。
【市長】
 県立校と足並みをそろえました。感染症対策は、全国1,700の自治体がそれぞれにしていくのでなく、一定の枠組み、少なくとも都道府県単位で取り組まないと、人の交流は起こります。
 県内の感染者は少なくなっておりますが、緊急事態宣言も延長されるようですし、海外でも学校の再開は最後となっているところもありますので、まだまだ気が抜けない状況と考えております。
《記者》
 今後の国の方針によっては、再開が早まることもあるのでしょうか。
【市長】
 緊急事態宣言が出ている中では、再開を議論することはないと思います。再開するには、3密を避ける対応が必要となりますが、簡単なことではありません。しかしながら、受験生のことや学力の低下の心配はしているところです。

                                                     以上