市教育委員会では令和7年3月26日付で、無形文化財1件を指定し、あわせて保持者6名を認定しました。
無形文化財陶芸の保持者は、伝統的な技術を受け継ぐとともに、芸術性の高い作品を制作されています。
なお、今回の指定により甲賀市指定文化財の総数は148件となりました。
甲賀市指定無形文化財陶芸保持者
織田悦郎(雅号:織田阿奴)
焼締陶の産地として知られる信楽にあって、絵画的な絵付け作品の制作を手掛けてきた異色の作家。芸術性の高い陶筥(とうばこ)を主に制作。

▲金銀彩“竹に笹”八角陶筥(保持者提供)
西尾靖之輔(雅号:西尾瑞舟)
信楽の伝統的な技術を基礎としつつ、焼締めから灰釉(かいゆう)、さらに炭化陶(たんかとう)から白釉掛(はくゆうが)けといったように時代ごとに技術を展開させて、創造的な作品を制作。

▲炭化青白釉花器(撮影:杉本賢正、保持者提供)
加藤喜代司
炭化窯変(たんかようへん)の制作を軸に作家活動を展開。見込に掛けられた銅緑(どうりょく)釉の色調は深く、隙のない造形の美しさがある。皿・鉢などの日常のうつわの造形を追求。
▲炭化窯変線文菱形皿(保持者提供)
澤清嗣
中世の焼締陶の技術に、人為的な「破れ」を新たに加え、焼締陶と調和させた。その創意は、伝統的な信楽の焼締技術を基盤としながらも、新しい現代陶芸をめざす。
▲破れ器(撮影:杉本賢正 滋賀県立陶芸の森陶芸館提供)
奥田博(雅号:奥田博土)
割れた大壺を大鉢と組んで穴窯で再焼成、穴窯で焼成した半磁器土の四角柱と組んだ(時空)を制作。茶壺の伝統技法を伝承しながら信楽土と新しい土との融合を含め新たな陶表現の可能性を求める。

▲時空(撮影:中島省三 保持者提供)
小西啓吾
勅旨に伝わった伝統的な小物ロクロの抜きんでた技術により、近年は急須の技術を応用した、新しい感覚のポット類の制作にも取り組むなど現代の信楽焼を制作。

▲マイカフェポット(多機能ポット)(保持者提供)