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令和3年 第7回 甲賀市議会定例会(12月)市長開会挨拶

  皆様おはようございます。

 木枯らしに吹かれる落ち葉に、冬の訪れを感じる季節となりました。

 本日ここに、令和3年第7回甲賀市議会定例会を開催されるにあたり、議長のお許しを頂きましたので、ご挨拶を申し上げます。

 さて、去る10月31日に投開票の衆議院議員選挙を受け、第206回特別国会が今月10日に召集され、第2次岸田内閣が発足いたしました。

 長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により、国の経済が依然として厳しい状況が続く中、「成長と分配の好循環」を実現するため、去る19日の臨時閣議において財政支出が過去最大となる55兆7千億円の経済対策が決定されたところであります。この新たな経済対策では、「新型コロナの感染拡大防止」、「『ウィズコロナ』のもとでの経済活動の再開と次なる危機への備え」、「未来を切り開く『新しい資本主義』の起動」「国民の安全・安心の確保」を柱に据え、コロナ禍で打撃を受けた個人や事業者への給付金をはじめ、Goto事業の再開、急騰する原油価格の対策、国産ワクチンの研究開発・生産体制の強化、保育士・介護職等の賃上げ、マイナンバーカードへのポイント付与、子育て世帯への支援策などが盛り込まれております。

 また、政府は26日の閣議決定において、新たな経済対策の裏付けとなる補正予算案の追加歳出を一般会計で約36兆円とし、うち新たな経済対策分として

31兆6千億円を、また、地方交付税交付金として3兆5千億円を追加するとされました。

 政府から新たな経済対策が示されたことにより、今後、経済回復に向けた出口戦略が本格化することから、国・県の動向に注視をしながら情報収集に努め、時機を逸することなく必要な対策を進めなければなりません。

 そうした中、現在、編成作業を行っております本市の令和4年度予算つきましては、その基本的な考え方を、第2次甲賀市総合計画第2期基本計画の趣旨を踏まえ、これまでより注力してきました3つのテーマ「子育て・教育」「地域経済」「福祉・介護」に沿った事業をさらに進化をさせるとともに、アフターコロナを見据えた「新しい豊かさ」によるまちづくりを着実に推進するとしています。

 この「新しい豊かさ」への挑戦を軸に、総合計画に掲げる目標人口の達成、新型コロナへの対応、カーボンニュートラルの推進、デジタルトランスフォーメーションの推進、公民連携の推進、市民との対話を通じた合意形成による事業の再構築などを着実に進めるとともに、本年9月に策定しました中長期財政計画に基づき健全な財政運営を堅持することを予算編成方針として、只今取り組んでいるところであります。

 私ども、基礎自治体は、国・県など広域的な行政では見えてこない、市民一人ひとりの生活の現場をお預かりしており、新型コロナが再拡大するような事態となっても、医療現場、また、地域経済の下支えを図りながら、健康、福祉、教育など市民皆様の暮らしを守るため万全の対策を期するとともに、本市の10年後、20年後を見据え、今取り組むべき課題に挑んでいくことが重要であると考えております。

 さて、医療関係者の皆様をはじめ、多くの市民の皆様のご理解ご協力のもとオール甲賀市役所で進めてまいりました、新型コロナワクチン接種については11月25日現在で、12歳以上の対象者のうち1回目の接種者数は70,701人で87.3%、2回目の接種者数は69,263人で85.5%となっており接種を希望される方への集団接種は、先週の27日で終了をさせて頂きました。第5波が収束した要因の一つと考えられるワクチン接種が当初は混乱のあったものの大きく進んだことに改めて深く感謝申し上げます。

 3回目の追加接種につきましては、2回目の接種完了から概ね8か月後とされていますので、まずは医療従事者への接種を年内12月から開始する予定です。また、年明けの1月からは高齢者施設の入所者や施設従事者への接種を始め、続いて高齢者や基礎疾患のある方、一般の方へと順次接種を行えるよう、現在、準備を進めております。3回目の接種が予約段階で混乱を招かないよう、これまでの経験を踏まえしっかりと体制を確保し、進めてまいりますので、引き続き、皆様のご協力を賜りますようお願いいたします。

 感染状況につきましては、県内では新規感染者がゼロとなる日も多くなり、警戒レベルの引き下げや制限の解除が実施されてきたところであります。市内各地では、長らく開催が見送られてきた文化祭やスポーツ大会、マルシェなどの各種イベントが感染対策をとりながら少しずつ再開されてきており、私もお招きを頂くことがずいぶんと増えてまいりました。

