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令和4年 第6回 甲賀市議会定例会(12月)市長開会挨拶

 皆様おはようございます。
 日ごとに寒さ深まり、冬の訪れを感じる本日ここに、令和4年第6回甲賀市議会定例会を開催されるにあたり、議長のお許しを頂きましたので、諸般のご報告と併せご挨拶を申し上げます。
 まず、第5回甲賀市議会臨時会におきまして谷永議長、並びに、戎脇副議長がご就任されましたこと誠におめでとうございます。豊かなご経験とご見識により、変わらぬご指導を賜りますよう改めてお願い申しあげます。
 さて、この秋は市内各地で3年ぶりとなるスポーツや文化などの行事が数多く開催され大いに賑いました。個々のイベントにつきましては、このあとご報告させていただきますが、お伺いしました際には、市民の皆様からコロナ禍や物価高騰などへの「生」の声をお聴かせいただく機会ともなり、改めて日々の暮らしや事業経営等への影響の大きさを痛感しているところであります。困難な状況に負けることなく、本市の活力の源として活動を頂いております皆様に心より感謝申しあげます。
 県内市町の多くでは、12月開催の各議会定例会にて、価格高騰などへの各種対策が提案されている中、本市では、この冬、各家庭で増額となる光熱費相当額を支援し、家計の一助とするための生活応援クーポン券や、市内福祉施設や私立保育園、また、貨物自動車運送事業者に対する支援金、農業者へ肥料価格の高騰分を支援する費用を計上した補正予算を、先の臨時議会においてお認めいただき、現在、1日でも早くご利用いただけるよう鋭意作業を進めているところです。
 また、新型コロナウイルス感染症の状況につきましては、すでに第8波を迎え、加えて季節性インフルエンザとの同時流行が大変懸念されています。滋賀県では国の感染状況判断レベルに合わせ、警戒指標を5段階から4段階に改定すると共に、現状を「感染拡大初期」を示す「レベル2」とされました。ただし、これまでとは異なり、現在は国の方針も踏まえ、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る「ウィズコロナ」の段階であることから、市民の皆様には改めて基本的な感染対策を意識した行動をお願いすると共に、徐々にこれまでの日常を取り戻しつつある状況を後戻りさせることのないよう、私自身も先頭に立ち総力を挙げて取り組んでまいります。
 そうした中、現在、編成作業を行っております本市の令和5年度予算案は、第2次総合計画第2期基本計画の着実な遂行に向け、引き続き「子育て・教育」「地域経済」「福祉・介護」の3つのテーマに沿った事業を重点的に進めると共に、『総合計画に掲げる目標人口の達成に向けた、「新しい豊かさ」へのチャレンジ予算』、「新型コロナウイルス感染症や原油価格・物価高騰等への対応」などを基本方針としております。
 加えて、具体的な施策や事業の検討にあたっては、「市民ファーストの目線」、「前例踏襲からの脱却」を念頭に置き、失敗を恐れず挑戦できるよう「実証実験」にも積極的に取り組みこととしております。
 また、国では2年連続で110兆円規模となる新年度の概算要求や、約28兆9千億円にのぼる第2次補正予算案が提案されており、県の予算編成の動向とあわせ注視をしてまいります。
 それでは、9月定例会以降における市政の主な動きにつきましてご報告申し上げます。
 まず、総合政策部所管事項では、11月13日に甲賀市総合防災訓練を、水口高等学校を主会場に実施いたしました。今回の訓練では、地元住民や関係団体の皆様約250人にご参加いただき、コロナ禍での避難所運営をはじめ、災害時の協定事業者との連携の確認、ICTを活用した被害情報の集約を試験的に行いました。訓練での課題を踏まえ、引き続き災害に強いまちづくり、ひとづくりに努めてまいります。
 今月19日には、本市で初めての取り組みとなります若者政策アイデアコンテストを13チーム、52名にご参加いただき開催しました。各チームは2回の勉強会に加え、独自のフィールドワークなど約2カ月にわたり精力的に活動いただき、本市の未来に向け政策をご提案いただいたことを改めて感謝申し上げます。どの政策の提案も若者ならではの視点で、特色のある発表ばかりで、私も聞き逃すことなくプレゼンを拝聴いたしました。提案いただいたアイデアについては、実現の可能性や事業効果を踏まえ、具現化に向けて取り組みを進めてまいります。
