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令和4年第3回甲賀市議会定例会(6月)市長開会挨拶


 皆様おはようございます。

 昨日の雨で、山々の緑も一層鮮やかとなり、いよいよ梅雨入りも間近となってまいりました。

 本日ここに、令和4年第3回甲賀市議会定例会が開催されるにあたり、提案いたします議案のご審議を願うに先立ち、議長のお許しをいただきましたので、ご挨拶を申し上げます。

 去る6月5日には、「木を植えよう、びわ湖も緑のしずくから」をスローガンに、第72回全国植樹祭が鹿深夢の森にて開催されました。天皇皇后両陛下におかれましては、オンラインによる行幸啓を賜り、大会長の細田衆議院議長様をはじめ、各地より多くの方にご臨席をいただき、盛会の内に終えることができました。

 式典は、皇居内の御所と鹿深夢の森をオンラインで結び中継され、天皇陛下には、「水源となる森林を守り、育むことにより、美しく豊かな水が生まれる活動が滋賀の地から全国へ、そして世界へ、将来の世代へつながっていくことを願います。」とのお言葉を賜ると共に、両陛下によるお手植え、お手播きをいただきました。

 また、当日、忍の里プララに設けたサテライト会場では、大型スクリーンに映し出される全国植樹祭の様子を多くの市民の皆様にご覧いただき、全国植樹祭を開催する意義や、本市の豊かな山々の緑、さらには自然環境の大切さを改めて考えていただく機会となりました。

 本植樹祭の開催にあたりましては、遡ること5年前の平成29年6月議会において会場誘致を表明してから開催当日迎えるまで、市の推進協議会、市内全21小学校で設立いただいた「緑の少年団」、森林・林業関係団体をはじめ様々な団体、苗木のホームステイなど多くの市民の皆様に参画をいただきオール甲賀で取り組みを進めてまいりました。

 本大会を通して森、川、里、そして母なる琵琶湖へとつながる源である水源林の重要性について、しっかりと全国に発信できたものと確信しております。成功に導いていただきました全ての皆様へ心より感謝を申しあげます。今後は、主会場をお預かりした役割を果たしていくためにも、令和4年度を「環境元年」と位置づけ、豊かな森林資源を活かした本市ならではの環境施策や事業を着実に進めると共に、「木を植え、育て、伐って・利用し、また植える」という循環型林業を推進し、健康な森林づくりに取り組んでまいりますので、一層のご理解とご協力をお願いいたします。

 さて、新型コロナウイルスへの対応も早2年半が過ぎ、これまでは、地域のイベント延期や中止という苦渋のご決断をいただいてきましたが、今年度は水口曳山まつりや信楽駅前陶器市などの行事も徐々にではありますが、本来に近い形で再開をいただいており大変嬉しく思います。これまで積み重ねられた知見を活かし、ウイズコロナの考えで、しっかりと感染対策を講じながら、社会経済活動を前に進めるフェーズに入ってきたものと考えております。

 このことから、本年度、新たな本市独自の事業として、プレミアム付き商品券の発行やキャッシュレスポイントの還元キャンペーンなどに取り組み、コロナ禍で影響を受ける市内商工事業者の皆様を支援し、市民の皆様と共に地域経済の好循環につなげてまいります。また、新たに観光事業者の皆様を応援するため、「甲賀市観光応援クーポン」を発行し、市内に宿泊された方に、市内飲食店や土産店、そして観光施設などで利用できるクーポンを観光協会のご協力のもと、市内宿泊施設通じて無料配布を行っているところです。

 また、本議会にてご審議を賜ります、一般会計補正予算案につきましては、長期化するコロナ禍に加え、原油や物価の高騰が市民生活や事業経営等に追い打ちをかける状況の中、ひとり親世帯や低所得の子育て世帯に対し、児童一人当たり5万円の「子育て世帯生活支援特別給付金」の支給をはじめ、生活困窮の方、保育園や学校の給食材料費、福祉施設の運営、地域の公共交通等への対策を行うための予算を計上させていただいたところであります。

 5月31日に成立しております国の補正予算や同日に示された骨太の方針案などの動向に引き続き注視をしつつ、基礎自治体としてできる限りの対策を進めながら、皆様と共にこの難局を乗り越えていく所存であります。