 イベント会場では市民の方々からお声がけを頂き、私自身も元気を頂くとともに、改めて市民皆様と直接対話することの大切さを再認識いたしております。また、かねてよりまちづくりは行政だけで出来るものではないと申し上げてきており、市民の皆様や各種団体による主体的な市民活動が本市の活力の源であることを痛感したところです。

 人々がつどい賑わいのあるまちづくりのために、コロナに負けることなく、知恵と工夫で活動を頂いております皆様方に心より感謝申し上げるところであります。

 それでは、9月定例会以降における市政の主な動きにつきましてご報告申し上げます。

 まず、総合政策部所管事項では、東京2020パラリンピックのトライアスロン競技において見事銀メダル獲得の快挙を成し遂げられ、市民の皆様に明るい希望と深い感動を与えていただいた宇田秀生様に対し、本市第一号となる市民栄誉賞を10月25日に贈呈いたしました。宇田選手のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。

 本市の教育振興にかかる基本方針となる甲賀市教育大綱につきましては、総合計画を上位計画として策定していることから、本年3月に策定の市総合計画第2期基本計画の方向性に沿う内容とするため、10月に改訂を行いました。

 また、かねてより検討を進めてきました本市のデジタル化の指針となります「甲賀市ICT推進ビジョン」を新たに策定したところであり、少子高齢化時代に多様化する市民ニーズに応え、効率的で便利さを実感いただけるデジタル社会の実現に取り組んでまいります。

 次に総務部所管事項では、昨年6月に工事着手しました土山開発センターが、12月15日に竣工の運びとなりました。このセンターには大集会室、会議室、調理室を配置し、貸館だけでなく災害時には指定緊急避難場所として活用することが可能となっております。来年1月8日に竣工披露式を開催し、その翌日から利用を開始する予定です。

 次に、市民環境部所管事項では、新型コロナの感染拡大に起因する人権問題について「甲賀市人権に関する総合計画」の改訂や、持続可能な社会の実現に向け、環境の保全と創出に関する施策を総合的かつ計画的に進めるために「第2次甲賀市環境基本計画」の改訂を行ったところです。

 去る、11月13日に閉会したCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)においても、気候変動の悪影響を回避するうえで2030年までの取り組みが重要であるとされており、来年6月に本市を主会場に開催される全国植樹祭を契機に、豊かな森林環境を活かしたカーボンニュートラルを視野に入れた、本市ならではの温暖化対策に取り組んでまいります。

 次に、健康福祉部所管事項では、新型コロナの感染拡大により、さらに多様化・複雑化する地域福祉の課題に対応するため、「第2次 甲賀市地域福祉計画」の改訂を行いました。新たに「重層的支援体制整備事業」 「成年後見制度の利用促進」 「再犯防止の推進」及び「新しい豊かさの追求」を盛り込み、地域共生社会の実現を目指した計画となっております。本計画を基に、誰もが役割を持ち、互いの存在を認め、そして支え合うことで、孤立することなく、その人らしい暮らしが守られる地域社会の実現に向け取り組みを進めます。

 出産後の母子に対する心身のケアや、育児サポートを目的とした産後ケア事業におきましては、9月から訪問型サービスと新たに宿泊型、日帰り型のサービスを設け、育児に不安のある方が安心して子育てができるよう充実を図りました。

 本年度も敬老の日を迎えるにあたり100歳以上の54名の方に敬老祝金を、節目の年齢となる88歳、99歳の方に記念品をお渡し、長寿をお祝いしました。私も市内で最高齢となられる107歳の方にお出会いをさせて頂き、ご家族の皆様と一緒にお祝いし、さらなる高齢者福祉の充実をお誓いしたところです。

 次にこども政策部所管事項では、「甲賀市すまいる・あくしょん取り組み宣言」を9月15日に行いました。この宣言は、滋賀県が主催の「社会全体で子どもたちが笑顔で育ち、遊び、学べる環境づくり」を推進するため、コロナ禍の子どもの声から生まれたものです。「子どもたちの笑顔を守ろう」をテーマに、子どもたちはもとより、子どもに関わる全ての方が笑顔となれる甲賀市を目指してまいります。

 また、ひとり親や非課税世帯など、低所得の子育て世帯への市独自の支援策として、先の臨時議会でお認めいただいた「子育て世帯くらし応援特別給付金」の給付を12月13日に予定しております。何かと出費の多い年末年始に、少しでもゆとりと安心を持って頂くことを願っております。