 また、先週23日には、令和4年度甲賀市表彰式を、来賓をはじめ多くのご列席を賜り開催いたしました。今回表彰させていただいた62人の皆様は、各分野おいて多年にわたり献身的な活動により、市政の発展に多大な功績を残された方々であり、このような不断のご労苦はまさに市民の鑑であり、改めて心からの敬意と感謝を表するものでございます。
 次に、総務部所管事項では、検討を進めてまいりました公共施設の使用料見直しにつきまして、これまでの議会や利用団体の皆様との議論や、パブリック・コメントを経て10月末に基本方針を策定したところです。コロナ禍や物価高騰などの昨今の情勢を踏まえ、利用者の大幅な負担増とならないよう、類似施設間での均衡など公平性の確保を目的に必要最小限の見直しとする内容の議案を今議会に提出させていただいております。この使用料見直しにあたっては、利用者の皆様に施設を気持ち良く使っていただけるよう、これまで以上に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、市民環境部所管事項では、身近な方がお亡くなりになられたあとの手続きについて、ご遺族の負担を少しでも軽減できるようワンストップで行える「おくやみ窓口」のサービスを10月よりはじめました。現在は、市役所本庁舎での対応となりますが、事前にご予約をいただければ手続きにかかる時間の短縮につながります。また、近親者が亡くなられた後に必要となる各種手続きをひとつにまとめた「おくやみハンドブック」を作成し、死亡届を受付けした際にお渡しております。
 続いて、健康福祉部所管事項では、今年度は3年に一度の民生委員児童委員の改選年であり、区・自治会から推薦いただいた254名の方は、12月1日に厚生労働大臣より委嘱の運びとなっています。また、今月末をもってご退任される147名の皆様には、コロナ禍の大変厳しい状況の中、長年にわたり地域福祉の推進のため献身的にご尽力いただき、心から感謝を申しあげます。今回、新たに委嘱を受けられる皆様と同様、地域共生社会の実現に向け、引き続きご協力をお願いいたします。
 生活の困り事について気軽に相談ができるよう、今月からLINEアカウントを利用した「相談窓口」を開設しました。この相談窓口は「子育て」、「健康」、「高齢者」、「障がい」、「生活困窮・生活保護」、「ひきこもり」の6分野に対応し、専門職員が対応する場合を除き24時間365日相談を受付け、よくいただく質問に関しましては、即回答を行うシステムとなっています。現在、進めている重層的支援体制整備の一環として、この「LINE相談窓口」の周知を図ってまいります。
 また、満1歳までの乳児のいる世帯に、月に1度、おむつ等の育児用品と子育て情報をお届けし、乳児とその家庭の見守りを行う乳児見守り訪問「こうかおむつ便」の出発式を10月3日に開催し、初めての訪問も行いました。
 訪問したご家庭からは、「育児用品は経済的にとても助かり、とてもうれしいです」、「子育ての話しをいろいろ聞いてもらえて大変安心できます」など大変ご好評で、10月末現在で732件の申請もいただいています。引き続き、子育て家庭の孤立を防ぎ、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援体制により、安心して子どもを産み育てることができるまちづくりを進めてまいります。
 次に、こども政策部所管事項では、「子ども・子育て応援団ネットワーク形成事業」において、子どもたちの運動能力が低下していると言われる中、体を使った遊びを通じて親子同士が交流をする「運動と遊びフェス2022」を開催いただきました。
 また、発達支援分野では、幼児期のお子さんがいる保護者の方向けに「のびのび通信」を市ホームページ等で発信しており、今月号では、保護者からの問合せの多い、子どもの言葉に関する悩みについて、専門家の言語聴覚士が、どのように関わればよいか具体的にお伝えしています。コロナ禍の影響などにより不安感、孤独感を抱えている子育て世代の方々へ、きめ細かく寄り添えるようさらに支援に努めてまいります。
