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令和4年7月7日 市長記者会見

〇あいさつ・情報提供

【市長】

 皆さんこんにちは。

 大変暑い中、本日お集まりをいただき誠にありがとうございます。

ご承知の通り、例年になく早い梅雨明けとなりまして、大変厳しい暑さが続いております。こうした中で新型コロナ感染症におきましても、新たに第7波ということが報道で報じられているところではありますが、この暑さにより熱中症患者も先週あたりから甲賀市内でも急増しております。

 しっかりと状況に応じて、マスクの脱着に注意していただきながら、この熱中症に対しても広く市民の皆様方に呼びかけていきたいと考えております。

 去る6月5日の全国植樹祭については、本当に天候に恵まれた中で、無事に開催させていただきました。多くの皆様方からも非常に良い大会であったとのお言葉もいただき、これをレガシーとして残していくために、本市では本年を環境元年と位置付けた施策を前に進めて参りたいと考えております。

 来月中ぐらいには宣言をさせていただく予定もしておりますので、その際にはまたご案内を申しあげたいと思います。ぜひ取材をしていただければ大変ありがたいと思います。

 現在、本館1階の展示コーナーにおきまして水口細工で作っていただきました「おしぼり受け」をはじめとして、天皇皇后両陛下がご使用になられました「お種入れ」、そしてまた「お鍬」なども展示しておりますので、ぜひあわせてご覧いただければと思います。

 そして6月30日に閉会しました、市議会定例会におきましては、提出いたしました案件等につきまして、すべてご承認いただくことができました。

 質問、そしてまたご提案も多岐にわたりいただいております。コロナ禍、そしてまたウクライナ情勢もあり、時代の大きな転換期となる中で、しっかりと議会の皆様方とも意見を交わし合いながら、よりよいまちづくりに努めていきたいと考えております。

 特に新型コロナウイルス感染症の影響が大きい住民税の非課税世帯や子育て世帯に対する給付金、そして各分野にわたる市内事業者への支援金、加えて原油価格や給食材料費の急激な高騰に対し、公費で負担することにより、子育て世帯への負担軽減と質の高い安定した給食をしっかりと提供していくことなど、補正予算で提案した内容につきましては、機を逸することなく、適正で迅速な執行に努めて参りたいと考えております。

 次に、県内初となります高等専門学校の設置場所でありますが、現在県では各市町からの候補地を募集されているプロセスであります。本市ではこれまで湖南市、甲賀市に事業所を有する23社の企業の皆様方により設立いただいている「草津線沿線地域に高専を誘致する会」、そしてまた湖南市とともに、気運の醸成を図りながら誘致の活動に取り組んで参りました。

 候補地につきましては、両市からそれぞれ県へ提案することとしており、本市は貴生川駅に近い虫生野北部の丘陵地を提案させていただく予定でおります。いずれにしましても、工業人材の不足というのは、かなり前からこの甲賀市では課題になっておりますし、ご承知の通り、滋賀県の産業を牽引するエンジンとして、製造業の出荷額も15年連続1位で1兆円を超えている地域でもあります。そうしたことも含めてしっかりと県にご判断いただけるように、最善の努力を尽くす覚悟であります。

 そして、多くのメディアの皆様方にも取り上げいただきました、甲南町の葛木地区で管理されている蔵から万川集海(ばんせんしゅうかい)のもととなった間林清陽(かんりんせいよう)の写本が発見されたということで、広く注目をいただいております。

 この間林清陽(かんりんせいよう)には、ご承知の通り、実践的な忍術や忍器の作り方が記載されており、まさに今、甲賀市が求めております、リアルな忍者像を知るうえで大変貴重な資料として位置づけられるわけであります。

 今回の発見を機に、改めてこの地域が忍者の聖地であるということを誇りに思いますし、リアルな忍者の姿というものを市内外に広く発信をしていきたい、それをまた観光にもつなげていきたいと考えております。

