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令和4年第4回甲賀市議会定例会(9月)市長開会挨拶

 皆様、おはようございます。
 久かたぶりの花火大会など地域での催し物も再開いただき賑わいをみせた今年の夏も、少しずつ秋への移ろいをみせるようになってまいりました。
 本日ここに、令和4年第4回甲賀市議会定例会が開会されるにあたり、提案いたします議案のご審議を願うに先立ち、議長のお許しをいただきましたので、お時間を頂戴しご挨拶を申し上げます。
 今年は3年ぶりとなる行動制限のないお盆休みを迎えることができましたが、県内では今月19日に新型コロナ1日の感染者数としては過去最多の3,281人が確認されるなど新規陽性者数は高止まりの状況となっています。このような中、政府では感染者の全数把握について、保健所や医療機関の負担軽減のため、高齢者など重症化リスクの高い人に限定できる新たな仕組みについて、9月半ばにも全国一律で実施できるよう調整を行っていることが明らかとなりました。現在感染法上の「2類相当」で運用されている新型コロナへの対応については、今後大きな方針転換が行わることが考えられるため、国等の動向に注視をしてまいります。
 また、今年は大変な記録的猛暑となり、消防本部からの報告によりますと熱中症の救急搬送が昨年度の同時期に比べて倍増しており、皆様には引き続き熱中症対策にも十分ご留意をされますようお願い申し上げます。
 報道にもありましたように、気象庁では本年6月下旬から7月初めにかけての猛暑を「異常気象」とする見解をしめしており、民間の気象会社による7月から9月にかけてのゲリラ豪雨が昨年の1.4倍、約9万回発生するとの予測なども目にし、近年の気候変動が現実の危機であると再認識したところであります。本市におきましても、7月19日や8月16日から18日にかけての大雨では、土砂災害等も発生しており、8月17日には市内25か所の早期避難所を開設し避難を呼びかけたところでもあります。
 気候変動については、これまでから地球温暖化の影響が指摘をされてきた喫緊の課題でもあることから、本市としましても2050年のカーボンニュートラルに向けた「環境未来都市宣言」を行い、環境元年のキックオフをさせていただきたいと考えております。カーボンニュートラルに向けた具体的な施策やロードマップについては、本年度策定いたします地球温暖化対策実行計画に盛り込むこととなりますが、全国植樹祭開催地としても本市の豊かな森林資源を活かし、市民、事業所、議会、行政が一体となりオール甲賀でのこの取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 さて、9月議会は、前年度の決算をご審議いただく議会でもありますことから、はじめに本議会に提案いたしました令和3年度一般会計の決算概要について申し上げます。
 令和3年度は、第2次総合計画、第2期基本計画の初年度であり、アフターコロナを見据え、「オール甲賀で未来につなぐ!『新しい豊かさ』へのスタートアップ予算」として、本市の未来像である「いつもの暮らしに『しあわせ』を感じるまち」の実現のため、「子育て・教育」「地域経済」「福祉・介護」の3つのテーマを柱に、新型コロナウイルス感染症対策や行政のデジタル化の取り組みを積極的に進めたこところであります。
 令和2年度に引き続き、新型コロナの感染拡大の防止を図るとともに、子育て世帯や生活困窮世帯への給付金支給事業による支援、地域経済応援クーポン券の配布や事業継続支援金の給付などの地域経済対策等を実施したことにより、令和3年度の決算は、
 歳入総額は 468億6,256万8,784円、
 歳出総額は 438億1,146万66円と、決算規模としては、歳入歳出とも過去3番目の規模となりました。
 一方、財政健全化法に基づく指標では、実質赤字比率等の赤字比率については、引き続き全ての会計で実質収支額が黒字を堅持しております。
 また、実質公債費比率は6.5パーセントで、前年度に比べ0.4ポイント改善し、将来負担比率は40.3パーセントと前年度に比べ15.8ポイントの大幅な改善となりました。これは、臨時財政対策債や合併特例事業債など交付税措置が手厚い有利な起債を優先的に活用してきたことによるもので、加えて、公営企業会計での起債償還が進んだことなどが主な要因です。また、将来負担比率では、基金保有額が増加したことも改善の要因となっています。
