【市長】
 皆さん、こんにちは。
ご承知のとおり、甲賀市内では、7月には専門学校、また今月8月には特別養護老人ホームと、2件のクラスターが発生しました。
 これまでに経験のない事態ではございましたが、職員が一丸となり、また、県からもリエゾンを派遣いただくなど関係機関と連携しながら、感染拡大を阻止するため、最大限の対応に努めてまいりました。
 県の主導のもと、市としては多岐にわたるバックアップやサポートが求められた中、なんとか2件のクラスターは収束に向かうことができましたが、風水害や地震などの災害と同様、これまでの対応を振り返り、今後の感染対策に活かしてまいりたいと考えております。
 それでは、少し長くなりますが情報提供をさせていただきます。
 明日8月19日から27日にかけて、新型コロナに関して、市内の各種団体の皆様とリモート形式の意見交換会を行わせていただきます。
 6月には、区・自治会役員の皆様方との意見交換会を行いましたが、今回は、福祉、医療、介護、教育、商工業、農業、観光などの様々な団体の皆様との意見交換を行い、これまでの感染症対策の評価や、これからの展望、課題について共有していきたいと思います。
 先週からは熱中症の危険度を表す指数も高くなってきており、甲賀病院への救急搬送数も増加傾向にあります。また7月には発生することのなかった台風も、8月に入り次々と発生しており、防災対策にも、しっかりと備えていく時期となりました。
 市民の皆様の安心・安全な生活を守るため、引き続き、気を緩めることなく、多岐にわたって対策に努めてまいります。
 それでは、9月定例市議会に提案いたします議案を説明させていただきます。議案としては、報告案件が10件、決算案件が10件、人事案件が2件、条例案件が8件、補正予算案件が8件、その他案件が2件、計40件の議案となります。
 まずは、条例案件となります「議案第94号 固定資産税特別措置条例の一部を改正する条例の制定について」でございます。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受け、国ではサプライチェーンの強靭化を図るため、製造拠点の国内回帰や国内生産拠点等の整備を促進する動きが進んでおり、本市においてもこの機をとらえ、市内企業の集約化や高度化に向けた設備投資を更に促すとともに、本社機能や研究開発機能を伴う企業立地を積極的に誘致するため「甲賀市固定資産税特別措置条例」を改正するものです。
 改正の概要は、企業等が行う設備の新設等に対する固定資産税の税率を、現在の100分の0.7から100分の0.5とするものです。
 また、新設等のうち、本社機能又は研究開発機能の設置又は拡充を伴うものについては、100分の0とします。
 このコロナ禍において、ピンチをチャンスに変えていく施策のひとつとなります。
 次に「議案第96号 甲賀市消防団条例の一部を改正する条例の制定について」でございます。
 本議案は、消防団員の継続的な確保及び災害への即時対応力の維持・向上を目的とする「消防団支援団員制度」を新たに導入するため、甲賀市消防団条例の一部を改正するものであります。
 消防団員を補完する必要がある分団において、一度退職された消防団員の方を対象として、再度「支援団員」として入団、活動いただくことで、消防団員の継続的な確保及び災害への即時対応力の維持、向上を図るものであります。
 災害が増えている中で、消防団OBの方々にご協力いただくことは、地域にとりましても、大きな安心感につながるものと考えております。
 続きまして、「議案第98号 令和2年度甲賀市一般会計補正予算」について、9月補正予算の新型コロナウイルス感染症対策事業についてまとめた資料に基づいて説明させていただきます。
 本市の新型コロナウイルス感染症対策は、「福祉・介護」、「子育て・教育」、「経済対策」の3つの分野を中心に対策を講じております。
 まず「福祉・介護」分野からは、資料5ページの国際化推進事業について説明します。
 本市には多くの外国人の方が居住されており、特に通訳機能を強化してきたところですが、新型コロナウイルスがもたらす影響はまだまだ衰えず、今後も外国人の方の相談は増加する見込みでありますことから、相談窓口を3月末まで延長することに伴い人件費を補正するものです。
 外国人の皆さまからは、特別定額給付金だけでなく、幅広い相談がありますことから、今後も引き続き支援を続けたいと考えております。
 次に、6ページの「新型感染症医療協力金」でございます。
 こちらは、公立甲賀病院敷地内に設けられたPCR検査センターを運営していただいている甲賀湖南医師会様に、甲賀市と湖南市が協力金を負担することで、円滑な運営を図るものとなっております。
 次に、8ページの「オンラインによる妊産婦への保健指導等」でございます。
 新型コロナウイルス感染症予防のため、オンラインで妊産婦さんへの保健指導等を行うため、タブレットやカメラ、マイク等の備品や、健診予約システムの構築、また通信費などの費用を補正するものです。