 それでは、3月定例会以降における市政の主な動きにつきましてご報告申し上げます。

 まず、総合政策部所管事項つきまして、防災分野では、地域の防災リーダーとしてご活躍いただく市消防団に本年度新たに39名の新入団員、1名の支援団員を迎え、4月9日及び10日の2日間にわたり初任者研修や幹部研修を実施いたしました。5月25日には、県の水防訓練に新規採用の市職員29名が参加し、土のうの作り方や水防工法の研修、避難所運営にかかる調整など出水期にむけた準備を進めているところです。

 また、本年度の重点施策のひとつであります、デジタルを活用した地域課題解決については、国のデジタル田園都市国家構想推進交付金に本市の5事業が採択され、約8千9百万円が交付されることとなりました。この交付金により、福祉・子育て・教育・公共交通の各分野で、デジタルを活用した事業を展開してまいります。

 去る5月23日から6月3日にかけて計7回、地域のリーダーである区・自治会長や自治振興会長様と、「地域で暮らしつづけるために」をテーマに、定住や移住について意見交換会を開催しました。意見交換会では、地域と行政が共に、人口減少に立ち向かい、持続可能な地域づくりにチャレンジするために必要なことや、移住者を迎えるために必要なことについて、活発に意見交換を行いました。

 改めて直接対話することの大切さを痛感したところであり、地域リーダーの皆様からいただきましたご意見は、今後、市の移住・定住事業に活かしてまいります。

 次に、健康福祉部所管事項ついて、新型コロナのワクチン接種は、6月5日現在で3回目の追加接種をいただいた方は、49,455人で対象者の61.2%となっております。

 この内65歳以上の高齢者の接種者数は23,129人で90.4%となり、高齢者の方で接種を希望される方ついては概ね完了しており、引き続き64歳以下の若い世代の方にも接種いただけるよう努めてまいります。

 また、60歳以上の方と、18歳から59歳の基礎疾患がある方を対象に実施する4回目のワクチン追加接種は、これまでと同様、高齢者施設での接種、市内医療機関での個別接種と共に、市内3ヶ所で集団接種会場を6月24日から順次設置し、迅速な接種に努めてまいります。

 なお、今回から、水口地域の集団接種会場は、株式会社西友水口店様からご協力の申し出をいただき、店舗内に設置させていただくこととしています。

 母子保健分野では、子育ての不安感や孤立の解消と負担感を減少し、充実した子育て期を過ごしていただけるよう、妊婦の方や養育者の方が無料で利用でき、多言語にも対応しているスマートフォン向けのアプリ、「こうかスマイル・アプリ」を導入いたしました。

 このアプリは電子母子手帳として、妊娠中の健康記録や子どもの成長の記録をはじめ、予防接種、妊婦健診や乳幼児健診のスケジュールについて、プッシュ通知で受診の案内が受けられ、育児の多忙な時期に受診忘れの防止が図れます。また、育児中の孤立を防ぐため、子どもの年齢に応じた地域のイベント情報の配信も行います。

 本年4月から運用開始し、すでに120人以上の方に登録をいただいています。今後もこのアプリの広報等を行いながら、妊娠から子育て期の切れ目のない支援を継続し、安心して出産・子育てができるまちづくりに取り組んでまいります。

 高齢者福祉分野に関しては、本年4月から信楽地域包括支援センターの運営業務を社会福祉法人甲賀市社会福祉協議会へ委託しており複雑化、また、多様化する相談に柔軟に対応しながら円滑に運営をいただいております。今後は、運動機能低下、転倒リスク、閉じこもりなどの課題解決に向け、長寿福祉課及び信楽保健センターとの連携により疾病・重症化予防、認知症予防など、高齢者の支援体制強化を図ってまいります。

 次に、こども政策部所管事項について、子育て支援分野では、本年度からプレイパーク事業を拡充し、既存遊具の修繕、撤去費用の助成に加え、児童遊園内のフェンスやグラウンド整備なども対象としており、申請やお問い合わせ等も多くいただいております。建設部所管となりますが、水口スポーツの森などにバスケットボールのゴール設置、野洲川河川敷内にスケートボードが行えるよう整備を行ったところでもあります。

 また、放課後児童クラブでは、利用児童数が年々増加する中、子育て支援の最前線で勤務いただく児童クラブ職員を対象に、本年2月から月額で9千円引き上げる処遇の改善を図り、人材の確保に努めているところです。

