メニュー表示

メインメニュー

閉じる

令和4年9月1日 市長記者会見

〇あいさつ・情報提供

【市長】

 皆さん改めまして、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。

 まず、挨拶をさせていただきます前に、昨日、一昨日、市から教育委員会に対して小・中学校への国旗の半旗を求めたという報道について少しご説明とお詫びを申しあげたいと思います。

 結論から申しあげると、教育機関は政治的な中立性が求められている機関でもありますし、私から直接教育現場に対して何か指示や要請をするといったことは、この6年間、市長に就任以来したことがございませんし、今回も私から教育現場に対して半旗を求めたという事実はありません。

 しかしながら、結果として教育現場に対して安倍元総理の葬儀の日に半旗を掲揚して欲しいというような内容の文書が通達されたことについて調査した結果、単純な事務の確認ミスによるものであることがわかりました。

 このことにつきましては、ガバナンスの欠如という点において、市役所のトップである私の責任でもありますし、今後このようなことがないようにしっかりと周知、また報告、連絡、相談等を徹底していきたいと考えております。

 市民の皆様方にも本当にご心配、また混乱を招いてしまったことについても、改めて深くお詫びを申しあげたいと思います。

 また毎日新聞さんそして中日新聞さんには、市長コメントということで掲載いただいた部分がございました。こちらについても、私の確認をとることなく、市役所から記者の皆様方に説明してしまうという経緯があり、そのことについても大変記者の皆様方にもご迷惑をおかけし、混乱を招いてしまったことをこの場をお借りしてお詫び申しあげたいと思います。

 報道等にもありましたとおり、私が指示をさせていただいたのは、庁舎の半旗についての要請ということでありました。

 この思いは、安倍元総理の個人的な功績に対して弔慰を示すという目的ではなく、前代未聞の事件が起きてしまい、公の場で選挙期間中に1人の政治家が射殺されるという、あってはならない事件を二度と繰り返してはならない、こういったことを忘れてはならないというような意味において、庁舎の半旗掲揚を決定したわけであります。

 そうした庁舎のみで半旗をしておられた自治体は全国的にも多数ありました。それが特に報道等には取り上げられず今日に至っているわけですけども、やはり教育機関への要請というのは、もう一線を越えてしまっている判断でありますので、事務的なミスとはいえ、今後このようなことが二度と繰り返されないように市役所内のガバナンスの強化についてもしっかり徹底していきたいと思いますので、何卒ご理解いただきますようお願い申しあげます。そしてご迷惑をおかけした記者の皆様方には、改めて深くお詫びを申しあげたいと思います。本当に申し訳ございませんでした。

 それでは、大変残暑厳しい日々が続いておりますが、新型コロナ対策とあわせて、熱中症対策につきましても、市民の皆様方にお願いをさせていただきたいと思います。

 第7波の感染がまだまだ収まらない状況の中で、今日から中学校が、先般からは小学校が2学期を迎えております。

 子どもたちの思い出づくりや様々な成長の機会を奪うことなく、この感染症対策とも向き合っていかなければならない、また教育現場の皆様方にも大変なご尽力をいただくこととなりますが、市役所をあげて感染対策の防止、また子どもの育ちを応援していくよう、引き続き頑張っていきたいというように考えております。

 本日は防災の日であり、これから本格的な台風シーズンを迎えることになります。今も台風11号の進路が非常に気になるところではありますが、先般8月16日から18日にかけての大雨におきましても、甲賀市内25ヶ所の早期避難所を開設し、4世帯6名の皆様方が避難をされたところでもございました。

 防災につきましても、本当に大変な中ではありますが、市民の皆様方にも協力いただきながら、生命と財産を守る行動を優先して、取り組みを進めていく所存でございます。

 また夏休み期間中には大変うれしいニュースとして、水口少年野球団など5団体のスポーツ少年団が全国大会へ出場し、日頃の成果を十分に発揮してくれました。

 こうした子どもたちの機会をしっかりと確保し、育ちを応援していくということも、引き続き関係団体の皆様方にご協力をいただきながら進めて参ります。

 8月30日には第4回甲賀市定例会が開会され、ご承知の通り33件の議案を上程させていただいたところでございます。

 その内容につきましては、令和3年度の決算をご審議いただく議会でもございます。

 令和2年度に引き続きまして、コロナ感染拡大の防止、また子育て世帯や生活困窮世帯への給付金の支給事業による支援、また地域経済応援クーポン券の配布や、事業継続支援金の給付など、歳入歳出とも過去3番目の決算規模となったところであります。

 財政健全化法に基づく指標におきましては、実質公債費比率は前年度に比べ0.4ポイント改善しておりますし、また将来負担比率につきましては前年度に比べ15.8ポイントの大幅な改善を図ることができました。

