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ふしぎな鏡岩

むかし、むかし、鈴鹿の山の中に鬼とその娘の鬼女立烏帽子姫が住んでおりました。鬼の親子が住んでいる近くに、それはそれは大きな岩がありました。ふたりは、その岩を朝ばんまい日まい日みがきました。すると、岩はぴかぴかになりました。そして、鬼の親子は、岩にうつる旅の人や村の人から、お金や物をとりあげては苦しめていました。みんなに、鏡岩の鬼といっておそれられていました。

この話を聞いたのは、武将の坂上田村麻呂でした。武将は、強くて勇気がありました。
 武将が、鈴鹿の峠の近くの鏡岩のあたりまでやってきました。

鏡岩にうつった武将をみた親子の鬼は、何千もの鬼に変身しておそいかかってきました。武将は、少しもおどろかずその場にすわり必死で祈りました。すると、とつぜん千手観音があらわれ光をだしながら、千の手の一つ一つに弓をもち、鬼をめがけて一度に矢をうちました。

何千もの鬼に全部の矢があたり、鬼はのこらずたおれてしまいました。観音さまのお力のおかげです。鬼の親子もこれは勝てないとわかってあきらめ、今までやってきた悪いことを反省し、「二度としません。命だけは助けてください。」と、お願いをしました。

それから、この峠の守り神になって、旅人や村の人を守ったと言われています。喜んだ村の人たちは、坂上田村麻呂を神さまとしておがむようになったそうです。


鈴鹿峠

国道一号線を三重県方向へ向かっていると県境の鈴鹿峠。

鈴鹿トンネルの手前右の小高い丘に万人灯(万人講常夜灯)が立っています。そこを目指して坂道を上がると 、旧東海道へ出ます。

かっては旅人で振るわう東海道でありましたが、今はその面影はまったくないさびしい林道です。その道を坂下方面(三重県側)に行くと木立の中に「鏡岩」という看板があり、さらに150mほど林の中に入ったところの切り立つ崖に鏡岩があります。

大きなかにとお坊さん

むかし、鈴鹿の山に、それはそれは大きい怪物のようなかにがやってきました。かには、鈴鹿の山に住みついて、旅人や村人たちをおそっては食べるようになりました。朝にはきりを吹き、夕方には風をおこしてあばれまわる大がにがこわくなった村人たちは、住まいをすてて逃げ去っていきました。

とうとう、村にはひとりもいなくなってしまいました。それを聞かれた観音さまは、これはたいへんだと思われました。

そこで、観音さまは、京の都のえらいお坊さんの夢のなかにあらわれ、「大がには、あなたがやっつけるように」と命令されました。
 このえらいお坊さんは、観音さまから言われたように鈴鹿の山に行き、かに坂へとやってきました。そのとき、大がにがお坊さんにとびかかろうとしました。お坊さんは、静かにお経を唱えはじめたのです。

すると、ふしぎなことに大がにはその場にたおれ、おこった目だけがぎらぎら光り動けなくなってしまいました。お坊さんが、仏さまの話をすると、大がには涙をながし苦しみながら心から反省しました。するとそのとき、とつぜんものすごい音がしたかとおもうと、かにの甲らが八つにわれ、血がふん水のように吹きだし、大がにはとけてしまいました。

こうして、大がには、観音さまを信じたお坊さんの力でやっつけられました。村人たちは、大よろこび、さっそく村にもどり、お坊さんといっしょに散らばったかにの甲らをあつめました。
 お坊さんは、村人に、「大がにも反省したのだから、やさしくていねいにお墓に入れてあげなさい。」といって立ちさって行ったそうです。

それが今ものこっているかに塚です。

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