 保育園・幼稚園分野では、増加する低年齢児の保育ニーズに応えるため、小規模保育事業所が水口地域において2ヶ所、甲南地域で1ヶ所を4月に開園いただき、本年4月の待機児童数をゼロとすることができました。

なお、甲南地域の保育園3園を統合する公私連携型認定こども園につきましては、令和6年度の開園に向け、6月1日から実施・運営事業者の募集を開始しました。

 次に、産業経済部所管事項では、本年11月5日に本市で開催される「第74回関西茶業振興大会」への出品茶作業が、3年ぶりに手摘みにて行われ、機械摘みも合わせ土山から22点、信楽から11点の計33点の申し込みをいただきました。今年は春先の天候にも恵まれ、生育・品質とも良好と伺っておりますので、甲賀市から上位入賞いただけるものと確信しているところです。大会の開催が、大変厳しい状態となっている茶業の振興に繋がるよう主催者の県としっかり連携し、準備を進めて参ります。

 また、新型コロナの影響で中止となっておりました都市農村交流事業は、日帰りでの交流体験の受け入れを再開し、5月9日に神戸市立有野中学校から約45名の受け入れを行いました。農業体験にご協力いただきました皆様に感謝申しあげますと共に、各家庭で工夫された温かなおもてなしが子ども達の心に残り、再び甲賀市を訪れてくれるなど関係人口の増加につながることを期待しています。

 次に建設部所管事項つきまして、空き家等対策事業では、「甲賀市空家等対策計画」に掲げる「予防」・「活用」・「適正管理」の3本柱を中心に進めております。空き家の利活用の推進はもとより、「適正管理」の観点から、既存の空き家住宅等の除却補助に加え、管理負担の軽減に向けた新たな補助制度を創設し、空き家の利活用と管理不全の減少に努めてまいります。

 また、公共交通分野では、近江鉄道の今後の在り方について、令和6年度からの上下分離方式への移行、また、第二種鉄道事業者を近江鉄道株式会社とすることなどが決定しており、本年3月29日に開催の「第9回近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会」において、沿線自治体で組織する施設管理運営団体を本年12月ごろに設立することなどが確認されたところであります。

 最後に 教育委員会事務局所管事項について、学校教育分野では、満開の桜と若葉の緑に春の息吹を感じる4月11日に、市内各小中学校において入学式が挙行されました。新入生の皆さんは、新しい環境での生活を緊張しつつもワクワクしながらスタートされたことと思います。また、4月中旬からは、中学校をはじめに修学旅行が実施されており、同級生同士で共に過ごした楽しい思い出は、今後の人生においてかけがえのないものになったと思います。

 引き続き感染症対策に努めながら、学習保障はもちろん、クラブ活動や思い出となる発表、体験等の確保に努め、子どもたち一人一人が楽しい学校生活を送り、健やかに成長してくれることを心から願っております。

 スポーツ分野では、4月29日に、甲賀市ソフトボール協会のご協力を得て、金の卵プロジェクト「ソフトボール教室」を甲賀スタジアムで開催いたました。当日は、リーグ所属の選手を講師としてお迎えし、参加のスポーツ少年団員などが直接指導を受けました。参加者からは「有名な選手に指導してもらえて嬉しかった」、「子どもたちに貴重な体験をさせてあげることができた」などのお声をいただきました。このプロジェクトを通して、多くの子ども達が、将来に夢を持ち、その夢に向かって取り組んでいくことを期待しています。

 また、5月11日には、第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会に向け、市内外の多くの方々の参画をいただき、甲賀市準備委員会の設立総会を開催し、2025年の両大会開催に向けて本格的に始動いたしました。

 今後は、専門委員を選任し、受け入れ体制や競技運営などの準備をきめ細やかに進め、競技者に安心して出場していただくことはもちろん、両大会を通して本市にお越しいただく皆様に甲賀市の魅力を感じていただき、心に残る大会となるよう、準備を整えてまいります。

 以上、3月定例会以降における主な市政の動きについて、ご報告させていただきました。それでは、本日提案いたしますのは、報告案件3件、条例案件1件、補正予算案件2件の合計6件です。

よろしくご審議のうえ、ご賛同賜りますようお願い申しあげ、開会にあたりましての挨拶とさせていただきます。

 


令和4年6月7日              甲賀市長 岩永裕貴