 この数値は算定以来、最も健全な財政状況であるということを達成できた年度でもありました。

 今後もこういった健全な財政を維持しながらも、中長期的にしっかりと投資をする部分には投資し、メリハリの効いた予算の執行に努めて参ります。

 そしてまた補正予算も提案させていただきまして、その中身につきましては、甲南統合認定こども園整備事業に係る造成工事や、道の駅あいの土山再整備に向けた事業用地の購入及び造成工事に係る経費等を計上させていただいたところです。

 一般質問も非常に多くご提出いただいておりますので、一つ一つ丁寧にお答えしていきたいと思います。

 そして次にマイナンバーカードについてです。全国的に各自治体が様々な知恵を絞りながら対応しているところでございますが、本市では8月から市内の商業施設におきまして、職員による出張申請サポートのほか、市民の利便性向上、また窓口の混乱回避のための郵送交付等を開始したところでございます。

 マイナポイントの第2弾を受け取るためには、9月末までにこのマイナンバーカード取得のための申請が必要となってきますし、我々基礎自治体としましては、地方交付税額にも影響してくるということでありますので、引き続き、さらなる普及促進に努めていきたいと考えております。

 また昨年の8月に重要文化財に指定されました信楽高原鐵道の第一大戸川橋梁の標準桁につきまして、ご寄付をいただいた貴重なご浄財を活用し、周辺整備事業を実施したところでございます。

 概要につきましては、線路脇に設置されている標準桁を移設し、転倒防止などの防護を行ったほか、またこの桁の経緯などが書かれた看板を設置させていただきました。

 本事業により、文化財としてしっかり保護し、また次世代に継承していくために、広く市民の皆様方に知っていただく機会になればと考えております。

 最後になりますが、8月17日、土山町の善法院の木造阿弥陀如来及両脇侍立像を新たに本市の有形文化財に指定することになりました。

 この仏像は本市に伝えられた鎌倉彫刻の一例として大変貴重なものでございます。こちらにつきましても地域に伝わる貴重な文化財として保存活用を図っていきたいと考えております。なお、甲賀市指定の文化財の総数は、本件を加えて、146件となったところでございます。

 それでは本日提供させていただく2つの案件について、簡単にご説明を申しあげます。

最初に「日本六古窯サミット2022in信楽」の開催でございます。

 この10月に長年産地の技術を支えてきた滋賀県信楽窯業技術試験場が移転オープンすることを記念しまして、日本六古窯サミットを開催します。

 信楽焼の産地では12年ぶり3回目の開催となるところでございます。

 本サミットは、日本六古窯の首長、また行政関係者や産地関係者の皆様方が一堂に会し、情報交換、また共同事業を通じた交流を行い、国の内外に情報発信していくことで、産地の振興を図っていこうというものでございます。

 今回、2025年の大阪・関西万博の発信力また求心力の活用、その先を見据えた六古窯の産地が進むべき方向性について互いに意見交換し、模索していきたいと考えております。

 開催イベントとしては、日本遺産六古窯の活動紹介や産地の未来を担う子どもたちの作品展示、六古窯の様々な地域資源を持ち寄り紹介するマーケット、千年続く信楽焼産地の歴史とものづくりの現場めぐりなどのほか、期間中には信楽陶器まつりもあわせて開催される予定となっております。

 次に甲賀市乳児見守り訪問「こうかおむつ便」の出発式と事業開始についてであります。

前回の定例記者会見でも少し触れましたが、市では満1歳までの乳児がいるご家庭を毎月訪問させていただき、声かけや見守りを行い、育児不安の解消に努めていくほか、おむつ等の育児用品を支給するなど、子育て世帯の支援を強化することとしております。

 この見守り訪問の開始にあたっては、10月3日に市役所の正面玄関前におきまして、子育て家庭にお伺いする宅配車のお披露目と出発式を開催しますので、ぜひ取材いただければ大変ありがたいと思います。

 今年度は妊婦特別給付金、妊婦健康診査の公費負担の引き上げ、また電子母子手帳の導入、そして乳児見守り訪問事業などを開始しておりますが、誰1人取り残すことなく、この甲賀市ですくすくと子どもが育ってくれる、そのようなサービスを充実させるため、妊娠から子育てへの切れ目のない支援を引き続き実施していきたいと考えております。

 この2点の情報の詳細につきましては、この後に、担当者からご説明を申しあげたいと思います。

 そして記者会見の後半には、「第13回こうかはしご酒」や「第27回セラミック・アート・マーケットin陶芸の森2022」の開催について、情報提供させていただきますし、また、その後には、いよいよデビューすることとなりました、滋賀県甲賀市初のブランド茶、土山一晩ほうじの新茶お披露目、また皆様方への事前試飲会を予定しておりますので、こちらにつきましても少しお時間を取っていただくこととなりますが、引き続き取材いただくようお願い申しあげます。