 次に、産業経済部所管事項について、商工関係では、本市独自の新型コロナへの臨時経済対策であります「地域経済応援クーポン券事業」では、昨年度を上回る市内517店舗でご登録をいただき、9月から利用を開始しております。現在、市内全世帯に配布しましたクーポン券の約3分の1に当る20万枚をご利用頂いておりますが、ご利用が地域経済の好循環につながりますので、期限内に是非ご利用を頂きますようお願いします。

 観光関係では、11月22日に「甲賀流リアル忍者館」が開館1周年を迎えたことを記念し、11月6日には水口社会福祉センターなどで第13回甲賀流忍者検定を、また、27日にはリアル忍者館にて滋賀県の戦国キャンペーンと連携し、墨絵師の御歌頭氏による甲賀流忍者をモチーフにした墨絵ライブなどのイベントを開催いたしました。これまで大規模な集客イベント等の開催が叶いませんでしたが、今後は感染状況も注視しながら施設を活用したイベントや周遊ツアー等を企画し、地域の活性化を図ってまいります。

 農業関係では、第73回関西茶業振興大会が11月6日に奈良県で開催され、来年度の第74回大会が本市で開催されることが正式に決定されました。今大会の品評会では、コロナ禍により出品茶の摘採が困難を極めたために、本市からの出品は3点に留まり、残念ながら上位に入賞することは叶いませんでした。次回の大会では、甲賀の茶のさらなる振興を図るため、上位入賞を目指し、関係団体とともに一丸となり取り組んでまいります。

 林業関係では、先週27日には全国植樹祭の主会場である鹿深夢の森において、三日月滋賀県知事とともに「200日前イベント」に参加しました。当日は、植樹体験などによる全国植樹祭のPRだけでなく、木の良さや森林の役割についても理解を深めていただく機会となりました。引き続き、植樹祭の成功に向け全国からお越しいただく参加者の皆様へのおもてなしを万全にできるよう、また、森林整備や木材利用につながる大会となるよう準備に進めてまいります。

 続いて、建設部所管事項について、名神名阪連絡道路では、国が定める「新広域道路交通ビジョン・計画」を基にした重要物流道路への確実な指定や、本道路の早期実現に向け、11月17日に国土交通省並びに滋賀県及び三重県の地元選出国会議員への中央要望を行いました。また、来年1月13日には大津市内で「建設促進大会」の開催も予定しており、引き続き国、県、関係自治体、議会及び民間団体の皆様方との連携を強化し、早期の事業化に向け積極的な取り組みを進めてまいります。

 現在、市内では甲賀・湖南の両市民約1300人の顔写真でラッピングを施したバスが11月から運行をいただいております。これは水口青年会議所の皆さんが企画されたもので、写真にはコロナ禍の自粛ムードが終わったらやってみたいことが紹介されており、バスの利用促進と地域の活性化につながることを期待しております。

 続いて、上下水道部所管事項では、去る10月2日に和歌山市で発生いたしました水管橋崩落事故にする給水活動に、職員3名を10月6日から11日まで派遣しました。全国的に水道施設の老朽化が課題となっている中、改めて計画的な設備更新の必要性を痛感したところです。

 最後に、教育委員会事務局所管事項では、2025年に滋賀県で開催される「第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会」の甲賀市準備委員会設立発起人会を11月25日に開催いたしました。国民スポーツ大会は、昭和56年に本県で開催された「びわこ国体」以来、実に44年ぶり2回目の開催となります。本市では、9つの競技が実施予定であり、恵まれた自然や歴史・産業・文化を全国へアピールする絶好の機会であることから、市民・関係団体・議会・行政からなる甲賀市準備委員会を設立し、多くの皆さまのお力添えを頂きながらオール甲賀で取り組んでまいります。

 文化・芸術関連では、アール・ブリュット作品を活用した魅力発信事業において、櫟野寺の秋の特別拝観に合わせ、「やまなみ工房」で活動する17名のアーティストの作品展示を行い、多くの皆様に「湧き上がる芸術」の素晴らしさを感じて頂きました。

 また、廃校となった小学校で使われていたピアノに、やまなみ工房のアーティスト作品によるラッピングを行い、ストリートピアノとして、陶芸の森産業展示館に設置いたしました。一般の来場者にも弾いていただくほか、プロの演奏家によるライブ等も行なわれており、日々の暮らしの中にアートを感じていただけるものと期待しております。

 以上、直近の主な市政の取り組みについての報告とさせて頂きます。

 それでは、本日、提案いたしますのは、人事案件2件、条例案件6件、補正予算案件8件、その他案件3件の合計19件でございます。

 よろしくご審議のうえ、ご決定賜りますようお願い申しあげます。

   令和3年11月29日         甲賀市長 岩永裕貴