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    おはようございます。

 本日、令和2年第6回甲賀市議会定例会が開会されるにあたり、提案いたします議案のご審議を願うに先立ち、ご挨拶を申し上げます。

 二十四節季の「小雪」も過ぎ、冬の足音が近づく中、少し暖かさが恋しい季節となってまいりました。

 例年ですと、秋には市内各地において文化祭が開催され、書道、絵画、陶芸、手芸、生花の展示や、日本舞踊などの芸能発表などを鑑賞させていただいているところですが、今般のコロナ禍においては、地域行事の開催も大変難しく、地域にお伺いし、市民の民様と直接お話をさせていただくことが叶わず、対話の在り方にも大きな変化を求められているところであります。

 この新型コロナウイルス感染症は、全世界で感染者が累計6千万人を越え、ヨーロッパ各国では再び外出規制などの厳しい措置がとられています。

 日本においても、急激に感染者が増加しており、専門家からは第3波に入ってきたとの見解が示されています。市内では10月以降、散発的な発生が見られ、これまでの市内感染者数は、11月25日現在61人で、入院されている方は1人となっています。

 引き続き、感染状況に注視すると共に、子ども達の思い出づくりや地域の絆づくりなどにもきめ細かく目を向け、丁寧に取り組んでまいります。

 さて、世界各国から政治や経済などのリーダー約3,000人が集まり、スイスの保養地であるダボスで総会が開催される世界経済フォーラムでは、来年5月に開催する年次総会の統一テーマを「グレートリセット」とされました。

「グレートリセット」とは、新型コロナウイルス感染症が、これまでから社会経済システムに起き始めていた変化を劇的に早め、世界を一変させたことから、人々の幸福を基とした持続可能な新しい社会経済システムの再構築を目指されるものです。

 このように、アフターコロナを見据えた社会のあり方を模索する動きが、国内外で始まっており、持続可能性を脅かしかねない時代にあっても、社会情勢の変化を予測し、様々なリスクを想定して、市民の皆様が安心して日常の生活や事業活動が続けられるよう、しっかりと対策に取り組むことが重要であります。

 加えて、新型コロナウイルス感染症による世界的危機は、これまで当たり前とされてきた物の見方、考え方や、物質的なものに過度に重きを置く価値観にも大きな変化をもたらしました。

 アフターコロナの時代も見据えたまちづくりを行うためには、多様な価値観や生き方が受け入れられ、人々の暮らしに幸せを感じ、心身ともに健康で豊かな人生を送っていただけることが重要と考えております。

 このことから、新しい働き方やライフスタイル、新しい家族の在り方なども包摂した「新しい豊かさ」を、市民、地域コミュニティ、市民活動団体、民間事業者の皆様と共に追い求めてまいりたいと考えております。

 所信表明でも申し上げましたが、これからの4年間は、市民の皆様にお約束しました7つのチャレンジ及び20分野135項目の施策、事業を実施する際に、この10の新しい豊かさの視点を反映させて、取り組んでまいります。

 「新しい豊かさ」の視点を各事業等に反映させることは、地域に眠っている、自然、文化、芸術、人材、また技術などに光をあてる特色のあるまちづくりとなり、ひいては「選ばれるまち甲賀市」に必ずつながるものと考えております。

 それでは、9月定例会以降における市政の主な動きにつきましてご報告申し上げます。

 まず、総合政策部所管事項では、第2次甲賀市総合計画、第2期基本計画の策定に向け、市民や企業の皆様とのリモート会議により、第1期基本計画の成果と課題を検証するとともに、次期基本計画について議論を進めてまいりました。

 アフターコロナを見据えた「新しい豊かさ」の視点を基軸に、いつもの暮らしに「しあわせ」を感じるまちを目指した、第2期基本計画を本年度内に策定できるよう着実に進めてまいります。

 また、11月15日には大型台風による災害を想定した「甲賀市総合防災訓練」を実施しました。コロナ禍の中、本年度は市民参加を限定し、主に災害対策本部の設置運営訓練や早期避難所の開設訓練を、市役所や信楽地域市民センターを会場に、消防本部や消防団、信楽地域区長会、防災士、民生委員児童委員の皆様などのご協力により実施いたしました。

 新たな試みとして、近畿総合通信局のご協力いただき、非常時の情報伝達手段として臨時FM局を開設し、防災メッセージを発信いたしました。災害時において情報伝達は大変重要であり、有事の際に機能するよう継続して訓練を行ってまいります。

 次に、総務部所管事項では、令和3年度の予算編成を、総合計画第2期基本計画の策定と並行して只今進めているところです。

 来年度は、新型コロナ感染症による社会的・経済的影響が大きく、厳しい財政運営が予測されますが、創意工夫を行い感染症対策と社会経済活動の回復の両立に向けた取り組みを進めてまいります。

 次に、令和元年7月から改修工事を進めてきました、甲南第一地域市民センターが、11月16日に竣工の運びとなりました。保健センターや子育て支援センターを有する複合施設の完成により、さらなる市民サービスと利便性の向上を目指してまいります。