 まだまだこの甲賀市内にはこうした古文書が多く存在するはずであります。地元地域の皆様方にも呼びかけながら、そうした忍者が残した足跡をしっかりと後世に伝えるべく努力をしていきたいと考えております。

 そして6月30日になりますが、「甲賀ロケーション推進協議会」という会が立ち上がりました。もともとは、スカーレットを機にそのサポートやロケ支援をしていこうとされたものでありますが、スカーレットで甲賀を盛り上げる推進協議会が解散され、新たに発展的に設立いただいた協議会になります。

 今、本市では、滋賀県の中でもトップクラスのロケ回数が行われていることもあり、それを市民の皆様方の参画のもとで進めていきたいという目的を持って設立いただいた協議会であります。スカーレットのレガシーを残していく一つの大きなきっかけになるものですので、市としてもしっかり支援を続けて参りたいと考えております。

 また、後ほど情報提供いただくこととなりますが、甲賀の茶、土山の産地が一体となって作っていただいた「土山一晩ほうじ」がいよいよデビュー、ブランド化されました。

 クラウドファンディングで7月1日から応援購入として先行販売されておりますので、ぜひご賞味いただければと思いますし、これからも甲賀の誇るべき地場産業として、広く全国、また世界にも発信していきたいと考えております。

 そして5月の定例記者会見で情報提供いたしました「甲賀市キャッシュレス決済ポイント還元事業」については、大変ご好評いただいておりまして、予算額が当初7月末としていた期限までに早くも達する見込みとなっておりますので、7月15日をもって一旦終了とさせていただきます。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受ける事業所への支援として、市内飲食店、そしてまた宿泊施設や酒類販売店で利用できる「甲賀市お食事・家飲みプレミアム付商品券」につきましては、追加販売を予定しております。広く市民の皆様方にご利用いただきながら、地域経済の活性に繋がればと期待しております。

 このほか、本年度は、矢川神社さんでの手筒花火が奉納される「七夕まつり」、またしがらき火まつり、そして水口の花火大会など、地域行事の再開も徐々になされております。シビックプライドにも裏付けられた選ばれるまちづくりとなるように、さらに精力的に市民の皆様方の日頃の生活を支えていきたいと考えております。

 それでは、本日提供させていただく3つの案件についてご説明申しあげます。

 最初に、「甲賀市産木材を使用したズレンガの市内公立保育園等への導入」についてであります。

 幼少期から木と森の関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むために、森林環境譲与税を活用して園児に甲賀市産木材の木製品と触れ合う機会を提供するとともに、共同制作などによる園児同士のコミュニケーションや仲間意識を高め、園活動の活性化につなげていきたいと考えております。

 この木材を木製玩具として使用していくことで、炭素を固定化し続け、地球温暖化防止への取り組みにも繋がるものとなります。

 なお、ズレンガが公立保育園等に導入されるのは、全国で初となるとお伺いしております。

 次に、「甲賀市フリースクール利用児童生徒支援補助金」についてであります。この事業につきましては、市内の不登校児童生徒の社会的な自立を図り、不登校児童生徒の通いの場を確保するため、不登校児童生徒の保護者の方などに、市が認定したフリースクールの利用に要する事業料の全部または一部を予算の範囲内で補助するという内容になっております。

 補助対象者は、1年期間内に概ね30日以上、在籍する学校に登校されておらず、フリースクールに原則週1回以上通所されている児童生徒の保護者の方が対象となります。

 補助金の額につきましては、1月あたり保護者の方などが負担いただく授業料の2分の1が基本でありますが、生活保護受給者の方は10分の10、就学援助の受給者の方は4分の3で、1人あたりの補助金の上限額は月に4万円となります。

