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第3回甲賀市定例議会(6月)開会挨拶

 皆さん、おはようございます。本日ここに、令和2年第3回甲賀市議会定例会が開会されるにあたり、提案いたします議案のご審議を願うに先立ち、ご挨拶を申し上げます。
 昨年12月、中国武漢市において発生しました新型コロナウイルス感染症は、またたく間に世界中に拡大し、国内の感染者は1万7千に達する規模に広がり、亡くなられた方は900人を超える状況となっております。
 欧米やアジアでは、感染のペースが緩やかになっていますが、現在、ブラジルを中心とした南米諸国で感染のペースが加速しており、世界保健機関では、南半球が冬に向かう中、南米が新たな震源地なると警戒を強めています。
 国内では、感染経路が不明なケースの増加や医療体制がひっ迫したことにより、政府は4月7日に7都府県を対象に特措法に基づく緊急事態宣言を発令し、次いで16日には対象区域を全都道府県へと拡大されました。
 その後、期限を5月31日まで延長されましたが、発令から約1か月半後の5月25日、全ての都道府県で宣言が解除されたところです。
 滋賀県では3月5日に初めて感染者が確認されて以降、罹患された方は100名にのぼっていますが、これまで市内で感染が確認された方は1名に留まっており、無事に退院されています。
 このことは、市民や事業者の皆様が、様々なご事情の中でも、外出の自粛や休業要請にご協力いただいたお陰であると改めてお礼申し上げるとともに、特に、医療従事者の皆様には、感染リスクが高い最前線の現場で、日々ご奮闘いただいており、心から敬意と感謝を申し上げます。
 また、マスクをはじめ医療用の資機材、食料品や医薬品などもこの間、多くの方からご寄付いただき、非常事態の中で、このように温かな思いのこもった応援をいただいた皆様に深く感謝申し上げます。
 宣言は解除されたものの、この感染症への対応は、有効な治療法やワクチンが確立されるまで、ある程度の長期戦を覚悟する必要があると言われており、北九州市でのクラスター発生や東京アラート発動等の状況を鑑みましても、まだまだ予断を許さない状況にあります。
 これまでからお願いしてきた3つの密の回避や、人と人との距離の確保、マスクの着用や、手洗いなどの手指衛生をはじめとした基本的な感染対策の継続など、感染拡大を予防する「新しい生活様式」の徹底が求められています。
 本市では、2月3日に新型コロナウイルス感染症対策本部を設置して対応を行ってまいりましたが、4月16日からは特別措置法第34条第1項の規定に基づく対策本部に切り替え、これまで17回の本部会議を開催して対応を行ってまいりました。
 この感染症をめぐっては各種メディアやSNSを通じ様々な憶測や、情報が交錯する中、本市の感染状況や対策の正確な情報をできるだけ早くお伝えするため、広報紙の特集をはじめ、外国人相談センターの設置、支援制度を案内する新聞折込み、また、市ホームページへの特設サイト開設、動画で市の対応方針を説明するなど分かりやすい情報提供に努めてきております。
 マスクについては、品薄状態が続く中、特に妊婦や高齢者など罹患された場合に重症化等のリスクが高い方や、小中学生をはじめクラスター感染の発生リスクが高い医療機関や障がい者福祉施設、介護施設等へ約40万枚を優先的に配布させていただきました。
 市立小中学校については、政府の要請で3月2日からの臨時休業を決定し、その後も緊急事態宣言の発令や県教委からの要請も踏まえ5月31日まで延長してきたところです。
 ようやく6月1日より再開しましたが、再開にあっては慎重に議論を重ねながら、学校生活での様々な場面における感染予防対策や、休業等の基準を示した甲賀市版「学校再開ガイドライン」を順守し、最大限の感染防止対策を講じた上で実施することとしました。
 休業中は、家庭での学習状況の確認や健康観察などのため教員が家庭訪問を行ってきましたが、休みが長期化することで生活のリズムが作りにくく、夜型傾向の生活になるなど保護者の皆様にはご心配もいただく中で 、感染防止を徹底した上での分散登校や、あいコム甲賀、インターネットを用いた学習番組の提供などできる限りの対応を行ってまいりました。