 これら2つの数値はいずれも早期健全化基準を大きく下回り、算定開始以来、最も改善が進んだ数値となりました。
 資金不足比率につきましても、全ての公営企業会計で資金不足は生じておりません。今後も健全な財政を維持するために、中長期的な視点に立ち、事業の選択と集中を進めつつ、さらなる財源の確保や経費の削減、業務の効率化などに努めてまいります。
 それでは、6月定例会以降における市政の主な動きにつきましてご報告申し上げます。
 まず、総合政策部所管事項では、7月22日には令和5年度に向けた国・県の施策に対する本市の重点項目について、滋賀県議会の富田議員様、田中議員様、村上議員様、また、市議会からは田中議長様にご同行いただき、知事、副知事に要望をさせていただきました。「名神名阪連絡道路の整備促進」や「鉄道を核としたにぎわいと交流の促進」をはじめ、観光・産業振興、教育・文化など、本市だけではなく、県全体の振興にも関わる12項目の課題について要望をお伝えしました。知事には要望の趣旨をご理解いただけたものと信じておりますので、本要望の実現に向け引き続き取り組みでまいります。
 また、滋賀県が令和9年度開校を目指す(仮称)滋賀県立高等専門学校について、7月8日に虫生野北部丘陵地を本市候補地として提案いたしました。県内トップのものづくりのまちである本市をフィールドに、幅広く高度で実践的な教育が可能であること、また、3つの鉄道と3つのインターチェンジ等のアクセスの良さを生かし、「通える高専」「知の広域連携」が可能であること、さらには、工業系人材の確保や育成の場の創設について、約10年間にわたり重点要望として県に要望してきたことなど、本市ならではの強みと切なる思いをしっかりとお伝えしました。県での選考結果は9月の公表予定です。なお、この提案地は貴生川駅周辺特区構想による本市の将来をかけた重要なエリアですので、選考結果の如何によらず、今後も積極的な取り組みを継続してまいります。
 次に市民環境部所管事項において、市民課では、マイナンバーカードの交付率向上を図るため、新たに8月から市内のスーパーなどでの申請サポートのほか、市民の利便性向上や窓口の混雑回避のための郵送交付などを開始いたしました。マイナポイント第2弾は9月末までの申請が必要となりますので、この機会に一人でも多くの方に申請いただけるよう、更なる普及促進に努めてまいります。
 また、子育て世帯の負担軽減や子育てしやすい環境を整え、子育て世代の定住促進につなげる施策の一環として、子育て応援医療費助成制度の助成対象を本年10月から中学3年生まで拡充いたします。実施に向け、新たに対象となられるお子様へは順次、手続きを行っているところであり、9月下旬には受給券を送付できる予定です。加えて、健康福祉部と連携し、ごみを集積所まで排出することが困難な高齢者又は障がい者の世帯を対象に、玄関先まで戸別回収をする「ごみ排出困難者支援事業」を9月から実施いたします。
 次に、健康福祉部所管事項では、8月21に「戦没者追悼式」を挙行し、遺族会をはじめとする来賓の方々や参列いただいた皆様方と共に、戦没者を追悼し、世界の恒久平和を祈念いたしました。
 ロシアのウクライナ侵攻から半年が経過するなど、世界平和を揺るがす事象が起きている中、戦後77年を迎え、先の大戦での幾多の犠牲や苦難の歴史の上に今の日本の平和があることをしっかりと後世に引き継いでいくことをお誓いいたしました。

 次に、こども政策部所管事項では、長期化する新型コロナの影響や食費等の物価高騰に直面されている子育て世帯に対し、本市独自事業として、児童1人あたり1万円の給付金を支給いたしました。児童手当受給者へは申請自体を不要とし、7月25日には11,374人分を支給いたしました。また、申請が必要な高校生世代のみの世帯等については、対象者約2500人中、すでに1000件以上の申請をいただいており、給付金の速やかな支給に努めてまいります。
 加えて、ひとり親世帯等には、寄付金等を活用し、お米や食品等をお渡ししました。「物価高騰による食品等の値上げに困っていたので助かる」、「夏休みで食費もかさむ時期なので大変助かる」といったお声をいただいています。
