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【市長】
 皆さん、こんにちは。お忙しいところお集まりいただき、まことにありがとうございます。
 来週には、毎年恒例となっております田村神社の厄除大祭「田村まつり」が開催されます。今年は多くの方が「コロナの収束」を願われるのではないかと思います。
 2月1日には「新型コロナウイルス感染症対策室」を設置しました。ワクチンに関する業務を進めているところですが、現時点で予定しております接種体制について少し報告させていただきます。
 甲賀市での接種対象者数は、65歳以上の方が約2万6千人。16歳から64歳以下の一般の方が約5万2千人となります。
 接種方針としましては、集団接種を基本とし、現時点では水口体育館など市内の2か所に会場の設置を予定しています。
 今後、より期間の短縮を図るため、新たな集団接種会場の設置や、市内医療機関での個別接種についても可能な範囲で実施できるよう調整を進めてまいります。
 なお、高齢者の接種は約3か月間での完了を見込んでおります。
 令和2年度も残すところ、ひと月半となり、来週の2月18日に開会する3月議会定例会において、新年度予算案を含む合計39件の案件について、ご審議いただくこととなりました。
 内訳は、報告案件が3件、新年度予算案件が10件、人事案件が1件、条例改正が6件、補正予算が5件、その他案件が14件となっております。
 その中の「令和3年度一般会計当初予算案」のポイントについて説明させていただきます。
 令和3年度の一般会計当初予算は、アフターコロナを見据えた「新しい豊かさ」を追求する「オール甲賀で未来につなぐ!新しい豊かさへのスタートアップ予算」として位置付けております。
 一般会計の予算規模は、396億6千万円で、前年度比では2億3千万円の増、比率にしまして0.6%の増となっており、増加の主な要因は、新型コロナウイルス感染症対策、行政のデジタル化推進に関する経費であります。
 市民の皆様の暮らしを守ることを最優先事項とし、第1期の基本計画から進めてきました「福祉・介護」、「教育・子育て」、「経済対策」の3つテーマに、アフターコロナにおける「新しい豊かさ」の視点を加え、きめ細やかな感染症対策を実施します。
 「福祉・介護分野」では、経済状況の悪化等により、住居を喪失するおそれのある方に対し、住居及び就労機会等の確保に向けた支援を行います。
 また、新型コロナウイルス感染時に重症化率が高くなるご高齢の方の感染リスクの軽減を目的とした「移動販売モデル事業」に取り組んでいきます。
 「教育・子育て分野」では、保育園、幼稚園、小中学校等における感染拡大を防止するため、感染症予防資機材の購入や、私立保育園、放課後児童クラブなどへの支援を行います。
 また、「支援対象児童等見守り強化事業補助」では、子どもの見守り機会の減少による児童虐待等の増加を防止する事業に対し支援してまいります。
 「経済対策分野」では、新しい生活様式に対応した事業活動による市内経済の活性化を図るため、テレワークなど、新たな生活様式に対応した住環境整備にかかる費用に対し補助することで、都市部から地方への移住を促進します。
 また、新業態による事業への支援として、市内でテイクアウト・デリバリーが定着するよう、また市内飲食事業者等が実施するイベントを支援するとともに、店舗でのキャッシュレス決済の導入に必要な資機材の整備や手数料に対しましても補助制度を設けます。
 農業分野におきましては、スマート農業の実証実験を重ね、農作業の省力化や効率化等により、魅力ある次世代農業につなげてまいります。
 次に、地域の課題解決や、行政サービスの質の向上と事務の効率化を目的としたICT技術を活用したデジタル化の取組みについて説明します。
 「スマートシティ推進事業」では、県及び県内市町と共同で電子申請システムを導入し、ICTを活用した市民サービスの向上に取り組んでまいります。例えば、転入や転出に伴う各種届出、住民票など証明書の請求のほか、行事の申込みなどこれまで電話、FAX、郵送で受付している手続きをオンラインで行えるシステムを想定しております。
 また、外国人の方が安心して相談できる環境を整備するため、タブレットを活用した多言語による通訳システムを導入してまいります。
 さらには、区・自治会などの地域コミュニティでのデジタル化を推進するための調査等を行います。
 その他の主な事業としましては、議会関係では、これまでの本会議の中継に加え、各委員会の中継を実施します。
 福祉分野では、障がい者等の就農の促進と農業の担い手不足の両面の解消を目的とする「農福連携」を活用した農産物の付加価値の向上や販路拡大等に取り組みます。
 商工、労働分野では、起業したい女性や起業後の事業継続等にお悩みの女性を対象とした専門家によるオンライン相談や、就職氷河期世代の方を対象とした就労支援等に取り組んでまいります。