 続いて産業経済部所管事項について、商工関係では、10月7日に「日本六古窯サミット2022in信楽」を開催しました。このサミットでは、未来を担う子どもたちの作品等の特別記念展や六古窯産地の様々な地場産品を紹介し、販売するマーケット「六古窯市」等を同時に開催し、多くの方にご来場いただきました。産地間の連携と協働を一層深めると共に、六古窯の新たな可能性を引き出し、大阪・関西万博の開催を見据え、やきもの文化を国内外へさらに発信してまいります。
 農業関係では、本市を会場に「第74回関西茶業振興大会滋賀県大会」が今月5日に開催され、本市は、「普通煎茶」と「かぶせ茶」の部において、栄えある農林水産大臣賞や産地賞を受賞いたしました。これもひとえに生産農家の卓越した技術力とたゆまぬ努力の賜物で、心からの敬意と感謝を申しあげます。リーフ茶の需要の伸び悩みや、資材等の高騰により極めて厳しい状況ではありますが、新ブランド「土山一晩ほうじ」をはじめ、甲賀の茶の魅力の国内外へ発信するため、様々な施策に取り組んでまいります。
 林業関係では、10月23日に鹿深夢の森で「秋のポスト全国植樹祭」が開催され、全国植樹祭開催記念碑の除幕式や、天皇皇后両陛下がお手植えされた苗木のお披露目を行いました。また、甲賀町の油日林木育種場では、公益財団法人イオン環境財団 様との協働による植樹が行われ、緑の少年団やイオングループの皆様など約300人にご参加いただきました。また、去る24日には、東京おもちゃ美術館 様と「ウッドスタート宣言」の調印式を行い、本格的に「木育事業」のスタートを切りました。この事業では、新生児への甲賀市産材による木のおもちゃのプレゼント事業などを計画しており、豊かで健康な森づくりを次の世代にもつなげて参ります。
 次に建設部所管事項では、デジタル田園都市国家構想の実現に向け、国が地方での拠点データセンター整備を進めており、この度本市がデータセンターの立地などに関する調査事業の補助事業者として採択を受けたところです。データセンターは税収面での効果や、関連企業の立地などが期待できるものであり、調査結果等を踏まえながら民間事業者の誘致を積極的に進めてまいります。
 また、貴生川駅周辺整備事業では、これまで議論を重ねてきた駅周辺の課題解決のアイデアを実験的に取り組む"ちょっと駅までちょっと貴生川"を今月13日に実施しました。当日は、残念ながら雨天でしたが、貴生川駅南口における人工芝広場や食堂、キッチンカーの設置、既存施設を利用した子どもの遊び場やカフェ、菜園づくりや竹筒灯りづくりのワークショップを行い多くの方にご来場いただくことができました。貴生川駅周辺を人々が行きかい、活気あふれ魅力ある地域にするため、事業者や市民のご意見を反映しながら引き続き官民の連携によるまちづくりに取り組んでまいります。
最後に、教育委員会所管事項では、3年ぶりとなる2022あいの土山マラソンを11月6日に開催いたしました。当日は、秋晴れの中、ゲストランナーの福士加代子さん、宇田秀生さん、藤井由美子さん、大角重人さんをはじめ全国から1,600人を超えるランナーに秋の土山路を力走いただきました。
コロナ禍を吹き飛ばすようなゴール後の皆さんの笑顔が大変印象的でした。
 また、11月18日に開催されました「滋賀県中学校駅伝競走大会」において、男子では信楽中学校が優勝、甲賀中学校が準優勝、甲南中学校が3位、また、女子では水口東中学校が準優勝、甲賀中学校が3位、甲南中学校が4位の輝かしい結果を残してくれました。来月奈良県で開催の「近畿中学校総合体育大会」や、滋賀県希望が丘文化公園で開催される「全国中学校駅伝」への出場が決定しており、更なる健闘を期待しています。
 文化財関係では、土山家住宅・土山宿本陣跡の主屋をはじめ4棟が、11月18日の国の文化審議会の答申を受けて、国の登録有形文化財に登録されました。また、土山町の瀧樹神社のケンケト踊りを含む「風流踊」がユネスコの無形文化遺産に登録されるはこびとなり、早ければ明日30日にも決定の見込みです。地域で脈々と受け継がれてきた文化財や民俗芸能がこのように認められたことは本市の大きな誇りであり、しっかりと後世に伝えていけるよう、地域の方々と一層の協力・連携を図っていきたいと思います。
 以上、直近の主な市政の取り組みについての報告とさせて頂きます。
それでは、本日、提案いたしますのは、人事案件2件、条例案件12件、補正予算案件9件、その他案件8件の合計31件でございます。
よろしくご審議のうえ、ご決定賜りますようお願い申しあげます。

  令和4年11月29日      甲賀市長 岩永 裕貴