 また、公立の保育園では全国でも初となる木製ブロックを600ピース購入しました。この木製ブロックは甲賀市産ヒノキでできた2種類のパーツからなるレンガ大のブロックで大きな家も作ることできる木の玩具です。子どもたちは、木の香りやぬくもりに触れながら想像力を働かせ、友達と協力し楽しく遊んでいました。これからも、子どもたちの健やかな成長のため、工夫を凝らしながら豊かな体験ができるように保育を実施してまいります。
 続いて産業経済部所管事項について、商工分野では、コロナ禍において、原油価格や燃料費を含む物価の高騰の影響を受ける市内商工事業者皆様の負担軽減を図り、事業継続の支援を目的とした「商工業小規模事業者事業維持・活性化支援金」の申請受付を、7月22日から開始いたしました。本支援金の交付にあたっては、対象となる事業者の皆様に一日でも早くお届けすべく、本市商工会と連携し事務を進めているところであります。
 また、甲賀酒造協同組合では今月18日より「ぶらり甲賀蔵めぐり地酒飲み比べセット」の販売を開始されました。本市は酒蔵数が県内で最も多く、コロナ禍の影響を受けた市内の酒造事業者を応援するとともに消費拡大を図るために実施するものです。この飲み比べセットには、「おもてなし条例」普及のため、信楽焼のぐい呑みも付いており、限定販売の1,000セットが完売できるよう、水口酒販協同組合をはじめとする関係団体とも連携しながらPRに努めてまいります。
 農林分野では、「第74回関西茶業振興大会滋賀県大会」において、土山・信楽の茶業協会の皆様により製造されたお茶が品評会に出品され、審査の結果、「普通煎茶の部」と「かぶせ茶の部」で農林水産大臣賞をはじめ多くが上位に入賞をされました。
 とりわけ、「普通煎茶の部」と「かぶせ茶の部」では、産地賞を受賞され、産地としての高い技術力が認められました。引き続き、産地としてのブランドの確立に務めるとともに、更なる販路開拓や価格の向上を目指し、茶業関係団体の皆さんとともに取り組みを進めてまいります。
 次に建設部所管事項つきまして、名神名阪連絡道路では、4月に重要物流道路へ追加指定されたことから、今年度中に、滋賀県と三重県が主体となり、概略ルートや道路構造を検討するための有識者委員会を立ち上げられるとともに、地域住民等への意見聴取に着手される予定であります。
 いよいよ構想の具体化に向けた本格的な調査が進められることから、事業化の早期実現に向け、沿線地域全体で県の取り組みを後押ししてまいる所存であります。

 最後に教育委員会事務局所管事項では、学校給食において、原油価格をはじめ、食用油や小麦など給食にかかる材料費の急激な高騰の影響を受けましたが、先の市議会定例会でお認めいただいた予算により、栄養価を保ちながら美味しい献立を提供できています。
 市内中学校では、運動部活動での3年間の締めくくりとなる夏季総合体育大会が今年度は有観客で開催されました。選手の皆さんはブロック予選、県大会、近畿大会において、自分の持てる力を十分に発揮してくれました。また、水口少年野球団など市内スポーツ少年団、5団体が全国大会に出場され、日頃の成果を存分に発揮してくれました。
 また、最終学年による修学旅行につきましては、今後実施される数校を残し、現在まで全ての小中学校におきまして、子どもたちの思い出に残る修学旅行が実施できています。
 高知県四万十川の水難事故から15年目となります甲賀市青少年活動安全誓いの日には、青少年活動セミナーを開催しました。
 このセミナーでは、水辺の安全教育をテーマにライフジャケットの重要性を森重裕二様にご講演いただきました。この事故を二度と起こさないことを強く誓い、また、決して忘れることなく教訓としながら、今後もより一層安全で安心な自然体験活動が実施できるよう取り組んでまいります。
 また、8月17日には、土山町大河原の善法院の「木造阿弥陀如来及両脇侍立像」を、新たに本市の有形文化財に指定しました。この仏像は、鎌倉時代の彫刻をよく表した貴重なものであり、地域の宝として保存活用を図ってまいります。なお、今回の指定により、甲賀市指定文化財の総数は146件となりました。 
 それでは、本日提案いたしますのは、報告案件7件、決算案10件、人事案件4件、条例案件4件、補正予算案件5件、その他案件3件の合計33件です。
よろしくご審議のうえ、ご賛同賜りますようお願い申しあげ、開会にあたりましての挨拶とさせていただきます。


令和4年8月30日       甲賀市長 岩永裕貴