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遊ぽけっと

馬のすきな娘

むかし、水口に馬の好きな娘がおりました。娘は、毎日馬と遊び、馬にのっては近くの野原をかけまわっていました。娘は、男の人にも負けないほど乗馬がうまくなりました。

そこで馬かけ祭(五月一日の祭り)におこなわれる乗馬競争にでることになりました。十二歳の娘は 、みごと一番になりました。それからも娘は、乗馬競争にまい年出ては一番をとったのでした。

娘は美しく成長し江戸へ行くことになりました。江戸にも同じ祭りがあり、娘も出ることにしました。いなかから出てきた娘が、乗馬競争に出るというので、江戸ではたいへんな評ばんになりました。祭りを見に行く人たちが、押すな押すなとつめかけました。

娘は江戸の男たちにもどうどうと勝って、一番になりました。二十五歳のとき、娘はふるさとに帰ってきました。美しい娘を見た村の若者たちは、「結婚してほしい」と、申しでましたが、娘はいつもことわっていました。家の人は、こまりはてて娘に聞きますと、「しばらく考えさせてください。」といって部屋に入りました。娘は、いつまでたっても部屋からでてきませんでした。心ぱいになった家の人が、ふすまを少しあけて中のようすをそっとのぞいてみました。すると娘のすがたは見えず、そこには、蛇がとぐろをまいていました。

蛇は、少しあいているふすまから、えんがわにおり井戸の中へきえていってしまいました。

光をだすお地蔵さん

むかし、むかし、水口に村人のねがいをとてもよく聞いてくださるお地蔵さんがおられました。

「お地蔵さま、わたしの子どもがはしかにかかりました。どうか、お地蔵さまのお力で一日も早くなおりますようおねがいもうします。」

「お地蔵さま、わたしは、もうすぐ子どもが生まれます。どうか、元気な赤ちゃんがぶじ生まれますようお守りください。」

こうして、村の人たちは、いつもおねがいをしてはお地蔵さまに助けられました。

「そんなにねがいを聞いてくださるお地蔵さまなら、ぬすんでひとりじめにしよう。」と、たくらみを持った男がいました。男は、お月さんが顔をださない暗い秋の夜、お地蔵さんをぬすみだし、家のおし入れにかくしてしまいました。
 それからしばらくして、男がおし入れをあけてみますと、お地蔵さんは、ろうそくの火のようなよわよわしい光りをだして、とても悲しい顔をしておられました。

それを見た男は、おそろしくなり、その日の明け方にお地蔵さんをもとのところへ返したそうです。

豆の好きな和尚さんと狸

むかし、水口のあるお寺に煎り豆の大好きな和尚さんがおりました。

和尚さんが、いつものように豆を煎っていますと、うら山に住んでいる狸が、「和尚さん、豆をくれ。和尚さん豆をくれ。」と近づいては、和尚さんに豆をせがみました。「そうか、そうか、狸のお前もわしと同じように、煎り豆が好きなんだなぁ」といって、和尚さんは、狸に豆をやるようになりました。こうして、狸はいつも和尚さんから煎り豆をもらっておりました。

ある日の夕方、和尚さんがいつものように豆を煎っていると、狸がやってきて、「和尚さん、豆をくれ。」と、何回もいうのでした。和尚さんは「わしの好きなものをいつもほしがる。きょうはこらしめてやろう」と思い、煎りたての熱い豆を狸めがけて投げつけました。

それからというもの狸は、和尚さんの前に出てこなくなりました。それから何日かすぎたある日のこと、和尚さんが縁側でひるねをしていると、観音さまが目の前にあらわれました。和尚さんがよく見てみますと狸の化けた姿でした。びっくりして飛び起きた和尚さんは、「悪いことをしていない狸に、熱い豆を投げてしまった。」「狸にすまないことをした。」と、裏山に向かって大声であやまったそうです。


園養寺(湖南市三雲)

周りを木々に囲まれたお寺です。
階段をがんばって登っていくと、このちいさなお堂があります。
狸たちは、まだこりずに、このお寺を訪れているのでしょうか。

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