甲賀の中世城郭(東西向山城の模型)
『甲賀市史』全8巻のうち、3冊目の配本となる第7巻は、甲賀市内の中近世城郭を網羅した「甲賀の城」です。「城の国」とも呼ばれる近江のなかでも甲賀市域には数多くの中世城郭跡が確認されており、その多くは一帯に割拠した「甲賀衆」(甲賀武士)たちが戦国時代に築いたものと考えられています。
甲賀の城の多くは、土塁と堀で囲まれた一辺が50メートル余りの小規模な方形の「館城」ですが、まさに「あそこにも、ここにも城がある」という表現が誇張でないほどに密集して存在しています。こういった形や分布のありかたは、「同名中」や「郡中惣」という一揆的結合を基盤として、地域を支配した甲賀衆の特質、甲賀地域の社会のありかたを反映したものと考えられており、早くから全国の城郭研究者、中世史研究者の注目を集めてきましたが、その全ぼうを詳しく紹介するのは今回の「甲賀の城」が初めてとなります。
本巻は大きく甲賀の城はもちろん中世城郭を知るための情報を提供する概説と、個別城郭を紹介する各説からなり、とくに各説では全ての城郭遺構について、5年をかけて実施した現地調査にもとづき、180カ所にのぼる縄張図(概要図)を新たに作製し掲載しています。
体裁
B5判 上製本 箱入り 本文500ページ
付録ブックレット『甲賀戦国の城を歩く』
執筆者一覧(敬称略・順不同)
土山城跡縄張図(福永清治作図)
- 石川 浩治
- 石田 雄士
- 遠藤 啓輔
- 金松 誠
- 川嶋 將生(本巻担当編集委員)
- 下高 大輔
- 髙田 徹
- 高橋 成計
- 中井 均
- 中西 裕樹
- 早川 圭
- 福永 清治
- 藤岡 英礼
- 堀口 健弐
- 正岡 義朗
- 村田 修三
- 山下 晃誉
販売価格
1冊3,500円