 また、市内企業や事業所に正規雇用され、市内に居住される方に対し、奨学金返還を市が支援することで、市外の若者の移住、定住、Uターン、Iターンを促進してまいります。
 観光分野では、老朽化が進む「道の駅あいの土山」の再整備に向けて基本設計業務に着手してまいります。
 教育分野では、2022年度から全国で本格導入される見通しの教科担任制を、貴生川小学校の5・6年生で導入することとします。より効果的なあり方について実証研究を進め、児童の学力向上を図ってまいります。
 先月にも紹介させていただきました「アール・ブリュット」につきましては、来年度に開催される「信楽まちなか芸術祭」とタイアップするなど、市内全域を文化・芸術で彩るアール・ブリュット事業に取り組んでまいります。
 なお、歳入につきましては、新型コロナの影響による収入の減少や、軽減措置などにより、市民税や固定資産税などが前年度よりも減収となっております。特に法人市民税では、前年度を44%下回る7億2,900万円を計上いたしました。市税全体では、対前年度比6.3%減となっております。
 令和3年度一般会計当初予算の主な事業についての説明は以上でございますが、3月議会提案議案のひとつに、副市長の選任につき同意を求める議案を提出しております。議案第12号になります。任期は令和3年3月1日から4年間であります。
 最後に、本市のスマートシティ推進事業におきまして、近日開始するサービスついて3点報告させていただきます。
 まず1点目は、コミュニティバス関連です。バスの運行情報をリアルタイムで提供するバスロケーションシステムを3月1日から運用開始します。
 3月1日には、国や県からも関係者をお招きし、貴生川駅で運用開始式を予定していますので、各社の皆様方には、是非ともご取材いただきますようお願い申しあげます。
 2点目は、市役所での手続きや制度について、またゴミの分別方法などに関する質問をいつでも気軽に、パソコンやスマートフォンからお問合せいただけるよう、AIチャットボットシステムの運用を開始します。こちらも3月1日から運用を開始いたします。
 市の基本的な情報となりますが、24時間ご利用できますので、多くの市民の皆様にご利用いただければと思います。
 3点目は、窓口の混雑状況をリアルタイムに伝える「混雑ランプ」の導入です。こちらは2月15日から運用を開始します。来庁時間をずらしていただいたり、混雑していない市民センターを選択していただいたり、少しでも3密を避けた行動の参考としていただければと思います。
 それぞれの詳細については各担当から説明させていただきます。私からは以上です。どうぞよろしくお願いします。

〇情報提供(各担当より)
(1)令和3年 第2回甲賀市議会定例会(3月定例会)提出議案について
(2)近日サービス開始予定のスマートシティ推進事業について
 ・甲賀市コミュニティバスロケーションシステムの運用開始
 ・AIチャットボットシステムの運用開始
 ・窓口の混雑状況をリアルタイムに伝える「混雑ランプ」の導入

○質疑応答
《記者》
 税収が落ち込みますが、財政状況をどのように受け止めているのでしょうか。
【市長】
 税収の減については厳しいと受け止めております。減収は、背景であります雇用問題などが表面化したもので、その部分に対するきめ細やかな歳出予算を計上する必要があることから、財政的にも厳しくなります。十分ではありませんが交付金等を活用して予算編成しました。また、将来のことも考え財政調整基金の確保もできております。
《記者》
 将来的なことを踏まえた予算編成ということでしょうか。
【市長】
 リーマンショックのように一度落ち込んだ経済の回復には時間がかかりますので、中長期的な財政を視野に入れながらも、投資すべきところはしていく必要があると考えております。
《記者》
 取捨選択を強いられた場面もあったと思いますが、断念したことはありますでしょうか。
【市長】
 本市においては、大規模なハード事業はコロナ以前に完了しておりましたので、特に大きな事業を断念したものはありませんが、庁舎内の経費などの削減は行いました。
《記者》
 法人市民税の落ち込みの理由は何でしょうか。
【市長】
 工業団地も多く、製造業に税収を依存している部分も多い中、主要な事業所に来年度の見通しをヒアリングさせていただきながら判断しております。売上の減少が大きく響いてくるであろうと考えております。
(担当)
 主要な事業所への聞き取りのほか、さらには国の示す地方財政計画を一定の根拠として採用しております。大きな事業所があるということは、コロナの影響が出るものと見込み、財政運営の性質上、楽観的な予測は控えたいという中で積算しているものです。
《記者》
 一方でふるさと納税は増額となっておりますが、今年度に補正で増額された額よりさらに増額となっているのでしょうか。
【市長】
 今年度予算は、当初予算が2億円のところ、補正で2億円増額し4億円としました。来年度は当初から4億円とするものです。