 そして最後に、「2022 第36回 あいの土山マラソン」であります。

 今年の11月に3年ぶりとなります第36回あいの土山マラソンを開催いたします。ゲストランナーには、4大会連続オリンピックに出場され、世界選手権女子マラソンの銅メダリストでもあります福士加代子さんがお越しいただくほか、本市ゆかりのアスリートとして、東京2020パラリンピックトライアスロン競技で銀メダルを獲得された宇田秀生選手、そして東京2020パラリンピック女子マラソンで見事5位入賞を果たされた藤井由美子選手をお迎えしての大会となります。

 本大会を市民の皆様方の健康づくりの一助にしていただくこと、また全国に甲賀市をしっかりと発信しながら、スポーツを通して新しい出会い、触れ合いの場となるよう、現在準備を進めさせていただいております。

 以上、情報の詳細につきましては、この後、それぞれの担当者から説明を申しあげます。

 ぜひ、こうした内容についてもお取りあげくださいますようお願い申しあげ、私からの説明とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

〇各担当より情報提供

  (1) 甲賀市産木材を使用した「Zurenga(木製ブロック)」の市内公立保育園等への導入について

 (2) 甲賀市フリースクール利用児童生徒支援補助金について

 (3) 2022 第36回あいの土山マラソンについて

 

○質疑応答

≪記者≫

 高等専門学校について、貴生川駅の近くというようなお話がありましたが、土地の概要やメリットについてお伺いします。

【市長】

 ご承知かもしれませんが、水口町松尾にある公立甲賀病院をもともとは貴生川地域に建てることで手続きが進められてきた土地が、今まだ活用されていない状況になっております。

 この土地は現在も民有地ですが、広さは10ヘクタールぐらいあります。地権者の皆様方は複数おられるわけですが、今回、応募させていただきたい旨のご了解をいただいた上で、県に提案したいというように考えております。

 メリットとしてはいくつかありますが、今、上下分離で話題になっております近江鉄道とJR草津線の結節点である貴生川駅から徒歩約2、3分にある非常にアクセスの良いところであり、JR草津線や近江鉄道の利用者増にも大きく寄与できる土地でもあります。あとは、今、内陸工業地域として、甲賀市、隣の亀山・伊賀、また四日市も含めて、工場の国内回帰、そしてまた災害が少ないということで、立地に選ばれる日本でも屈指の製造業の発展地域にあります。

 滋賀県で見ると、東南地域に位置するというような位置付けをされますが、発展している内陸工業地域の視点で見ると、この甲賀市はど真ん中にある地域であり、アクセスについても新名神高速道路を利用して、物流的にも非常に立地が良い地域にあります。

 また、平成25年ぐらいから甲賀市の工業会の皆様方からもやはり人材不足が、大変大きな課題になっており、甲賀市については、約10年前から県に対して人材不足を何とか解消して欲しいことや県立高等学校に新たに工業科を設けるなどの対応について求めてきた経緯もありますので、そのあたりを十分考慮いただいて、この地域の課題解決につなげていただきたいという期待をしております。

 やはり、30社近くの上場企業の皆様方を含め、かなり多様な職種の業界の皆様方が立地いただいている場所でもありますし、国内でも有数の工業団地数を誇っております。また、現在1兆2000億円ぐらいまで製造品の出荷額も伸びており、15年連続ものづくりとして滋賀県の中でトップランナーを走っている地域であることも含めて考えると、高等専門学校が誘致された場合には、広い活動フィールドとして、多様な学びもしっかりと提供でき、企業の皆様方の協力体制も非常に期待ができる地域でありますので、そういったところを全面的に押し出しながら、ぜひ甲賀市に立地いただけるように、精一杯努めたいというところであります。

