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令和3年第5回甲賀市議会定例会(9月) 市長開会挨拶

 

  皆様、おはようございます。

 本日ここに、令和3年第5回甲賀市議会定例会が開会されるにあたり、提案いたします議案のご審議を願うに先立ち、議長のお許しをいただきましたので、お時間を頂戴しご挨拶を申し上げます。

 例年であれば、お盆の時期は厳しい残暑が続いているところですが、今月13日からは梅雨の末期に逆戻りしたかのように長期間にわたる雨により各地で記録的な豪雨となり、災害が発生いたしております。本市におきましても土砂崩れなどが発生しましたが、幸い人命に関わるものは発生しておらず、今後は早期の復旧に向けた取り組みを進めてまいります。頻発する気候の異変に改めて強く危機感を感じたところであります。引き続き庁内の連携のもとに市民皆様の安全確保のため万全の備えを取ってまいります。

 さて、全国では都市部を中心に感染力の強い変異株であるデルタ株が猛威を振るっております。滋賀県の新規感染者も8月以降急増しており、本市でも増加傾向にあります。このことから国は8月8日より8月31日までの間、滋賀県に対し「まん延防止等重点措置」の適用を決定されました。これを受け県では、対策レベルを最高の「特別警戒ステージ4」に引き上げるとともに、本市を含む県内13市を重点措置の区域として指定し、飲食店等の営業時間の短縮や酒類の提供停止、不要不急の都道府県間の移動自粛、イベントの開催制限などを要請されております。

 県の決定を受け本市では、去る6日に対策本部会議を開催し、本市のリスクレベルを「レベル2警戒」から「レベル3厳重警戒」に引き上げ、この期間中の必要な対策として公共施設の開館時間短縮や、午後8時以降の市主催の会議やイベントの延期又は中止、夜間の地域主催行事等の自粛を決定し、市民の皆様にご協力をお願いしたところであります。

 既にご承知のとおり、デルタ株の急拡大による感染者増が、お盆期間も続いたことなどから、国は現在のまん延防止等重点措置を9月12日まで延長することとされております。

 本市のワクチン接種の状況につきましては、まず、甲賀市全体の接種率等については、8月21日現在で1回目を接種された方が40,675人で対象者の50.1%、2回目を接種された方が36,849人で対象者の45.4%となっております。

 その内訳として、65歳以上の高齢者の方で、2回の接種を完了された方は、23,244人で対象者の91.5%となっており、接種を希望された高齢者の方への接種は計画どおり完了いたしております。

 64歳以下の方への接種については、1回目を接種された方が17,187人で対象者の30.8%、2回目を接種された方が13,605人で対象者の24.4%となっております。国からのワクチン供給が現在大幅に制限されている状況ではありますが、供給量に合わせ柔軟に対応できるよう体制を整え、希望される方全てが早期に接種いただけるよう引き続き努めてまいります。

 

 コロナ禍で困難な状況が続いている中、明るい話題として、本市を主会場とする「第72回全国植樹祭」の開催日が、令和4年6月5日に正式決定いたしました。この決定に合わせ、滋賀中央森林組合様からは、開催日までの日数をお知らせするカウントダウンボードを甲賀市産木材で作成いただき、ご寄贈いただけると聞いております。市役所内の全国植樹祭特設コーナーに設置し、広くPRに活用させていただきます。開催まで残り9カ月、「第72回全国植樹祭甲賀市推進協議会」を中心にオール甲賀による取り組みを加速し、大会開催後、本市の森林保全、林業の振興につながる意義深い大会となるよう努めてまいります。

 また、7月29日には「スカーレット」で、ヒロインの幼なじみ役を演じられた林遣都さんと大島優子さんがご結婚されるというニュースが飛び込んできました。お二人のご結婚に大変驚くとともに、本市が縁結びの舞台になったことをこの上なく嬉しく思い、落ち着きましたら、ぜひお二人で夫婦茶碗を作りに本市までお越しいただきたいとコメントも出させていただきました。

 

 さて、9月議会は、前年度の決算をご審議いただく議会でもあります。このことから、本議会に提案いたしました令和2年度一般会計の決算概要について申し上げます。

 令和2年度は、第2次甲賀市総合計画、第1期基本計画の最終年度として、これまでの取り組みをベースとし、本市の未来像である「いつもの暮らしに『しあわせ』を感じるまち」の実現のため、「子育て・教育」「地域経済」「福祉・介護」の3つのテーマを基軸に、10のプロジェクトを重点施策として位置づけ、取り組みを進めてまいりました。