《記者》
 ふるさと納税の増額となる原因は何でしょうか。
【市長】
 ネットでの売上が増加しております。スカーレットの効果が出ているのも明らかですが、ポータルサイトなどでの入口戦略も功を奏したと考えております。
《記者》
 甲賀病院で2回目のクラスターが発生しましたが、1回目の教訓は活かされていたのでしょうか。
【市長】
 前回、限定の病棟であるので、外来は安心して来ていただきたいと言いましたが、2回目が発生しました。現在、厚労省による原因調査中ですが、これ以上拡大しないよう努めているところです。やはり対策が足りないのかもしれません。やり過ぎるくらいの対策が必要と考えております。
《記者》
 外来の方に本当に安心と思ってもらうための対策はあるのでしょうか。
【市長】
 ハード面等の対策で「安全」の確保はできますが、「安心」については、信頼回復をしていく必要があると考えております。今後は感染対策の見える化に加え、これからのワクチンの接種おいて信頼を回復できるよう、湖南市、甲賀市の両市で取り組んでまいります。
《記者》
 新型コロナウイルス感染症対策室の人事の発表のあり方が疑問です。以前の選挙の公民権停止の関係についても、その原因となった自治体名の公表がありませんでした。選挙の白票問題があったが、体質が変わっていないのではないのでしょうか。
【市長】
 これまでどおりのルールの中で対応をしたと聞いており、悪意はなかったと思いますが、隠蔽体質とも捉えられかねないケースですので、今後はルールを改善していきます。また選挙公民権の関係では、先方の自治体から公表しないでほしいという申し出があったため、こちらだけでの判断ができず難しい対応となりました。このようなケースも全国的に統一した対応ができるよう検討が必要と考えております。今後もご指摘をいただければありがたいと思っております。
《記者》
 悪意は無いとは思うが、体質は変わっていないと思いますので、今後改善していただきたいと思います。
【市長】
 行政には深く考えずに前例や慣例に基づくことが多いと感じております。良い面もあるが、悪い面は改善していきます。ご指摘いただきありがとうございました。
《記者》
 数年前の知事合意で凍結となった大戸川ダムが動きかけておりますが、どのようなご感想をお持ちでしょうか。
【市長】
 近年の台風でも、信楽地域で河川が氾濫しました。この水防対策については、ダムが凍結している間は、下流の大津市から行われる河川整備を長い間待つことになり、市内のダムありきの河川整備は止まっておりました。このダムの計画が動くことでダムを起点とした河川整備計画ができることとなりありがたいことと思っております。
《記者》
 治水効果があり、台風による水没被害も軽減できるということでしょうか。
【市長】
 ダム自体の治水効果は下流側になりますが、間接的に上流域の治水も進むと考えております。
《記者》
 ワクチン接種にかかる医師や看護師の人員確保はできているでしょうか。
【市長】
 ワクチン接種の人員確保は、県内どの自治体も共通の課題で、本日、市長会から知事に支援の要望を行います。
(担当)
 医療機関からは医師と看護職の派遣について、協力的な回答をいただいております。さらにハローワークにも依頼しております。不足する場合は、国の派遣の制度を利用したいと考えております。
《記者》
 12人前後を目標と聞いているが、現時点でどれくらい確保できているでしょうか。
(担当)
 現時点では、ハローワークの方では7,8人の申し込みがあったと聞いております。また、看護師のつながりの中でも声掛けをしていただいており、概ね集まると見込んでおります。
【市長】
 冷凍庫は、最初は2台ですが、最終的に6台になる見込みで、会場が増えることで必要人員も増えます。スタート時だけでなく長期的に人員確保が必要となってきます。
《記者》
 先日、政党機関紙の庁舎内での斡旋販売を不許可とされましたが、そのポイントを教えていただけますでしょうか。
【市長】
 政党関係なく、個人的な購入を認めないということです。
《記者》
 市議会議員が勧誘することが圧力になっているということはあったのでしょうか。
【市長】
 個人によってそのような要素や感じ方はあったかもしれないが、それ以前の問題として判断したものです。
《記者》
 歳入予算の内、国県のコロナに関する支出額等はわかりますでしょうか。
(担当)
 令和3年度につきましては、現時点では国の予算が明らかになっておりませんので、計上しておりません。
【市長】
 国の予算が可決されてから、補正対応することとなります。
《記者》
 副市長は再任ということですが、やはり余人をもって代えがたいのでしょうか。
【市長】
 ワクチン関係、また全国植樹祭など大事な時期に事務の要として、引き続き頑張っていただきたいと思います。


                                                 以上