 次に、市民環境部所管事項については、10月19日に「災害及び感染症発生時における一般廃棄物収集運搬等の支援に関する協定」の調印式を執り行いました。本協定は、災害時や感染症の拡大により、ごみの収集運搬等に支障が生じる場合にも滞りなく業務継続ができるよう、市内のごみ収集業務を委託する3社及び、滋賀県環境整備事業協同組合と業務支援協定を県内で初めて締結するものです。

 また11月6日には、県内の火葬場を管理する6市4団体による「災害時等における滋賀県斎場施設連絡協議会構成火葬場の相互応援協力に関する協定」を締結しました。これらの協定により、有事の際にも、一般廃棄物の収集運搬や火葬が円滑に行う体制が構築でき、公衆衛生の確保に大きく期待できるものであります。

 次に、健康福祉部所管事項では、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症との同時流行を防ぐため、インフルエンザ予防接種の無償化や、県の助成に市単独で上乗せし実施しています。特に高齢者においては、10月末現在で約11,600人の方がワクチン接種を受けていただき、例年の5倍となっております。

 また、11月からは身近な診療所等で、新型コロナ感染症を含む発熱患者の外来診療や検査を行える医療機関が県で指定され、医療体制の拡充が図られたところであります。

 次に、介護保険事業では、整備計画に基づきグループホームでの介護事業が水口町虫生野中央地先で、地域密着型の小規模介護事業が土山町北土山地先で開始されることとなりました。今後も、事業所等の協力を得ながら、必要な介護サービスの提供に努めてまいります。

 次に、こども政策部所管事項では、子育て支援センターで初の試みとなるオンライン子育て講座を10月29日に開催しました。乳幼児を連れての外出を控えている親子を対象に、講師からベビーマッサージや赤ちゃんとのスキンシップの取り方を学んでいただきました。

 また、6月以降中止となっていた子ども食堂は、9月末から2ケ所で再開をいただいております。スタッフの方からは、「中止の間、子ども達のことを心配していたが、やっと再開できた。これからもつながりが途切れないよう、感染対策に細心の注意を払って頑張りたい。」とのお声もいただき、市としても引き続きしっかりと支援してまいります。

 コロナ禍において、保育園等の行事にも影響が出ておりますが、運動会については、年齢ごとに時間や日を分け、参観者の人数を制限するなど様々な感染拡大防止対策を講じ、私立・公立園ともに開催ができましたことを大変うれしく思っております。

 次に、産業経済部所管事項では、9月20日に観光インフォメーションセンター「甲賀流リアル忍者館」をプレオープンし、11月21日までの2カ月間で8,051名の方にご来館いただいております。手裏剣投げなどの体験施設は感染防止のため利用を制限していましたが、しっかりと対策を講じたうえで、今月22日にグランドオープンいたしました。今後、イベント開催や、当館を起点に市内観光資源をつなぐ周遊型観光事業など、市内全域の観光誘客につながる様々な取り組みを進め、観光の産業化による地域経済の活性化を図ってまいります。

 また、この22日には、「こども水源の森サミット」と「秋のプレ植樹祭」を、全国植樹祭の植樹会場のひとつでもある「みなくち子どもの森」で開催し、リモートを含め県内外から多くの参加をいただきました。今後も引き続き全国植樹祭の成功に向けてしっかりと準備を行ってまいります。

 次に建設部所管事項につきましては、名神名阪連絡道路の早期整備実現に向けて、9月下旬から11月中旬にかけ、滋賀・三重県庁をはじめ、国土交通省、財務省、地元選出国会議員の方々に対して要望活動を行いました。

 今年度は、近畿及び中部地方整備局の予算概要に初めて本道路の位置付けが明記され、特に滋賀県では調査費の大幅な増額など着実な前進を実感いたしております。この好機を逸することなく、引き続き国、県、関係自治体、議会および民間団体との連携を強化し、早期事業化に向け、積極的な取り組みを進めてまいります。

 次に教育委員会所管事項では、幼保・小中学校再編検討協議会での協議結果について、大原学区からは10月2日に、油日学区からは10月27日に教育長に対し、報告書を提出いただきました。両委員会の皆様方には、これまで活発なご議論をいただきましたことに感謝申し上げます。この他にも、各地域で協議会が設立され、協議が進んでいると伺っており、子どもたちの確かな育ちのため、引き続き様々な角度からご検討をいただきますようお願い申し上げます。

 また、夢の学習事業では、11月7日に地域で活動のボランティアの皆様が一堂に会し、交流会が開催されました。現在約400名の地域ボランティアの皆様に参画いただき、高齢者の生きがいづくり、放課後子ども教室への学習支援など、地域のまちづくりに取り組んでいただいております。今後も多くの皆様に講座や事業開催にお力添えいただき、更なるご活躍をご期待しております。

 以上、9月定例会以降における主な市政の動きについて、ご報告させていただきました。

 それでは、本日提案いたしますのは、人事案件1件、条例案件12件、補正予算案件9件、その他案件43件の合計65件です。

 どうかよろしくご審議のうえ、ご賛同賜りますようお願い申しあげ、開会にあたりましての挨拶とさせていただきます。

令和2年11月26日 

甲賀市長 岩永裕貴