 また、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行に対し、感染拡大の防止を図るとともに、特別定額給付金の給付をはじめ、子育て世帯への支援や教育環境の整備、中小企業や個人事業主等への支援や経済対策、医療体制の確保や生活困窮者へのきめ細やかな支援などに取り組んだことから、決算規模としては、歳入歳出ともに過去最大となったものであります。

 決算規模が最大となる一方、財政健全化法に基づく指標では、実質公債費比率が6.9パーセントと、前年度に比べ1.1ポイントの改善となり、また、将来負担比率では56.1パーセントと、前年度に比べ9.5ポイントの大幅な改善がみられました。これは、臨時財政対策債や合併特例事業債など交付税措置が手厚い有利な地方債を優先して活用したことや、国・県の補助金確保等に努めてきた成果であると考えております。

 加えて、公営企業会計や甲賀広域行政組合、公立甲賀病院組合での起債償還が進んだことから、いずれも早期健全化基準を大きく下回り、算定を始めた平成19年度決算分から最も改善が進んだ数値となりました。

 今後も健全な財政運営を維持していくために、中長期的な視点に立ち、事業の選択と集中に取り組み、一層の財源確保や経費の削減、業務の効率化などに努めてまいります。

 それでは、6月定例会以降における市政の主な動きにつきましてご報告申し上げます。

 

 まず、総合政策部所管事項では、7月27日に令和4年度に向けた国・県の施策に対する本市の重点項目について、県知事、副知事、県議会議長に直接要望をさせていただきました。当日は、富田県議会議長と橋本市議会議長にご同行いただき、名神名阪連絡道路の整備促進や鉄道ネットワークの充実をはじめ、観光・産業振興や教育・文化に関わる要望事項について説明し、知事にご理解をいただいたところです。

 また、地域のリーダーである区・自治会長、自治振興会長の皆様と、新型コロナワクチンの接種状況、コロナ禍における地域活動や避難行動などをテーマに意見交換会を7月27日から順次開催しております。皆様からは、コロナ禍において地域行事の開催が大変難しいことや、防災や避難所等に関するご質問、ご意見をはじめ、高齢化が進み河川等の除草作業が年々難しくなっている現状についてもお聞きしました。県や近隣自治体、各種団体や機関が連携し、課題に向けた仕組みを作っていく必要性を痛感したところであります。

 

 次に、健康福祉部所管事項では、7月16日に大塚製薬株式会社との健康づくりの推進に関する連携協定を締結させていただきました。これまでの研究開発などで得られた知見を、本市の、熱中症予防、スポーツを通じた健康増進、食を通じた健康づくり、災害時における支援など6項目の分野で活かしていただくこととなります。協定の締結後には早々に、新型コロナのワクチン接種会場における飲料水、熱中症対策啓発ポスター、チラシの提供などをいただいたところです。

 また、東京2020オリピック・パラリンピックを契機とした共生社会実現に向けた取り組みとして、7月14日と17日に水口地域と信楽地域において道路の段差、優先駐車場の整備状況、多機能トイレなどの点検を車いすの利用者や障がいのある方に参加いただき実施いたしました。今回の点検結果をもとにバリアフリーマップの作成や研修などに取り組み、年齢や障がいの有無に関係なく、全ての市民が互いに理解・尊重し、共に生き支え合いながら、安心して暮らせる地域社会の実現を目指してまいります。

 

 次に、こども政策部所管事項では、0歳から2歳までの保育ニーズに応えるため水口地域において、小規模保育事業所2ケ所、家庭的保育事業所1ケ所を開所し、それぞれに特色ある保育を実践いただいております。待機児童数につきましては、現在進めております認定こども園の整備や新たに整備予定の小規模保育事業所により、来年度には解消ができるものと考えており、引き続き保護者のニーズに応えられるよう取り組んでまいります。

 また、8月1日に保育士等の人材確保対策として私立園を対象に就職フェアを開催しました。本年度は学生や現役の保育士など44人の参加があり、各園から特色や保育・教育方針等の紹介が行われ、参加者からは園の特色がよくわかり、保育の様子も感じられたとの感想が寄せられました。今後におきましても、さまざまな機会を通じて保育人材の確保に努めてまいります。

 

 続いて、産業経済部所管事項におきまして商工分野では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた地域の商工業事業者の皆様への支援を目的とする「地域経済応援クーポン券2021」を、9月1日からご利用いただけるよう、7月から市内全世帯に配布をしております。

 本年度は、家族の人数に応じた配布を行い、また、ご利用いただける市内店舗についても、現時点で、昨年度を超える505店舗に登録をいただいております。市民の皆様とともに地域経済の好循環を生み出すため、1枚でも多くご利用いただくよう、商工会とも連携しながらPRに努めてまいります。