 必要な学習時間が確保できていないことの対応としては、夏季休業期間中に登校日を設けて、子ども達の学びを保障することとしております。
 また、特別なご事情を抱えながら子育てをされている方や支援が必要なお子様への対応については、学校での預かりを実施し、連日200人近い子ども達の居場所づくりを行ってきました。加えて、生活困窮世帯等の子ども達については、社会福祉協議会とも連携し、食事の提供などにも取り組んできたところです。
 放課後児童クラブは、子どもの安全を第一に考え感染防止のため学校の休業に合わせて休所とし、市立幼稚園は緊急事態宣言が全国へ拡大されたことで4月20日から休園としておりましたが、それぞれの施設ごとに、市独自に作成した再開に向けたガイドラインを順守し、最大限の感染防止対策を講じたうえで6月1日から再開しています。市立保育園についても、6月1日より通常保育を行っております。
 宣言の解除により、徐々に社会経済活動が再開される中、市民の皆様からは各種イベントや地域行事を実施する際の基準を示して欲しいとのご要望もいただいております。 
 本市では、事業等の開催基準や、開催時の注意事項をまとめた市独自のガイドラインを作成しており、地域でのイベントの開催基準としてもご活用いただけますので、さらに周知を図ってまいりたいと考えています。
 また、市内各地域では、これまで人の繋がりや絆を大切にし、長年になっていただいてきた、見守り活動、健康づくりや生き甲斐づくりなどの実施が難しくなり、地域コミュニティの希薄化が進行するのではないかいと大変心配されています。
 このため、地域での課題をしっかりと聴き取り、今後の市政運営に反映をするため、区・自治会長様をはじめ地域のリーダーとの意見交換会を6月中に開催するよう指示しました。
 市施設の再開については、ほぼすべての施設を5月末まで休館にしており、特に公民館についてはサークル活動などでご利用の方も多く、ご不便をおかけしましたが、ガイドラインの順守による利用を前提に、5月25日から再開しております。また、子育て支援センターや体育館等の施設は6月1日からと段階的に再開を行っております。
 今回の感染症の影響による地域経済の実情について、私自身も金融機関や経営者の方々と意見交換を行い、サービス業を中心に経営が大変厳しい状況にあることや、感染症の影響が長引く中で、失業された方、ひとり親家庭や外国籍市民の方などは日々の暮らしにも大変お困りであるとのことから、税金、水道や下水道料金、市営住宅の家賃など公共料金の支払いついて、猶予や減免等の対応も行ってまいりました。
 また、このような状況を受け、緊急経済対策第1弾となる市補正予算として、中小事業所へ向けた支援金制度では、国に先駆けて実施する店舗等の賃借料である固定費に対する支援や、テイクアウトやデリバリーにより事業を継続される場合への支援等を、5月1日開催の臨時議会にてご決定いただきました。
 また、生活支援としては、4月30日に成立した国の1次補正予算で決定の、1人当たり10万円を給付する特別定額給付金の実施や、子育て世代へは児童手当支給世帯に対する国の給付金へ、市が独自に1万円の上乗せ支給を行うことも可決いただきました。
 各種の給付金については、皆様のお手元に1日も早くお届けし、早期の支援が図れるよう、体制を強化し休日も返上で進めています。特別定額給付金の支給については、これまで全体の約85%にあたる世帯から申請があり、審査を終えたものから順次振込を行っております。
 各種の給付金制度や生活支援などの相談に対応するため設置した相談窓口やコールセンターには、これまで4千件以上のお問合せが寄せられています。いただいたお声については、市民の皆様に寄り添ったきめ細かい対応ができるよう取り組んでいきます。
 現在、国においては、事業者の資金繰り支援を中心に、店舗家賃の一部支給、雇用調整助成金等の拡充、地方創生臨時交付金の増額や医療体制の強化などを盛込んだ2次補正予算案が閣議決定し、会期末である今月17日までの成立を目指し議論が交わされておりますが、地方自治の現場をあずかる者として1日も早い成立と支給を心から望むものです。