 妊産婦さんが安心して、出産、そして育児ができるよう、子育て家庭のニーズに応える支援をしてまいります。
 次に、資料10ページの子育て・教育分野となります「新生児応援特別定額給付金事業」です。
 こちらは、国の特別定額給付金の支給基準日の翌日であります4月28日以降に出生した新生児1人あたり10万円を給付するもので、令和3年3月31日までに生まれた新生児が対象となります。
 対象者の数は660人を見込んでおり、予算額は、事務費と合わせて、6,622万1千円となります。
 次に、資料の13ページの経済対策となります「地域振興イベント出店者支援金事業」です。
 これまで、市内の地域振興イベントでは、多くの市民の方々に出店していただいておりましたが、今後開催されるイベントでは、感染拡大予防対策をはじめとする新たな負担が発生することから、出店を見合わせる方々も多くいらっしゃいます。
 そこで、出店者に対し2万円の支援金を交付させていただくことで、感染予防対策をしっかり行っていただき、引き続き、地域振興イベントに参加していただきたいと考えております。
 次に、資料の14ページの「スカーレットを活用したプロモーション事業」です。
 連続テレビ小説スカーレットに関する事業は、これからという時に、新型コロナウイルス感染拡大のため、減速せざるを得なくなってしまいました。ここで改めてスカーレットの舞台であります甲賀市の魅力を発信するため、市内ロケ地をはじめとするPR動画を制作し、周遊型観光によるマイクロツーリズムの推進を図ってまいりたいと考えています。
 このPR動画には、今現在調整中ですが、スカーレットに出演された俳優さんに是非ともご出演をいただきたいと考えております。
 次に、資料の15ページから17ページの5つの事業は、農業関係への支援策となっております。
 売り上げが減少した農家への、次期作にむけた支援や、設備投資に対する支援を行い、お茶、野菜、果樹、花き、水稲、畜産など幅広く、市内の農業振興に努めてまいります。
 これらの他に、新型コロナウイルス感染症関連の補正予算では、
・障がい者の就労にかかる工賃保障に向けた支援
 作業所の売り先がコロナの影響で大きく減少していることからの支援です。
・市内公共交通であるコミュニティバス、コミタク、信楽高原鐵道の車内の抗菌処理
・保育園、幼稚園をはじめとする各施設の感染拡大防止対策経費
など、これまでに行き届かなかった部分への、きめ細かな支援策を中心に補正予算を編成いたしました。
 次に、これまでの新型コロナウイルス関係の主な取り組みの進捗状況についてご報告させていただきます。
 まず、特別定額給付金です。8月14日現在で、受付件数が36,024件で全体の98.97%の申請を受理しました。8月15日以降の申請により、最終99%を超える見込みですが、未申請は約350件程度となっております。
 未申請の世帯には独居世帯が多いことから、7月中旬から職員が訪問して申請を勧める取り組みを行ってきました。
 なお、甲賀市での申請期限は、8月21日までとなっております。
 次に、8月6日時点での経済対策の進捗状況について報告します。
 まず、生活に困窮されている個人事業主に最大5万円の支援金を支給する「個人事業主臨時支援金」につきましては、申請件数は150件で、請求金額は合計750万円となっております。
 次に、店舗の賃貸料などを最大で20万円を支援します「固定費臨時支援金」につきましては、申請件数は218件で、金額は3258万1千円となっております。
 次に、市内の約2,800の事業所に10万円を一律に支給します「新たな日常に向けた地域経済活性化支援金交付事業」につきましては、1,657件の申請があり、金額は、1億7,750万円となります。
 また、地域経済を回復するために、市内全世帯に、1世帯当たり5千円のクーポン券を配布する「地域経済応援クーポン券配布事業」につきましては、簡易書留により、7月末から市内の約36,000世帯に発送しております。
 なお、クーポンが利用できる店舗は、市内444店舗に登録いただいております。
 最後に、2件の情報を提供させていただきます。
 まずひとつめは、以前から予告しておりました「甲賀流リアル忍者館」ですが、9月20日にオープンしたいと考えております。
 詳細が決定しましたら、追って連絡させていただきます。
 2点目は、既に担当課から情報提供済ではございますが、甲賀市消防団による土砂災害警戒区域の巡視でございます。
 これは、滋賀県と連携したもので、県内でも先行した取り組みとなります。
 地域に最も近い消防団員が、地域の危険区域を改めて把握することで、地域での周知が行われ、非常時の避難誘導へと導く、新たな取り組みです。
 8月末までの取り組みとなっておりますが、市内に990箇所の土砂災害特別警戒区域を持つ甲賀市の取り組みとして、是非とも取材いただければと思います。
