令和5年4月3日 市長記者会見
〇あいさつ・情報提供
【市長】
改めましてこんにちは。年度初めの大変お忙しい中お集まりいただきましたこと、また昨年度につきましても、市の様々な情報発信にご理解ご協力いただきましたことを重ねて御礼申しあげます。
さて、先月の3月議会で可決いただきました、439億円となる甲賀市令和5年度の一般会計予算につきましては、第2次総合計画、また、第2期基本計画の実施計画を進める大切な予算であり、高騰が続くエネルギーや物価による影響から市民生活をしっかり守り、いつもの暮らしに「しあわせ」を感じるまちの実現に向けて、適正かつスピード感のある執行に努めてまいります。
事業としましては、脱炭素社会の実現に向けたGXの推進、またデジタル技術を活用した市民サービスの向上、産業の持続可能な発展を目指し、本市の未来を担ってくれる子ども・若者への支援の充実、福祉・教育施設の整備、そして医療・介護施設の抜本的な経営改善等に取り組むこととしております。
また、名神名阪連絡道路の整備やデータセンターの誘致、貴生川駅周辺の整備など、市の今後の将来を左右するビッグプロジェクトが矢継ぎ早にやってきます。
しっかりと地域住民の皆様方にご理解いただきながら、着実に推進させたいと考えております。
その他、2025大阪・関西万博に向けたブランド発信の支援、第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会を成功に導くための準備、加えて定住移住のさらなる促進、創意工夫と柔軟な発想をもって事業構築を積極的に進めてまいります。
今後は、新型コロナウイルス感染症がいよいよ5類へ移行することにより、アフターコロナにおけるまちづくりが全国で本格化する時期を迎えます。
こうした中で、コロナ禍で市民の皆様方が気づかれた新たな価値感をしっかりと形にして、反映していくことが今後のまちづくりを進める上でも大変重要になってきます。また、これまで以上に地域の独自性が求められることにもつながってきますので、議会においてご承認いただいた新年度予算に魂を吹き込み、先を見据えた中で、「新しい豊かさ」の創造に向けて着実に歩みを進めていきたいと考えております。
そしてそのためには、まず職員一人ひとりの能力アップが必要となってきます。「新たな仕事にも積極果敢にチャレンジする職員」「市民と対話し、共に考え協働する職員」「経営感覚をもち、主体的に行動する職員」という職員像を目指し、ひとづくりを進めるため、これまで以上に人材育成に力を入れて、研修などを充実させることで、個々の能力をしっかり引き出してもらえる職員力の向上に努めてまいります。
次に、去る3月25日には大戸川ダム建設に伴う付替道路として完成がこれまで本当に待たれていました、付替県道大津信楽線が供用開始されることとなりました。
この道路は大津と信楽を結ぶ大変交通量の多い道路にもかかわらず、ご承知の通り道幅が狭く、離合が困難で、急峻な法面では土砂災害もたびたび発生しておりました。この度、安全で安心して通行できる道路として整備いただいたこと、本市としても本当にうれしく考えております。
この道路の開通により、大津市、栗東市、本市との連携強化がさらに図られ、関係人口の増加や観光客の誘客、また地域振興など、様々な効果についても大いに期待しております。
さて、令和5年度が始まりました。甲賀市では21名の新規採用職員に先ほど辞令交付を行ったところであります。そして、立岡秀寿新教育長を迎え、後ほどご紹介させていただきます部長級職員による新体制により、本年度スタートいたしました。
加えまして、今年度より市民環境部の部内室として設置します、環境未来都市推進室のGX推進専門官として、藤井太郎さんに着任いただくことになりました。
今回、内閣府の地方創生人材支援制度を活用し、株式会社ジェネックス様と、「職員の派遣に関する協定」を締結し、実現したものであります。
藤井さんには、令和7年3月31日まで着任いただく予定をしております。
民間のノウハウを存分に発揮いただきながら、市内事業所、また市民の皆様とともにオール甲賀で環境未来都市を実現するため、将来を見据えて、しっかりと方向性を定めてまいりたいと考えております。
最後になりますが、昨年ユネスコ無形文化遺産登録をいただきました「瀧樹神社のケンケト踊り」を記念して、現在、市内各所で巡回パネル展を実施しております。
今年の5月3日には、同神社におきまして4年ぶりにケンケト踊りが奉納される予定でただいま準備を進めていただいております。
開催の際には、改めて皆様方にもご案内をさせていただきますので、ぜひ取材いただきますようお願い申しあげます。
それでは、本日提供させていただく案件について説明させていただきます。
水口レイピア展示用模型の完成報告と調査報告書の刊行についてであります。