 なお、本市の経済対策は、社会経済活動が回復するまでの期間を4つの段階に分けて対応することとし、5月の補正予算では、第2段階にあたる拡大期までを対象としました。今後、第3段階の収束期、第4段階の経済復興期、加えてアフター・コロナのまちづくりにつきましても、それぞれの時期に適した議論と対応を講じてまいります。
 それでは、3月定例会以降における市政の主な動きにつきましてご報告申し上げます。
 まず、総合政策部所管事項では、水害リスクが高まる出水期を迎え、避難所における新型コロナウイルスの感染予防対策を決定しました。
 高齢者、障がい者や妊婦などの方が避難所においても3つの密を避けるなど感染リスクを低減できるよう、在宅での避難を含め、それぞれに適した避難方法や、避難所における衛生管理の徹底などにより、万全の準備を行ってまいります。
 次に、本市のふるさと納税制度の寄付項目に、「新型コロナウイルス感染症対策」を新たに追加しました。感染拡大による営業自粛などの影響を受けた事業者の方をはじめ、多くの皆様を支援していくために、経済復興支援を主な目的に広く寄付を募っていきます。
 続いて、総務部所管事項では、令和元年7月より進めてきました甲南第一地域市民センター改修工事が一部完成し、5月7日より新しい事務所で業務を開始しました。引き続き別館等の改修を進め、年内にすべての工事を完了する見込みです。
続いて、健康福祉部所管事項では、障がい者支援を目的として頂いた寄付金により災害時ビブスを作成し、聴覚障がい者の方への配付を始めました。聴覚障がいは、外見では分かりにくい障がいであるため、災害時の情報格差が課題となっています。
 このビブスの着用により、周りの方が障がいに気づき支援が届きやすくするためのもので、このビブスについて理解が進むよう啓発にも力をいれてまいります。
 続いて、こども政策部所管事項では、水口地域において新たに整備する認定こども園の運営事業者を5月8日に決定いたしました。今後は、事業者において施設整備や事業計画の策定等が行われますので、保護者や関係者の皆様と共有を図りながら設置に向けて進めてまいります。
 また、増加傾向にある低年齢児の入園希望に応えるため、水口地域で民間の地域型保育事業所が4月に2か所開園し、受入れ人数の拡充が図られました。今後も、民間事業者の皆様とともに、本市の幼児教育、保育政策がより充実するよう取り組んでまいります。
 続いて、産業経済部所管事項では、4月10日から募集をはじめました「子育て応援・定住促進リフォーム事業補助」につきまして、270人の方から申し込みをいただきました。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、申込み件数は減少しましたが、申込み段階での総工事費は約5億3千万円となっており、引き続き、少子化対策と定住促進、空き家等有効活用を図ると共に、地元建設事業者の受注機会の拡大に努めてまいります。
 続いて、建設部所管事項では、(仮称)甲賀北地区工業団地整備事業について造成工事の進捗率が5月末で約6割との報告を受けています。
また、企業進出については、新たに1社の契約に至ったとの報告があり、残す1区画の早期分譲に向けて、引き続き支援してまいります。
 次に、3月25日には近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会が開催され鉄道の存続が確認されました。今後、県をはじめ沿線市町などにより、運営方法や経費負担などの協議を進めてまいります。
続いて、教育委員会事務局所管事項では、水口・信楽地域の学校給食を提供する西部学校給食センターが、昨日6月4日から本格稼働となりました。また、食物アレルギーに対応した給食の提供について準備を進めており、安全を最優先としながら可能な限り早期に実施します。
 以上、3月定例会以降における主な市政の動きについて、ご報告させていただきました。
 それでは、本日提案いたしますのは、報告案件3件、人事案件20件、専決案件1件、条例案件5件、補正予算案件2件、その他案件3件の合計34案件です。
 どうかよろしくご審議のうえ、ご賛同賜りますようお願い申しあげ、開会にあたりましての挨拶とさせていただきます。

令和2年6月5日     
                       甲賀市長 岩永裕貴