 私からの説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○質疑応答
《記者》
 専門学校でのクラスター発生の際に、甲賀町地域の市の施設を休館とされた考え方をお聞きしたい。2点疑問があり、ひとつは専門学校の学生が利用されていた施設だけであれば理解できるのですが、学生が利用されていない施設も休館とされた点です。このことが市民の怒りの矛先が専門学校へ向かうことにならないのか気になるところです。
もう1点は、全市的に見ますと、甲賀町地域には来ないでほしいという風に見えなかったのでしょうか。
【市長】
 ただの感染ではなく、クラスターであったというのが一番の理由です。公共施設を一律に閉めるか閉めないかは非常に難しい判断でした。学生や学校関係者だけでなく、その濃厚接触者の方もいらっしゃる中で、感染の拡大見込みは、保健所の調査が終わるまではわからない中での判断でした。
 市全域という考えもありましたが、クラスターの全容が明らかになるまでのこの段階では甲賀町エリアの公共施設に限定しました。
 また、捉え方はいろいろあろうかと思いますが、甲賀地域には来ないでほしいという意図の発信は一切しておりません。今回は市内の専門学校で起こったことですが、次にいつどこで起こってもおかしくないことであり、決して風評被害や誹謗中傷が起こらないよう、市長メッセージとして発信するなど、あらゆる手段で広報しました。その結果、地元の自治振興会では、「誹謗中傷をやめ、みんなで支えあおう」と呼びかけるポスターを作っていただくなど、良い雰囲気づくりができたと考えております。
 何も状況がわからないまま進めなければならない中で、まずは一定の公共施設を休館としたことは、市民の皆様の安心感に繋がったと考えております。
《記者》
 クラスター発生のさなか、隣の甲南町のコンビニエンスストアも閉められたことをネットで知ったのですが、そのことを市の危機管理課に確認したところ、県から聞いていない案件であるとの回答のみで、それ以上の情報を得ようとする姿勢が見受けられないことが疑問でした。市中感染を疑い、さらに情報を得ようとすべきと思いますが、このことについてどのように考えられているでしょうか。
【市長】
 基本的には、感染情報の扱いは県の管轄となっており、市も県が発表した情報だけを発表しております。ただ、クラスターについては、影響が大きいと思われますので、発生した場所については、関係者のご了解をいただいたうえで、公開しております。ただし発生源から派生した先の事業所等の情報までは公開しないこととしております。
《記者》
 その先の事業所からの感染拡大は考えられないのでしょうか。
【市長】
 その先の事業所でもクラスターとなれば対応は変わります。
《記者》
 スカーレット関連の事業については、新型コロナの影響があったと思いますが、年間でどのくらいの影響があったのか、入込客数などの数値や今後の見通しなどはあるでしょうか。
【市長】
 具体的な数値や今後の見通しはまだ見えていない状況です。
《記者》
 市内の特養で新型コロナのクラスターが発生した際に、特養の従業員が買い物に行けないなどの生活に支障の出る状況が生じたと思いますが、そのような状況に対しての支援は考えられたのでしょうか。
【市長】
 例えば、専門学校のケースでは、寮で暮らしている学生が多いため、2週間の待機中には、市から食料を届けることとしました。
 特養のケースでは、デイサービスやショートステイを利用できなくなった方への物資の支援などを行いました。
 濃厚接触の従業員への生活支援については、まずは事業所の対応と考えますが、個別に相談があれば、ケースバイケースの対応を行います。
《記者》
 補正予算の移動販売モデル事業は、買い物困難なエリアを指定されているのでしょうか。
【市長】
 エリアはこれから決めます。地元商店などへの民間圧迫とならないような配慮が必要と考えております。
《記者》
 市としては初めての取り組みとなるのでしょうか。
【市長】
 個々の店舗での取り組みはあろうかと思いますが、市としましては初めての取り組みとなります。このコロナ禍においての買い物支援のモデルケースとして取り組んでいきます。
《記者》
 国の財政支援はあるのでしょうか。
【市長】
 本事業は、国費はありません。市の単独財源です。
《記者》
 新型コロナの影響で公立甲賀病院の経営も甲賀市と湖南市の2市での負担では大変かと思いますが、市として国や県に対して要望をされるのでしょうか。
【市長】
 今後、国も何らかの財政支援を考えていかれると思います。県内全市町が支援を望んでいるということを国に要望するよう県にも言っております。今後、甲賀病院でも病床を増やす計画がありますが、増やすことで生じる赤字は、今のところ、甲賀市と湖南市で負担することになります。経営努力しながらも、困難な面は国県の支援をいただきたいと思います。

以上