≪記者≫

 フリースクールの件でお尋ねしますが、対象者数はどれぐらいを見込んでいるのでしょうか。

【担当】

 対象者数については決めておりませんが、予算の範囲内と考えております。

≪記者≫

 予算額はいくらでしょうか。

【担当】

 240万円です。

≪記者≫

 甲賀市内に不登校児童生徒は何人ぐらいおられるのでしょうか。

【担当】

 昨年度の状況につきましてはまだ国の方も公表しておりませんので、お伝えすることはできません。甲賀市については、年々増えたり減ったりしている状況であります。

≪記者≫

 一昨年度はどれぐらいおられるのでしょうか。

【担当】

 令和2年度の不登校生徒数につきましても、市として独自に公表はしておりませんので、差し控えさせていただきたいと思います。

≪記者≫

 市が認定しているフリースクールの数は今どれぐらいあるのでしょうか。

【担当】

 現在、4団体認定しております。

≪記者≫

 補助金制度っていうのは他の自治体でもなされているのでしょうか。

【担当】

 こちらで把握しているものとしては、県内で米原市、彦根市、草津市が同じようにフリースクールの支援事業を行っているというように聞いております。

≪記者≫

 フリースクールを視聴者の方にお伝えする場合に、利用にあたってはどのようにご案内すればよいでしょうか。例えば、ホームページを見てくださいとするのか、市の窓口に問い合わせくださいとするのか、どちらの方が案内としてはよろしいでしょうか。

【担当】

 基本的にフリースクールを利用している生徒を対象にしておりますので、現在学校の方で把握している方を対象に案内をしているところです。ただ、保護者の方が学校にフリースクールの利用について申告しないケースもあると思います。

 そのため、フリースクールの方に面談する際にも学校に申告しないことがあれば、施設の方から案内するほか、市のホームページや市の広報紙を案内しているところであります。

≪記者≫

 通われている学校や市のホームページをまずご覧いただいて、手順を確認してくださいというように案内したらよろしいでしょうか。

【担当】

 はい、そうです。

≪記者≫

 この制度の目的は、児童生徒の社会的自立を図るということですが、具体的にどのようなことを期待されますか。

【担当】

 実際に学校に行きづらい児童生徒につきましては様々なケースがありまして、学校には登校できるのですが、毎日は難しいということがあります。ただ、他の場所に行って、少人数のところで過ごす、また別の大人の方や友達と触れ合うことで学校とは別の居場所づくりとなります。今まで学校には行けなかったけれども、外に出て、いろいろな体験、触れ合いなどの刺激を受けることにより、子どもの健やかな成長に繋がるものになると考えております。

≪記者≫

 全国植樹祭のレガシーについてです。事前に甲賀町で林業に携わる方に話を聞いたところ、今回、天皇皇后両陛下が来られる、あるいは来られないということばかりが話題になってしまい、林業に携わる方をどう増やすかという話になかなかならないことがとても残念だということでありました。

 何らかの形で林業に携わる方を育てていかないと森林をきちんと育てていくことはできないと思いますので、この植樹祭を受けて、甲賀市としてどういったことをしていきたいかというのがもしあればお伺いできればと思います。

【市長】

 人づくりは、まさに林業をこれから持続的に発展させていくためには、大変重要な要素であります。ただ、県の担当者等ともお話をしていると、人づくりを始めることは継続的に連携して進めていくのですが、その出口であるハード整備というか、どういうところで受け入れられるのかというところが、まだ整備途中であるということですので、そこを両輪で進めていく必要があると考えています。

 今、滋賀県知事選挙で県立高等学校への林業科を作っていくということを公約に挙げられています。

 このことについて、私の個人的な期待としては、かつては甲南高等高校に林業科というのがあり、そういったところを復活させることによって、ノウハウが既に高校の中にあることになります。教える側の人材確保が課題になってきますが、非常に林業盛んな地域でもありますので、関係者の皆様方に支えていただきながら、学生時代からしっかりと準備ができるような人づくりにも甲賀市として寄与できるのではないかというような期待もいたしております。

 森林環境譲与税の使い方の大きな目的は人づくりというところにもありますので、人づくりという観点については、今後、県も含めて進めていければと考えているところです。

 

以上