 次に、農業分野では、本年の水稲の生育状況は、民間調査機関によると、7月末時点での収穫予想では、全国的な生育は概ね順調で、全国の作況指数は102、滋賀県は99となっており「やや良」になると予測されています。早稲の品種では、市内でも収穫が始まろうとしており、全ての水田で順調な収穫を願うものであります。 

 また、今年度から新たに推進している「スマート農業」では、耕作放棄地解消を目的に活動されている農業法人に、ラジコン式草刈り機や病害虫の防除用ドローンの実証事業を行っていただいており、作業の省力化を検証し、市内農家に普及等を図っていきたいと考えています。

 

 次に、建設部所管事項におきまして、大戸川ダム関連では、去る8月6日に、関係6府県の知事意見を踏まえ、変更の淀川水系河川整備計画が策定され、近畿地方整備局から公表されました。

 今回の変更では、流域人口1,100万人の命を守る治水対策を進めるため、淀川水系流域治水プロジェクトの見直しが行われ、具体的な時期は検討段階ではあるものの、大戸川ダムの本体工事の実施について明記されました。このことは大きな前進であり、大戸川ダムを起点とした大戸川上流域の河川整備促進に向け、市としましても一日も早い本体工事の事業着手及び淀川水系信楽・大津圏域河川整備計画の見直しについて、国や県に対し一層の働きかけを行ってまいる所存であります

 また、名神名阪連絡道路につきましても、7月15日付けで公表されました「近畿ブロック新広域道路交通ビジョン・計画」に「計画路線である高規格道路」として位置づけられた上で明記されました。なお、中部ブロックの同計画にも令和3年3月に本道路が同様に位置づけられており、引き続き、重要物流道路へ追加指定されるよう求めてまいります。

 続いて、上下水道部所管事項では、下水道審議会に諮問させていただいた下水道使用料の改定について、来る27日に下水道審議会の正副会長様より、答申をお受けする運びとなりました。委員の皆様には幾度となく審議会を開催いただき、慎重にご審議をいただき誠にありがとうございました。答申いただきました内容をしっかりと尊重しながら、本市下水道事業の一層の健全経営に努めまいります。

 

 最後に教育委員会事務局所管事項では、中学校における運動部活動の集大成となる夏季総合体育大会の県大会や近畿大会が、今年度は感染対策を講じながら開催されました。また、今月17日から開催された全国大会では、本市から陸上競技、体操競技、水泳競技に3名の選手が出場され、健闘いただきました。

 8月8日に閉幕した東京2020オリンピック競技大会では、連日各競技の熱戦が繰り広げられました。ライフル射撃競技に出場の山田聡子選手も、日本代表としてご健闘いただき、市民をはじめ多くの方々に勇気を与えていただけたと思います、大変お疲れ様でした。

 また、明日24日からは、東京2020パラリンピック競技大会が開催されます。本市からは、トライアスロン競技に宇田選手が、マラソンに藤井選手が出場され、大会でのご活躍を期待しておりますとともに、ホストタウンであるシンガポールチームも含め、オール甲賀で応援したいと考えております。

 また、開会に先立ち今月13日にはパラリンピック聖火の採火式が水口町三大寺の飯道寺で執り行われました。採火した火は、15日に県内3ケ所で採火された火とともに県立平和祈念館にて滋賀県の火と合流し、東京での集火式へ届けられました。本市で採火された火が、パラリンピックを見届ける聖火になることを、たいへん光栄に感じております。

 以上、6月定例会以降における主な市政の動きについて、ご報告させていただきました。

 さて、令和元年7月より、総務省から本市に出向いただいている大橋理事が8月31日をもってその任期を終えられます。この間、保育園へのICT導入やバスロケーションシステム、公共施設のインターネット予約、AIチャットボット、学校現場へのタブレットの導入、また、現在進めているICT推進ビジョンの策定など、Society5.0時代に向けた本市のICT施策の基礎を構築いただきました。また、新型コロナ対策におきましても、定額給付金事務では電算システムの準備から市民対応まで最前線で奔走いただき、ワクチン接種の体制づくりでも陣頭指揮をいただくなど、市が直面する喫緊の課題にも多くの成果をあげていただきました。 

 心から感謝申し上げます。基礎自治体での経験を活かし、総務省においても大いにご活躍されますとこを心からお祈り申し上げます。

 

 それでは、本日提案いたしますのは、報告案件10件、決算案件10件、人事案件8件、補正予算案件5件、その他案件2件の合計35件です。

 よろしくご審議のうえ、ご賛同賜りますようお願い申しあげ、開会にあたりましての挨拶とさせていただきます。

 

  令和3年8月23日

  甲賀市長 岩永裕貴