水口レイピアにつきましては、こちらにございますが、本市の藤栄神社に伝わる十字形の洋剣であり、17世紀前半に日本国内で作られていたことがわかっております。ただ劣化のおそれから長期間の展示ができない状態でありました。このため、市では昨年度、原寸大の展示用模型の制作を手がけ、このたび完成しましたので、ご報告、ご披露させていただく運びとなりました。
この完成した水口レイピアの模型につきましては、明日より水口城資料館にて常設展示を開始し、4月15日には展示解説を行う予定をしております。今後、同館の指定管理者である甲賀市観光まちづくり協会とも連携し、この剣を本市の文化資源ブランドの一つとして一層の活用を進めてまいりたいと考えています。
また、この水口レイピアを長年調査いただきました東京文化財研究所の小林公治さん編集による調査報告書が刊行されましたので、あわせて情報提供いたします。
以上、情報の詳細につきましては、後ほど担当から説明させていただきます。なお、会見後半では、「よみがえれ水口岡山城2023」についても、情報提供させていただくこととなっておりますので、市政情報とあわせて取り上げていただきますようお願い申しあげます。どうぞよろしくお願いします。
〇各担当より情報提供
(1) 水口レイピア展示用模型の完成報告及び調査報告書刊行について
○質疑応答
≪記者≫
新年度人事等について、人事課の方に伺ったところ、定数が少し足りない状態にあり、その理由に今回退職者が多く、その中でも自己都合の退職者がそれなりに多いということがありました。自己都合であれば、介護や子育てなどが考えられ、毎年一定すると思いますが、そうでない自己都合も結構おられると聞きます。このことに関して、思うところがあれば教えていただけますでしょうか。
【市長】
自己都合の退職者が年々増えてきていることは、認識しております。私自身、市町村職員互助会の理事長をさせていただいていますが、所属する県内市町の動向を見ても、やはりどの市町でも増えてきていますし、病院、おそらく民間企業でもそういった途中退職というのが増えてきているという印象を受けています。
昔は入庁や入社したら最後まで勤めるという傾向がありましたが、多様な生き方、キャリアを積みたい人などが増えてきている中で、市職員にも自分のスキルを活かして新たに民間で挑戦したいという志向を持たれる方などが増えてきているように思います。
そうした中でやはり市としては、キャリアを積んでこられた職員が途中で退職されるのは大きな損失にもなりますので、今年度から「ひとづくり制度」というのを新たに設け、市役所でキャリアを積むこと、昇級することの価値や楽しさについて、しっかり職員の皆様方に認識いただきたいですし、公務員はどちらかといえば評価が難しく、数字で進めて自分の実績が表れるわけでもありませんので、そういったところにも目配りしながら評価をし、市役所全体の組織づくりを根底から見直し、人づくり、職員づくりに努めていきたいと考えております。
いずれにしましても、人口減少の中、様々な業界で人不足が顕著になっています。市役所も気を緩めることなく人をしっかり確保して、市民サービスの充実につなげていけるように、新たな制度も活用しながら取り組みを進めてまいります。
≪記者≫
心の病気で休んでおられる方も結構多いと職員さんから聞くことがあります。職員が充足していないことに加えて、病気の方も増えたら、人も減っていくことになります。その人達の復帰を進めていかないといけないと思いますが、その辺りのことについて、どのように考えておられますか。
【市長】
それぞれ事情がありますので、急ぐことなくしっかり寄り添いながら、リハビリ的に復帰をし、また様子を見ていく。医師の判断もお伺いしながら、こつこつとやっていくことが大切だというように思います。
また、病気になる前の段階から、やはりチームで声をかけあうこと、悩みをずっと1人で抱えすぎないように共有できる体制づくりが必要ですので、幹部職員中心にお願いもしておりますが、メンタル面には十分注意いただきながら、私も事あるたびにその大切さを発信しながら組織づくりに努めていきたいと考えています。
メンタルで休職を余儀なくされている職員の数が一時に比べて少し減少傾向にはあるのですが、引き続き人間関係を含めた、職場改善、コミュニケーションづくりをしっかりと私が先頭に立って努めていきたいと思っています。
≪記者≫
滋賀県議会議員選挙が始まりました。市長も応援に行かれていると思いますが、応援に行く、または行かないというのは、どういう判断で決められるのかお教えいただけますか。
【市長】
滋賀県議会議員選挙については、甲賀市のまちづくりにとっても非常に大切で、これから名神名阪連絡道路を含めたインフラ整備、甲賀市にどれだけ予算をいただけるのかということや、県のこれからのスタンスを決める上でも大変重要な選挙だというように思っています。
応援に行く、または行かないかについてですが、ご依頼を受けた順番にスケジュール調整しますので、後にご依頼いただいた分はどうしても応援に行くことができない、メッセージ対応等になります。ご依頼いただければ、すべてお伺いしているという状況です。
以上