 それではどうぞよろしくお願いいたします。

〇各担当より情報提供

(1) 「日本六古窯サミット2022 in信楽」の開催について

 (2) 甲賀市乳児見守り訪問「こうかおむつ便」の出発式および事業開始について

○質疑応答

≪記者≫

半旗掲揚について、8月30日に出されたコメントで、市長は市役所本庁舎及び市民センターのみに半旗を掲げるよう指示をされたとのことですが、この指示はいつ伝えられたのでしょうか。

【市長】

私の記憶では前日だったと思いますが、外へ出ておりましたので、公室長に連絡したという経緯です。

≪記者≫

公室長は、市長の指示を誰にどのようにお伝えになりましたか。

【公室長】

総務部次長に庁舎への半旗について伝え、その後、総務課長に伝えられたという流れです。

≪記者≫

総務課長にどのように伝えられたのですか。

【総務部次長】

庁舎および関係する地域市民センターへの半旗の掲揚をするように伝えました。

≪記者≫

結果として、どうして事務連絡の文書を各所属長に出すに至ったのでしょうか。

【総務部次長】

過去の事例として、中曽根元総理が亡くなられた際に対応したことがありましたので、そういうことを含めて、総務課で検討した結果、通達がされたと理解しております。

≪記者≫

この事務連絡の文書を出す前に、上席の承認はとらなかったのでしょうか。

【総務部次長】

その文書自体を確認したかどうかについては、現段階で確認はできていませんが、上席の確認をとらずに発出してしまったというのが主な原因です。

≪記者≫

 市長コメントでは、「私が教育現場に半旗を求めた事実はありません」とありますが、市教育委員会が教育現場に半旗掲揚を求める文書を送っていたことについては問題だったと思われますか。

【市長】

 問題であると思います。私の要請に基づいて市教育委員会が文書を各教育現場に発出していたとしたら、これは問題です。政治的な中立性の確保というところを侵していると思いますし、以前から特に気をつけて市政運営にあたってきたつもりですので、そういったところは問題だと考えています。

 なぜ、その時に文書内容の確認や、市教育委員会においても、市長の指示に間違いはないか、市教育委員会で検討すべき事項ではないかなど、一旦立ち止まって対応を考えるタイミングは何回もあったにもかかわらず、結果として、指示が教育現場に出てしまったことについては、どのような対策が必要なのかを組織の仕組みとしてしっかりと検討していかなければならないと痛感しております。

≪記者≫

 総務課長が全部署と誤解されたことについては疑問が残るところですが。

【総務部次長】

 過去の事例での対応も含めて考えた結果、違う伝わり方へ変化したのではないかと考えます。ただ、変わった時点でしっかりと上席へ確認できていないことが一番の問題であり、市長の知らない間にこのようなことになった現状がありますので、事務担当の思い込みによる連絡ミスや確認ミスが重なったことが原因だと考えています。

≪記者≫

 中曽根元総理が亡くなられたときに学校でも半旗を上げられていたとすると、それはそれでよろしいのでしょうか。

【教育部長】

 当時は、国及び県から半旗の対応について協力を依頼する文書が県教育委員会から各市町の教育委員会にありましたので、市教育委員会では、国、県で整理された上での指示だということで、市内各小中学校に通知を行ったところです。

≪記者≫

 すべての小中学校に通達を出されたということでしょうか。

【教育部長】

 はい。

≪記者≫

 国や県から通知が出ているものだとの思い込みがあると、改めて上席に確認を求めることをしない可能性はありますが、今回は指示も何もないわけで、思い込みだと早く進めることが先決だということで全部署に伝えるという可能性はないでしょうか。

【市長】

 こういったミスは起こり得るというように思っているのですが、教育現場に対して、誤りであっても私の要請によって文書が出ることについては、やはり一線を超えていますので、そこはなぜ止まらなかったのかと、なぜ誰も疑問に思わなかったのかということについては、本当に検証が必要だと思っています。

 庁舎に半旗を掲げるというのは、当時を思い出していただくと報道各社の皆様方も含め、日本中が本当に混乱するぐらいかなり衝撃的な出来事でありました。私も安倍元総理個人ではなくて、出来事に対して今後一切あってはならない、忘れてはならないという思いで、市役所庁舎を半旗にして欲しいということを判断し、他の多くの自治体もそういった対応をとっておりましたので、そこに間違いはなかったというように思っています。

 それが、拡大解釈、思い込みや確認ミスが積み重なり、最終的に教育現場にまで通知される事態となったことについては、本当に私のガバナンス不足ですし、なぜ起こったのかということを再度検証して、今後このようなことがないよう徹底していかなければならないと痛感しているところです。

【市長】

 この経緯について、一般的に聞いたら本当にこのようなことがあるのかと疑問に感じると思います。しかし、私のコメントについても、市教育委員会への要請についても、確認不足、思い込みでここまで進んでしまったことが事実でありますので、信じていただきたいと思います。

以上