「市の人口減少率を抑える」「若い世代が魅力を感じるまちづくり」を大きな目的とし、その一助となるため、公民連携により貴生川駅周辺の魅力づくりを行う社会実験を実施しました。
公民連携の「民」の役割を、貴生川エリアプラットフォームメンバーを中心とした、まちづくり会社が担うことを想定し、「子育て世代」「若手社会人」「学生」をターゲットとし、
- 市場性(テナント運営の収支、マーケットの確認)
- 社会性(運営者やテナント出店者等の担い手、滞在する人口の増加等)
について検証することを目的として、まちづくり会社準備会が主体となり実施しました。
社会実験では、アンケートへの回答やにぎわいの創出など、多くの方々に協力いただきありがとうございました。
この度、社会実験の結果がまとまりましたので、報告します。
社会実験の結果概要
(1)検証方法
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トレーラーハウス内のタブレットで利用者の属性を確認するアンケートを実施
- 出店事業者へ、売上額、粗利額、出店動機、出店にあたり必要な売上額等のアンケートを実施
- その他、SNSやビッグデータによる検証
(2)市場性(マーケット)
- 広場及びトレーラーハウスの利用者やSNSのフォロワーから、甲賀市内の子育て世代(30~50代)が主なターゲットとなり、そのターゲットに訴求するサービスを提供すると一定の市場性があることが分かりました。
- 市場性を生む条件としては、(1)同時間帯に複数の出店、(2)SNSアカウントのフォロワーが1,000名以上いる店舗の出店、(3)金曜の夜や休日の出店、となりました。
(3)市場性(運営収支)
- 10千円以上の粗利額を上げた事業者は全て飲食でした。
- 出店動機は「店舗等のPR」が主でした。
- しかしながら、現状の広場や滞在空間の仮設ではPRには十分といえず、目的を持って来客するためのイベントを定期的に開催することが求められています。
- 今回の検証では、単独での常設店舗の運営はハードルが高いと考えられます。
- 今後市場性を更に高めていくためには、一定の広報力を有する複数店舗の特定曜日同時・固定化出店をベースとしながら、スポット出店を進めていく方法が妥当と考えられます。
(4)社会性(滞在する人口の増加)
- 冬季及び限定的な面積であっても、屋内滞在空間の創出が日常的な利用促進や滞在時間延伸に効果的であることが確認できました。
- ビッグデータにより、広場に接する道路において歩行者及び自転車通行量の増加が確認できました。
- まちづくり会社準備会によるコーディネートにより、計152事業者の出店や取組展開が生まれました。
今後推進すべき施策(案)
(1)広場空間をマネジメントする主体の形成
- まちづくり会社準備会による収益化を見据えたマネジメントを推進
- 貴生川まちづくり協議会との連携による地域ニーズへの対応
- まちづくり会社等の組成に向けた検討
(2)飲食・サービス系店舗の複数出店とイベント実施による賑わいの創出
- 仮設店舗での出店、屋内店舗のシェア出店の促進
- 多業種の出店、人気・ニーズの高い店舗の固定化出店などをブランディングし発信
- それらの店舗の集客を図るイベントを定期的に実施
社会実験の概要について
社会実験の概要(PDF)